第105話 塩の迷宮探索
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奥に進んでいくと、テレビで見た洞窟のように見える・・・地震でもあれば崩れるんじゃないのか?
「カナタさん、地震とかは無いんですかね? ただの土を掘ったような洞窟ですよ? いつ崩れても不思議じゃないですよね?」
ケイタ君が無線でこちらに問いかけて来る
「そう思うよね。 でもダンジョンが崩れたなんて話は聞いたことが無いみたいだし・・・あ! 異空間なのかもね!」
そうなると、ダンジョンに入るときの違和感もそれなのかもしれないな
「なるほど、異空間ですか。 その奥を右に曲がるとゴブリンがいます」
「俺に行かせてくれ! ちゃんと安全マージンも取る、なぁ良いだろ?」
ショウマ君が無線で言う
「一旦ストップ! 2人とも止まって。 ショウマ君、安全マージンの意味は解ってるの?」
「ん? 攻撃される前に倒せば良いって話だろう?」
やっぱり分かってなかったのか・・・まったく・・・でも、縮こまってても仕方ないか
「あのですね。 何でそうも短絡的に・・・」
ケイタ君がショウマ君に食って掛かろうとするのを遮り
「待って! 確かに全部を一瞬で倒せば安全と言えるでよね? あながち間違って無いんだよ。
ただし、今回は初めてのダンジョンでの戦いだよ? だから、このダンジョン攻略の目標を言うね」
「急いで攻略とかか? 時間を決めるとか」
ショウマ君が腕を組み首をかしげながら言う
「たぶんですが、また縛りのようなものではないでしょうか?」
ケイタ君は眼鏡をクイッとしながら言う
「いや、簡単なことだよ。 ゴブリンの攻撃をダンジョン攻略まで1発も食らわないこと、良いね? かわりに武器も魔法も使い放題だよ? OK?」
「おう!」 「はい!」
2人とも同時のタイミングで返事をする
「じゃあ、ショウマ君が突っ込んで、俺とケイタ君でサポートで良いね? じゃあ行こう!」
ショウマ君を先頭にして右に曲がり、広間に出る
広間には弓・剣・杖を持ったゴブリンが7匹立っていた
立ってる? 外のゴブリンは座ってたり談笑してたりしたのに・・・って事は自我が薄い? いや自我が無いのか? 迷宮に操られてるとか?
ショウマ君が広間に入ると一瞬で2匹を倒した。 その奥の杖を持ってたゴブリンを倒している
さて、俺もグルングロッコの短剣を使ってみるかね
奥のほうにいる弓を持っているゴブリンに近づき、右手の短剣で弦を切り左手の短剣を首に突き刺す
やはりワイバーンの剣のほうが切れ味が良いな・・・ゴブリンを倒したときの手ごたえがある
ワイバーンの剣・・・いや、ワイバーンの魔剣がすごすぎるんだろうな
そう思っていると、ゴブリンが全部倒されていた
「マジックバッグにしまっちゃうから、全部持って来てね」
倒されているゴブリンと装備を全部しまい、時間がもったいないので直ぐに出発する
いろんな種類のゴブリンがいる様なのだが、攻撃をされる前に倒してしまうので合ってるのかは解らない
2階層へ向かう道中のゴブリンを狩ってバッグの中に入れ、直ぐに出発
それにしても、武器や防具以外でゴブリンって本当に見分け付かないよなぁ
「カナタさん、武器とか装備以外でゴブリンの見分け付きますか?」
ケイタ君が無線で言う
「いや、無理だね。 そもそも武器がちゃんとゴブリンの種類ごとになっているのかすら解らないな。ケイタ君は解る?」
「いえ、さっぱり解りません・・・ですが、何があるか分かりませんし検証するために時間を使うより、何かあったときのために先を急いだほうが良いかと思います」
「そうだね、俺もそう思うよ。 道案内よろしくね」
「了解しました」
進む事3時間弱、ついに下に行く階段を見つけた
かなりいいペースだな・・・簡単計算だけど9時間くらいで攻略できるかな?
