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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
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第111話 食事会

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

 結局、オルトウス様や領主様達の分も作る事になり、使用人の食堂を借りて多くの人に餃子を振舞う事になり、結婚式・・・いや、給食のような形にテーブルを移動させホットプレートのような物を2つ並べる。

 ホットプレートの数が足らないな・・・うどんの方は炭火で何とかするか

 しっかし、旅に出ると料理担当になるだろうとは思っていたけど、まさか領主の城で2回も料理を振舞う事になるとは・・・


「カナタ殿、テーブルの移動終わりましたが、そろそろ料理を教えていただけませんかな?」

 料理長が、目の前に来て頭を下げる・・・言葉遣いがかわったなぁ、まぁどうでもいいか


「そうですね、じゃあ、一緒にうどんを作りましょうか。 材料は小麦、塩、水だけなので簡単に作れますよ」


「はい! よろしくお願いします」


 こうして2人でうどん作りに励み、試しに少し茹でて食べてみる・・・歯ごたえと言うかコシがありすぎるうどんになってしまっていた。

 そっか・・・力が強くなってるんだから加減しないといけなかったのか・・・今から細く切るか? いや、これはこれでありかな。


「料理長、卵ってないんですよね?」


「ええ、無いですね。 ワイバーンやセントバードの高級な卵はほとんどで回りませんし、なにより新鮮かどうかも解りません」


「いや、安いのでも良かったんだけどさ」


「安いのですかい? 明日の昼くらいになら手に入りやすが今は無いですね。 要り様なら取ってきてもらえば良かったですよ」


「すぐ取りに行けるなら取ってきますけど、無理なんですか?」


「まず無理だと思いますよ? 卵は子供しか取れないもので、大人が取るのに成功したってのは聞いたことが無いですね。 挑戦してみてもいいと思いやすが、夕飯には間に合わなくなるかと」


 子供なら取れて大人には取れない? どういうことだろう? なぞなぞ? トンチとか?


「子供に取りに行かせるって危険は無いの? 襲われたらどうするの?」


「大丈夫ですよ。 なんたってデスバードですよ? 危険なんて無いですよ」


「え? デスバードって名前強そうじゃない? 大丈夫なの本当に」


「なるほど、デスバードをご存じないんですね。 そう思うのも無理は無いですね」


「全く知りませんけど、弱いんですか?」


「弱すぎですね。 大人が目の前に現れると、ビックリして死んだ振りをするんですよ。 しかも、触っても動かないと言う徹底振り・・・それで、出会ったら死んでしまう鳥、デスバードという名前が付きました」


 おいおい、普通は死を振りまく鳥でデスバードなんじゃないのか? なんか、たまにネーミングセンスが解らないんだよなぁ。 どんな鳥かは気になるんけどね。


「でも、死んだ振りなんてしたら、食べられちゃいますよね?」


「それは無いんですよ。 デスバードは物凄く不味いんです。 焼いても何をしても食べれません、ゴブリンですら食べないほどなんです」


「そんなに不味いんですか? ますます気になりますね」


 そんな事を楽しく話しながら準備を終え、皆を呼んで少し早い夕食を食べていた。

 それにしてもショウマ君達遅いなぁ・・・何してるんだろう? 無線を渡しておけば良かったかな?


「カナタさん、ショウマの所に行き様子を見てきてもいいですか? 流石にちょっと遅いと思うんで」


「ケイタ君、頼んじゃっていい? なんか遅いよねぇ」


「はい、すぐに行って来ます」


 ケイタ君は、外に出て行く。 俺は餃子を焼き続ける・・・なんでこんなに行列が出来てるんだよ! 信用の置ける兵士長達と領主の会食って形になってるけど、領主一家と兵士が一緒に並んでるんだよな、いいのか? 楽しく談笑しながら並んでるからいいのか。

 そう考えながらも、世話しなく動き続ける。


 食事が一段落し、他の兵士達にもうどんだけでもいいから食事を作って欲しいと頼まれ、うどんを打ち始める。

 餃子は、ケイタ君達が帰って来たらの為に残しておこう。 餃子のタネは結構あまってるけど、皮が少ないし、何より包むのがめんどくさい。


 フライドポテトと屋敷から持ってきた岩塩でトンテキくらい作ってあげるかな。 ジャガイモもオークも結構あまってるし、なによりも楽チンだしな。

 ケイタ君、遅いなぁ・・・何してんだろう? なんか不測の事態でもあったのかな?

