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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
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第120話 挨拶周り①

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

 陛下との話し合いも終わり、今度はギルドマスターかな・・・面倒だけど。

 その前に、新薬の研究所というか製作所を見にいってみよう。

 そこは未だに地下を作っており、職人達が忙しく動いていた。

 その様子を見ていると、後ろから不意に声を掛けられ振り向く。


「カナタ師匠! そこにいらっしゃるのはカナタ師匠ではございませんか!」

 ファウストさんが、10人ほどの中から、よく解らないダンスで人を掻き分け近づいてくる。


「あぁファウストさん、お久しぶりです」


「お久しぶりでございま~す! いつもユカ殿に手伝っていただいて、ありがとうございます」


 やっぱりユカさんがファウストさんを手伝ったのか・・・まぁ、そうしないと纏まった数を作れないからなぁ。


「いえいえ、ユカさんが自分から参加したんでしょうから構いませんよ。 それで、周りにいる皆さんはどなたなんですか?」


「現在の弟子です! なかなか見所のある者達ですよ! このような場所へカナタ師匠が来られるとはどうしたのでしょうか?」


「新薬の製作所が、どんな形になるのか気になって見に来たんです」


「そうだったのですか! すばらすぃぃ! 何か気づいた事があればすぐに言って下さい! 私が伝えておきますゆえ」


「いえ、自分達が使いやすい場所にするのが1番ですよ。 では、冒険者ギルドのマスターにも呼ばれているので行って来ます。 ファウストさんも頑張って下さい」


「ありがとうございま~す! 皆さん、カナタ師匠に礼を!」


 いや、止めて! なんか重要人物みたいじゃん! 建築に携わってる人達が不思議そうに見てるじゃん!

 それにしても、ユカさんはちゃんと報酬を貰っているのか? いや、貰ってないんだろうな・・・あとで請求しよう。


 その後、ギルドマスターに会うために冒険者ギルドへ。

 受付でセレネさんに一言言うとすぐに執務室に通される。


「ようやく帰ってきたのね。早速なんだけど、あなた達のギルドでの扱いが決まったのよ」


「はい、結局どうなるんですか? ランクを強制的に上げるとかですか?」


「そうね、それに近いのだけど特例を作ると不公平が出るって事で扱いは今までどおりって感じかしら」


「ん? どういうことですか? 意味が解らないのですが」


「簡単に言うと、ギルドマスターだけがあなた達を1級冒険者だと分かるって感じね。 これは今まで通りでしょう? もう1つはあなた達12人は試験が免除されるってことね。 つまり、さっさとランクを上げろってことかしら」


「あぁ、なるほど。 今まで通りにすごせば良いってことですね」


「いえ、ちゃんとカードの更新をしなさいって事よ。 塩の迷宮を攻略したのに報告しないとか駄目だと思わないかしら?」


「え? 何で知ってるんですか?」


「通信の魔道具よ。1日1回くらいしか使えないから、余り頻繁なやり取りは出来ないのだけどね」


「そんな物があるんですか!? 貰えません?」


「あげても良いのだけど、ギルドの大きさと同じ位の装置よ?」


「そんなに大きいんですか? じゃあ、装置の構造だけでも教えて欲しいです。 出来ませんか?」


「そのくらいなら構わないわ。 あと、シーフ(盗賊)の技術はいつ教えれば良いのかしら?」


「え? ギルドマスターが技術を教えてくれるんですか?」


「そうよ。 こう見えてもLv100を超えた英雄の一人なの、驚いたかしら?」

 そう言うとギルドマスターが不適に笑う。


 結局、通信の魔道具は空いてる時にいつでも来て調べても良いと言う事になったが、俺たち12人以外入れないと言うことになった。

 盗賊の技術は、朝練の時間に来てもらうようにした。

 俺達の事もあるが子供達も盗賊になる子がいるかもしれないしね。

 今のうちに1流の技術をみておくのも良いだろうと言う判断だ。


 お昼過ぎから畑の手伝いや針子等、思い思いにしているようだから午前中に詰め込んだんだが・・・今さらだが大丈夫かな?