「さて、軽く食事でもする? また地図上で見る限りだと3時間はかかるからさ」
「了解です、地図を1度見せて下さい」
ケイタ君がいう
地図をケイタ君に渡す。
入ってみて解ったが地図の縮尺がおかしい。
まぁ1月に1回更新されると言ってたし間に合わせなのかもしれないが・・・
そんな事を考えながら、から揚げとキャベツとマヨネーズをパンに挟み、から揚げパンを作りを皆に渡し食べる。
そろそろ本当にご飯が欲しいな・・・どこかに自生したりしてないかな?
食べ終わり、階段を下っていく・・・やはり空気が変わると言うか変な感覚がある。
1階ずつ違う空間なのかもしれないな、地面を掘って次の階へ・・・とかは出来無そうだな
「ケイタ君、道は解る? 地図見る?」
「道はさっき見せてもらったときに覚えました。早速出発しましょうか」
「はぁ~すごいね。 解らなくなったらすぐ言ってね、道が変わってる可能性もあるんだし」
「了解です」
結局2階層も半分くらい進んだが、特に変化も無くゴブリンしか出てこない・・・本当に異変があるのか?
「敵です! 未知の相手です。 こちらを感知しているのでしょう真っ直ぐに向かってきます・・・結構早いです」
「迎え撃とう、広間まで後退するよ?」
「おう」 「はい」
直ぐに迎撃の態勢を整える・・・と言っても武器を抜いて構えるくらいだが
「ケイタ君、真っ直ぐこちらに向かってくるんだよね? 後どのくらい?」
「すぐ来ます!」
そう言うと、狼に乗ったゴブリンが6匹走ってくるのが見える・・・ゴブリンライダーかな?
ライダー達は狼に乗ったまま、左右の壁・天井・地面からアクロバティックな動きをしながら、襲い掛かってくる
曲芸師みたいな軽業だな・・・でも、俺達には届かない
ショウマ君が前に出て地面から来た1匹を狼とゴブリンの頭をほぼ同時にたたき割り、天井から襲ってくる1匹をかかと落としで地面にたたき付ける
ケイタ君は、ジャンプをして反転し天井に足を付けると、ロングソードを2本投げ2匹のゴブリンと狼を同時に串刺しにする・・・こっちのほうが曲芸だな
俺は狼にグルングロッコのナイフを投げ、放り出されたゴブリンの首をワイバーンのナイフで落としていく・・・確実に仕留めないとね
2人に死体を持ってきてもらいしまう・・・しかし、ゴブリンライダーって珍しいんじゃないか?
でも、ゴブリンと言えばゴブリンなんだよなぁ・・・異変なのかどうかが解らんね
「これが異変だと思いますか? カナタさん」
「どうだろうね、まだ解んないかな。 とりあえず進もう」
「了解しました」
その後、ゴブリンやゴブリンライダーなどが多く出てきたが、まったく苦にせず倒し3階に下りる階段を発見する
「カナタさん、岩塩が見つかりませんね」
「そうだね! 地図の行き止まりの岩塩採掘の所に行って見よう。確か質のいい岩塩が掘れるって場所が3階層にあったよね?」
「はい、ありますね」
「じゃあ、そこに行こうか」
「はい」
「なぁ飯はどうするんだ? 小腹がすいてきたんだが」
ショウマ君が、腕を組みながら言う
「そっか、そうだね・・・あ! 階段下って入り口1つだったよね?」
「はい、そうですけど何かありますか?」
「階段下で料理を作るよ、しかも焼き鳥!」
「匂いで敵が集まって・・・そうですね、いい考えだと思います。 階段から降りてくるのは僕が注意しておきます」
「ありがとう、じゃあ早速降りよう」
「良くわからねぇが、焼き鳥は食いてぇな」
「ショウマ君は、入り口付近に立ってて近づく敵を倒して欲しいんだ。 出来るでしょ?」
「おう! 了解だ!」
下に降り早速バーベキューコンロを出し炭に火をつけて火が回るまで少し放置する
その間に、白竹を出し竹串を作りグルングロッコの腿肉を出し、一口大に切り竹串に指して焼いていく
それにしても油が多いなぁ・・・そのおかげで網にくっ付かなくて楽なんだけどね
そうこうしていると、ショウマ君がゴブリンたちと戦い始めた・・・・うん、狙い通り