 兵士達がぞろぞろと食堂に入ってくる。 皆一様に笑顔でやる気に満ちている感じがするが、イザサさんを見ないな? 何かあったのかな?

 兵士達にうどんとトンテキを皿によそい渡していくと、大盛りにしたフライドポテトをテーブルに数個載せて、皆でつまんでもらう。


 フライドポテトの隣にはケチャップとマヨネーズを出しておいた。 氷をたくさん入れた冷蔵庫もどき(旧式冷蔵庫)に入れてあったので腐っていないはずだ。

 心配だったので料理長に味見して貰ったが、一口舐めるとひざを付いて涙を流していたっけ・・・しかも、天井を見ながら俺と出会えた事を、神に感謝しながら・・・おっさんの涙なんて見たくないんですけども。

 そんな事を考えながら、料理する・・・と言っても、トンテキを焼くだけだしかなり楽チン。


 しばらくすると、どこから出したのかワインだけではなくエールや良く解らないお酒まで出てきてドンチャン騒ぎになる。 迷宮の調査も後でするはずなのにいいのか?

 周りを見回すと調査をする隊だけは、酒を飲まずに恨めしそうに食事をしているようだった。

 街を守る兵士として職務は間違いなくこなすように、ちゃんと訓練しているんだろう、流石だな。


「カナタ殿! 兵士達がフライドポテトを革袋に入れて持って帰ってしまっています。 どうすればよろしいでしょう?」

 料理人の1人がこちらに駆けて来て焦った様子でいう


「持って帰りたいなら好きにさせて下さい。 ですが、すぐに腐ってしまいますので今日中に食べてしまうように注意して下さい」


「解りました。 ですが、どのようにして注意をすればいいのでしょうか?」


「あぁ~そうですね・・・料理長! オルトウス様か領主殿に隊長達へと伝令をしていただくように要請して下さい。 後で腹を下したとなれば誰1人も得はないので」

 兵士達がいる手前、少しだけかっこつけて言ってみたが似合わないな・・・今度からやめておこう


「はい、畏まりました。 すぐに行ってまいります」

 料理長は益々畏まったような言い方をする


 なんか選択を間違った気がする・・・どうしよう。


 飲みすぎた兵士達を運び出す救護班まで作られ、盛大に賑わった宴も終わりに近づいたとき、ケイタ君、ショウマ君、ボロボロで目も虚ろなソテツさん、ケイタ君におぶられてるカルジャスさん、ショウマ君に肩を貸されて辛うじて歩いているヒレザンさんが入ってきた。


「カナタさん! 戻ったぜ! 腹減ったから飯を頼む」

 ショウマ君が軽い感じで片手を上げて笑顔で言う


「ショウマ! 最初に遅れた事を謝るべきでしょう! カナタさんに、どれだけ心配掛けたと思ってるんですか!」

 ケイタ君が、ショウマ君に怒鳴る


「おう! そうだった。 ちっとやりすぎちまって、3人とも3回気絶させちまってな・・・そしたら起き上がらなくなって焦っちまったぜ」


 1回気絶したらやめようよ・・・3回気絶させたって何をしてんのさ。


「皆無事ならそれでいいよ。3人は死にそうだけどさ」


「カナタさん、ショウマは僕達と同じ朝練メニューを隊長達にしていたみたいです。 フラン様や子供達に教えたとき、僕達は規格外だと分かっていたはずなのにですよ」


「仕方ないだろ! 同じメニューをやりたいっつってたんだからよ! やらしてやらなきゃ可哀想だろ!」


「だから言ったじゃないですか! フラン様でさえ最後まで付いてこれたことがない僕達の訓練は異常なんだと!」


「付いてこれるかどうかはやって見なきゃわからねぇだろ! 何でそう言いきれるんだ!」


「はい! 2人ともお腹減ってるでしょ? 口喧嘩終わらせないと作らないよ?」


「おう」 「はい」

 2人は素直に頷く。


「難しい話は後にして、作るから座って待ってて・・・カルジャスさんは、布団出すから鎧脱がせて、そこに寝かせといて」


 2人は仲良くなったと思ったのに、結局喧嘩はするんだね・・・まぁ喧嘩するほど仲が良いって言うし、あんまり口を挟まない方が良いか。

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