第12話 冒険者ギルドで
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6/8改稿あり、加筆あり
隣の建物は冒険者ギルド兼酒場の、ファンタジーに良くある形のギルドだった。
だがカウンターや酒場には冒険者と思われる人は居なかった。
ウェーブというのが来ていたため、残党? 残モンスター狩りで、人が出払っているのかもしれない・・・もしくは全員やられたか・・・
奥のカウンターに向かっていく・・その間の壁には掲示板があり紙が貼ってある。
おぉ! 本当にギルドだ! ってことは定番通り、カウンターには美人の受付嬢だな!
やっぱり、獣人の受付嬢なのかな? どうなんだろう? この世界には美人が多そうだし、本当にワクワクするよ、すっごい楽しみだ!
「誰か居ないか!」
奥のほうから人が出てくる。
「はいは~い、今行きます」
トタトタと小走りで兎の獣人の受付嬢が出てきた・・・予想に反して、皺くちゃのお婆ちゃんの・・・
心の中で、それはちっが~う!! って叫んでいた・・・
声が可愛いから、期待したよ・・・でもさ、受付嬢は美人って相場が決まってるんじゃないのか?
今まで会った獣人の女の子が可愛かったから可愛いって決め付けていた俺が悪いんだけどさ・・・
「これはこれはフランソワーズ様、討伐報酬・解体と素材の買取など終わっておりますよ、今お受け取りになりますか?」
「いや、先に冒険者登録をお願いしたい」
「はい、そちらの方ですね、こちらにお願いします」
「はい、解りました」
と言いながら、カウンターの目の前まで歩み出る。
「若い受付嬢じゃなくてごめんなさいね」
え? 心が読めるの? そんなギフトあるの? たぶん、顔に書いてあったんだろうな・・・すみません。
「いえ、そんな事は無いですよ、右も左もわからぬド新人なので色々教えていただければと思っております」
苦笑しながらそうやって答えるのが精一杯だった。
「はい、では魔法の適正はお調べしますか? わが国には魔法ギルドがございませんので、当ギルドでお調べしております。ギルドカードへの記載はギフトと同じように任意ですのでご安心ください」
「はい、お願いいたします」
受付嬢は、カウンターから出てくると「こちらへ」と言って扉の前まで行き、扉を開け「どうぞ」と言い手で中を指した。
懐かしの電話ボックスぐらいの大きさで、電話機があるところにはギフトを調べたときのような水晶があった
早速水晶に手をかざすと、ギフトと同じような文字が出てくる
【魔法適正】
得意属性 無属性
苦手属性 無し
無属性? ってなんだ? オリジナルの魔法しか使えない厨二病的なものか?
もしくはレア属性か・・・はんぱなく使えない属性か・・・
自分で調べたいが、魔法ギルドは無いって言ってたなぁ・・・本があればいいけど・・・
無い場合は、受付嬢かフランソワーズ様に聞いてみるしかないかな・・・?
扉から出て行くと
「どうだったのだ? 髪の色から察するに、レアな闇だと思うが・・・どうだったのだ?」
キラキラした瞳をしながら、掴みかかるのかと思うほどの勢いで接近される・・・顔近いって! ドキッてしますやん。
「フランソワーズ様! 人に属性を訊くのはマナー違反です。自重してください」
「す・・すまん、興奮してしまったようだ・・・闇属性など見たことが無かったので気になってしまったのだ」
「いえ、それはかまわないのですが・・・私は、闇属性ではありません」
「そ・・・そうなのか・・・それはすまないことをした・・・髪の色に全部現れるわけではないものな・・・許してくれ」
落ち込みようが解るほど、うなだれる。
「大丈夫です、受付譲さん・・・魔法適正の属性表みたいなものはありませんか?」
「ございますが、属性に現れたものが全てですので、見てもあまり意味は無いと思いますが・・・」
「そうかもしれませんが、一応見てみたいのです。よろしいでしょうか?」
「かしこまりました」
といいカウンターの奥の扉より鉄板のようなものを持ってきた
その鉄板を受けとり見てみると、文字が彫ってあった・・・紙よりも保存が利くんだろうけど・・・
【魔法適正 属性一覧表】
〇下位属性
火属性 火を使える
水属性 水を使える
風属性 風を使える
土属性 土を使える
〇中位属性
氷水属性 水・氷を使える
爆炎属性 火・爆を使える
土木属性 土・木を使える
風雷属性 風・雷を使える
〇上位属性
光属性 光・回復が使える
闇属性 闇・腐敗が使える
〇特殊属性
無属性 人によるため不明
おい! 折角見せてもらったってのに、結局解らないのかよ! 聞いてみるしかないか・・・でも、人によるってことは聞いても無駄なのか?