 まぁ、皆元気だし大丈夫だろう! ギルドマスターとも軽く世間話をして出て行った。


 受付によりセレネさんと会話をする。

「セレネさん、面白い魔物の情報なんかはありませんか?」


「面白いってなんですか! まぁいいです。 グランドタートルの依頼が1番美味しいですよ? 受けますか?」


「いえ、食べられる魔物の方が良いですので今回は受けません。 他にはありますか?」


「食べられる・・・南の川近くにドルドレイサーモンが来てる様ですが、ビッグベアやフリストウルフ・グザルビーなどがいるようです」


「南の川ですか。 結構遠いんですか?」


「途中にミズクサの村がありますので、それなりに遠いかと」


「そうですか・・・今はそこまで離れられないので止めておきます」


「そうですか。 何かあればリョウタロウさんに言っておきますね」


 お礼を言ってからその場を去ろうとしたとき、見た事のない獣人達に囲まれる・・・何だ? テンプレ?


「先程の会話が聞こえてきて、ソメイヨシノの方ですよね? 皆さんに感謝をお伝えしたく参上しました」


「え? あ、はい。 でもどうしてですか?」


「ワイバーンを退治して頂き、命が助かりました。 ありがとうございます」


「いえいえ、大丈夫ですよ。 裏リーダーにも伝えておきます」


「本当ですか!? ありがとうございます、何かあれば微力ですが手伝いますので、遠慮なく言って下さい」


「はい、ありがとうございます。 手伝って欲しい事があれば声をかけますね」


 そんな話をして気分良く冒険者ギルドを出て行き、昼食をとるために屋敷へ。

 武器の調整とか防具の調整とか色々もしないとなぁ・・・作らなきゃいけない物も多いし・・・引きこもって色々作るかな。


「ただいま戻りました~・・・って、エルさん? お久しぶりです」


「お久しぶりで~す! あの時は本当にお世話になりました! 今はタクミさんに、防具のこと等を教えてもらってます!」

 エルさんは、笑顔で頭を下げる。


 直接会うのは鍛冶師を奴隷の様にしていたゴラントさんを懲らしめた時以来かな。

 元気になった様でなによりだ・・・しかも、もう男の格好はしていないようだな。


「それは良かった。 タクミ君は防具についてはちょっと疎いから、出来れば教えてあげて下さいね」


「はい! もちろんです! 私も上司から直接防具開発について辞令があったので、一緒に開発してもらっています!」


「仲良く開発してくれるならそれで良いですよ。 無理せず頑張って下さい」


 タクミ君がこっちをチラチラみて、何かを言いたそうだな・・・夕食の後時間があれば聞くかな。

 その時、アカネさんが魔物の卵から生まれた白い子猫を抱っこして、テーブルの上に置き手招きをしてくる。


「ねぇねぇ~、カナちゃ~ん。 この子を見てよ~・・・喋るんだよ~!」

 アカネさんが、そう言うと白い子猫が二足歩行で歩いて来た。


「え? 立った? え? 喋る? どういうこと?」


「拙者、アカネ様の従者の【オモチ】と申し候。 上様に置かれましてはご機嫌がウルワシ・・・この後なんでごじゃったか? アカネ様」

 オモチがお辞儀して言うが、解らなくなったのかアカネさんに聞いている。


「ご機嫌が~麗しい様でなにより~だよ? 頑張って」

 オモチにこっそりと耳打ちする・・・まる聞こえだが・・・


「アカネさん、ご機嫌麗しくって所なんだけど、上様のご尊顔を拝しましてまことに嬉しく思います。とかの方が良いかもよ?」


「ちぇ~・・・折角教えたのに~」


「いや、でもすごいね。 ケット・シーとか?」


「なんか~、ちょっと違うみたいなんだよねぇ~。 えっと、ケット・ディアとか言ってたけど~、あたしは、聞いたことないんだけど~知ってる~?」


「うん、俺も全く分からないや・・・まぁアカネさんがよければ良いんじゃない? かわいがってやってね」


「もっちろ~ん。 それでお願いがあるんだけど~」


「何? 欲しい物あるの?」


「オモチの防具と武器が欲しいの~! 本人たっての希望なんだけど~駄目かな~?」


「いや、それは構わないよ? でも魔法使えるの?」


「なんか~魔法は得意みたい~、本人の魔力でも魔法使えるし~、しかも~私の魔力もオモチに~渡せるみたいなの~」


「そりゃあ便利だね。 それなら使い勝手の良い装備をそろえようか」


 全員の武器と防具の調整もしなきゃいけないのに、オモチの武器防具も作るのか・・・忙しいな・・・

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