第11話 協会内での駆け引き
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6/8 改稿あり、加筆あり
「まず最初に、ここは何処ですか?」
本当に簡単な質問、いきなり真っ暗になったとは言ったし、たぶん変には思われないはずだ。
出来る限り目線をそらさずに、目を見るのが苦手だから眉間らへんを見る。
ちゃんと笑顔も忘れない・・・目線・表情・仕草で人の心理状態が読めるから気をつけないとな。
「ウルフローナ王国の首都ウルフローナにある協会・・・人々が協力して作り上げる神に認められた組織の協会にいるよ」
ラーモンさんは、笑顔で答えるが目線を追っている?
いや、全体的に様子を見ている様に感じる・・・
やはり俺のことを観察・警戒しているのかもしれない・・・やはり、簡単な質問で少し警戒心を解いたほうが良いだろう。
「王の名前をお聞きしても?」
「ティンバー・ウルフローナ6世国王陛下だよ」
「6世ということは、長く続く国と言うことですね」
「ああ、長く続くすばらしい国だ・・・王も統治者として申し分ない」
「何かあったのですか?」
「ウェーブが今回は北からだっただろう? ここは北に位置する国だから被害が大きくてね・・・あくまで噂だが、貴族の方々が街を捨てて逃げたと言う噂もあるんだよ」
まずは、北って単語が出たな・・・方位って言うのは存在するのかもしれないな。
質問、北とはなんですか? いや、おかしいか・・・地図の話に持っていけそうだが、止めておくのが無難か。
しかし、ウェーブってなんだろう? 戦争とは違うものっぽいけど、しかも今回はって事は何回かあったんだろうか・・・う~ん。
「なるほど、それで門などが欠けてたり、家が壊されてたりしたのですね、やはり貴族の方々が逃げてしまって人手が足りなかったから被害が大きくなったとかそう言うことでしょうか?」
「いいや、そうではないんだ・・・まったく影響が無かったわけではないが・・・今回のウェーブはモンスターが多くてね、本当に、かなりきつかった・・・本当に・・・」
ウェーブは、モンスターがどこからか溢れて出てくることってところか? ダンジョンの氾濫? とか? そんな感じでも無いな・・・
「嫌なこと思い出させてしまって、すみません」
「いや、過ぎたことは仕方が無いさ・・・今、生きているって事のほうが重要だよ」
警戒心も若干だが解けてきたって感じだな、言葉選びが結構大変だ・・・
相手の言ったことを逆に聞き返すようにしないと、変に思われそうだし・・・余り多くの情報を与えるのは得策では無いだろう。
「図書館や本屋はありますか?」
「本を売っている所はあるが図書館は無いよ、字が読めるのかい?」
「解りません、見てみないとなんとも・・・」
「これに書いてあるのは読める?」
そう言いながら、1枚の500円玉程度の青銅のコインを渡してきた。
コインの数字は、10と書いてある・・・文字は違うけど数字は同じなのか・・・お金なのかな?
受け取り、よく見てみると・・文字の上にルビのようなものが見える・・・レティア? かな?
「レティアと書いてありますね」
「そうレティア大青銅貨だ、見たこと無いかい?」
銅貨に視線を落とし、まずったかな・・・そりゃそうだよな、お金を見たことないって言うのはおかしいよな・・・すぐに言いわけを!
「そうですね、私のところは、物々交換が主流だったので・・・あまり見たことが無いですね」
地球でも、海外だとたまにそう言うところがあったはずだから、変ではないはずだ・・・TV知識なんだけどね。
「そうかい? 近隣の村でも物々交換も行われているし、お金を余り見たことないってことは、どこかの村の出身だったのだろうね」
「そうかもしれませんが、はっきりと思い出せないです。この国での一食の値段はどのくらいですか?」
「最近は食料の価格が上がってるから、50レティアくらいだよ、この大青銅貨5枚位」
「そうですか・・・物々交換とかは難しいんですよね?」
「はっはっは、そうだね、買取はしてくれるかもしれないけどね」
「なるほど、そうですか・・・あとは、マジンとは何ですか?」
「マジンについてはあまり解らないんだ・・・
言い伝えでは、私たちにギフトを授けてくれて体の回復力も上げてくれるとされているんだ・・・
けどね、マジンは生まれて直ぐに注入されるから本当かどうかわからないんだよ・・・
生まれてすぐ注入しないと、赤ちゃんが死んでしまうから確認のしようが無いんだよね」
ラーモンさんは、いやぁー参ったと言うような感じの動作をしながら苦笑している。
「そうなのですか・・・誰にでもギフトは貰えるんでしょうか?」
「ああ! そうか! ごめん、ギフトの確認していなかったよね・・・確認に行ってみよう、付いてきて」
ラーモンさんは、そういい部屋をさっと出て行き、俺はその後に続いた。
「ここ、この部屋が確認する部屋だよ」
1つの扉を指差して、言う。
「この水晶に手を当てると中に文字が出てくるから見てみて」
扉を開けて中に入り、水晶を指差し説明される。
それだけ言うと、部屋から出て行った・・・プライバシーとか? それとも何か仕掛けられてる?