「ありがとうございます、参考になりました・・・無属性って言うのがあったんですが、そのような人が居るのですか?」
「古の勇者は全ての者が無属性だったと聞く。しかも現代の魔法に多大な影響をもたらし様々な属性を操っていた勇者も居たとも聞いているぞ! 今では、確認のしようが無いがな・・・今現在、私の知る限りでは1人!・・・ハーフエルフのパルメント殿だけだ」
目がキラキラと輝きテンションも高く、最後は驚くほどのドヤ顔。
「ほほ~、そうなのですか~、そのような方が、いらっしゃるんですね!」
まぢかよ・・・激レア属性なのかよ・・・全属性を使えるって・・・チート属性ってことかい!
「パルメント殿は、マジックボックスやマジックバッグの作成が出来る唯一のお人だ・・・ただ、全属性の魔法が使えるわけではないようだがな」
マジックボックスの作成だって? 本当に? 欲しいれ 何が何でも欲しいけど・・・買えるのかな? 高いだろうけど。
それにしても、無属性だからって属性が全部使えるわけじゃないってことか・・・人それぞれ・・・難しいな・・・
「属性が後で変わるなんてことは無いんですか? 修行すれば! とか・・・」
「ないな・・・いや、今は無いと言ったほうがいいな、前例が全く無いのだ・・・ギフトのように努力すれば覚えられる・・・いや、変えられるってことがあるかもしれないがな」
「え? ギフトって覚えられるんですか? 貰えるものって感じじゃないのですか?」
「はっはっは、何を言っておる、当たり前だろう! 何もせずただ貰えるものなんて無いぞ! 魔力の使い方を学び、肉体を鍛えてからギフトが貰えるのだ」
「そうなんですか・・・出来れば、ギフトについて教えて貰えませんか? 簡単でいいので」
「ん? ギフトについてニホンという国は調べていなかったのか?」
「どうだったのか解りません。自分のギフトを調べたのも初めてでしたし」
「そうなのか・・・ううむ・・・民たちの長所を伸ばすのが為政者の役目だと言うのに・・・すまん、話が逸れてしまったな・・・
簡単にだが説明するぞ、ギフトは全部で3種類ある。肉体強化系・魔法強化系・特殊系だ。
まず、肉体強化系は、その名の通り身体能力強化のように身体能力を上げるものだ。
次に、魔法強化系だな、魔力の泉などの魔力回復速度が上がったりするものだ。
最後の特殊系は、マジックバッグ化などの補助的な能力だ。
注意だが、肉体強化系と魔法強化系は一緒に覚えることが出来ないとされている。特殊系は一緒に覚えることが出来るみたいだがな」
「なるほど、ギフトはどの位あるんですか?」
「そうだな、どうなんだろうな? 有名なものは世間に知らされているが、誰にも喋らずに亡くなる者も多いから数は把握できてない。全く未知のギフトもあるかもしれんぞ」
「そうですか、後疑問なのですが身体能力強化をし続けると生活しにくいのではないですか?」
「身体能力強化しながら生活などせんよ、ちゃんとOFFにしてから生活するのだ」
「ギフトは、ON・OFFできるんですか?」
「本当に何も知らぬのだな、心の中でOFFにしようとすれば出来るし、ギフトを個別にOFFにすることもできるぞ! 音声会話のギフトをOFFにしてみるがいい!」
音声会話? 言語理解ではなく? まぁOFFにしてみたらわかるかな?
頭の中でOFFにしようと思うと、フランソワーズ様が何かを喋りかけているのに全く解らなかった。
「・・わかるか? おーい、解るか?」
「ON・OFFの方法がわかりました、ありがとうございます」
ギフトの使い方、魔法についてなど色々教えて貰うことができていい感じだな!
夢中になりすぎちゃったかな? う~ん・・・みんなは無事かな? と気になっていた。
ウルフローナ国の冒険者ギルド:冒険者をサポートするギルド。
冒険者の税金は常時依頼の成功報酬から天引きされるが、足りない場合は請求される。
後進の冒険者育成もしているが、お金が少しかかる為受ける人が少ない。
ギルドのウサギの獣人の受付嬢:シワシワのおばあちゃん・・・動きが素早く年齢を感じさせない。
ギフト:******を調整した物、*****が無い。
教えてもらったり実験してたりすると覚えられるが、覚えられるスピードはステータスに依存している。
特殊系・肉体強化系・魔法強化系の3つに分類されている。
3つの系統を全部覚えられない訳ではなく、1つの系統を覚えるたびにかなり覚えにくくなるだけ。
魔法属性:苦手属性でも魔法は使えるが、かなり弱くなる。 得意属性だと強くなる。