指でチョンチョンと触って何もなさそうなので、ゆっくりと触ってみる。
水晶の中に青白い文字が浮かぶ。
【ギフト】
言語理解
学習
なるほど、言語理解があるから会話が出来たのか・・・でも、学習? ってどういうことだ?
チートスキルで色々全部覚えられるぜ、ヒャッハーかな? でも、それだと習得って出る気がするんだが・・・
勉強できるようになりますってクソスキル・・・いや、ギフトか・・・じゃないかな?
どちらか解らないが、やるしかないだろう。
そう思いながら、外に出る。
そこには3人が待っていた。
ラーモンさん・フランソワーズ様・小さい人。
「名前を聞いたぞ! カナタだな、元気そうで何よりだ」
フランソワーズ様は、真っ直ぐにこちらを見て言う。
「はい、私も名前を聞かせていただきました。フランソワーズ様、昨日は助けていただきありがとうございました」
「気にするでない、今回は運良く助けることが出来たから助けたまでだ。それで、貴様は何処から何をしに来た? 返答しだいでは、捕らえねばならんぞ」
俺は、敵なのか? と聞く直球の質問を投げかけられ、ぶっはっはっはと噴出し笑い出してしまった。
他の二人はフランソワーズを見てポカンとしていた。
「何がおかしいのだ! 質問に答えよ!」
「申し訳ありません、笑うつもりは無かったのですが、あまりにも真っ直ぐに聞かれるもので・・・先ほどのラーモン神父との腹の探りあいはなんだったのか・・・と思ってしまいました」
「して、どうなのだ?」
少し怒っているのが解ったので直ぐに返答する。
「包み隠さずに言うと私は、日本と言う島国の・・・・行商人をしていたものです。 何をしにと言われましたが、気が付いたらいきなり森に居たと言うのが正しいですので・・・そうですね、国に帰る方法を探しに来ました、と言うのが正しいかもしれません」
俺は、トラックドライバーで商品運んでいたんだから行商人でいいだろうし、真っ直ぐ聞かれると真っ直ぐ答えたくなるよね・・・そう思い打ち明ける。
「そうか! 外海から来たということか? 船で来たのか?」
おう・・・説明不足・・・と言うことにしておこう。
「そうではないのです。真っ暗になり気が付いたら森の中だったのです・・・国を探すにしても方角も距離も解りません」
「そうか・・・そうだ! それならば、勇者を目指すのがいいのではないか?」
「勇者ですか? 何故ですか?」
「何だ? 知らんのか? 勇者になり魔王を倒せば、女神様が願いを叶えるという言い伝えがある。昔の勇者もこの世界に召喚で呼ばれ、それで帰ったと言うぞ?」
目がキラキラしてる・・・勇者にあこがれてるのかな・・・
「私では力不足でしょうが、一緒にここに来てしまった者達の中にはいるかもしれませんね」
「何だと! 何故仲間がいる事を早く言わんのだ! 仲間が居たのなら助けに行くべきだろうが!」
うわぁ・・・ビックリするほど怒っていらっしゃる・・・
「すみません、出会ったときには会話が出来なかったので言えませんでした」
両手の肘を曲げ、降参のようなポーズで言った。
「そ・・・そうだったな、マジンが止まってしまっていたんだったな、うむ、今から助けに向かうぞ!」
「ありがとうございます、ご助力感謝いたします、フランソワーズ様」
「うむ、一度ギルドに行き冒険者登録をしてから出発したほうがいいだろう。身分証明書の代わりになるのでな、いちいち手続きしなくてよくなる」
「はい、登録させていただきます・・・冒険者ギルドは何処でしょうか?」
「うむ・・・ラーモン世話になった、カナタ付いてまいれ!」
こうして、隣にある冒険者ギルドに登録することとなった。
フランソワーズ様って見た目は白髪のストレートで顔も可愛くて凛々しい感じなのに、人の話を良く聞かない残念美人だったのか。
いや、たまたま聞き取れなかっただけかもだし、決めつけるのは良くないか・・・と思いながら後ろを付いていく。
ウルフローナ王国:獣人の国、国の方針で人種差別は表向き無い。北に位置し、しかも南から日がさすことで北半球に位置すると推測される。
ティンバー・ウルフローナ6世:賢王と呼ばれる王。
マジン:ナノマシンが訛った名前、主人公達はナノマシンだと知らない。
お金:単位はレティア。 金貨何枚や銀貨何枚と言われたり何レティアと呼ばれたり、単位が余り定まっていない。 四則演算が余り広まっていないためである。 1食50レティア=500円くらいだが、食糧不足でその値段。
ギフト確認水晶:丸いただの水晶に見えるが円形ディスプレイ。
ギフト:神から与えられた物? スキルと違うのか? 不明