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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
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第101話 人ごみ

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます

 街道から逸れて、草原の中で遅めのお昼を作り、食べてから出発・・・

 天ぷらうどんにしたが、やはり出汁が鶏がらだと味が違う・・・美味いんだが、やっぱり昆布とか鰹節とか欲しいなぁ

 まだ半分も移動していないので、腹6分ぐらいに押さえもう一度塩の迷宮に向けて走り出す


 食べていたときに追い抜かれたカルジャスさんをもう一度抜かしていった

 何かを叫んでた様に聞こえたが、ドップラー効果? で音が変でまったく聞き取れなかった

 とりあえず、街についてから話を聞けばいいか


「カナタさん、オークがいます、どうしますか?」

 ケイタ君が、無線を振ってきた


「倒そうか、肉は多くても困らないしね」


「了解しました、3匹なので倒してきます」


「待て! 俺も行くぞ!」

 ショウマ君は、自分を親指でさし、ケイタ君について行った


 やっぱり2人が本気で走ると置いて行かれるな・・・ギフトの効果もそうだけど、たぶん身体能力が最初から高いんだろうな

 俺走るの苦手だし・・・朝頑張って走ってるけど、この世界に来て、身体能力と体力が上がったから出来てるだけなんだよなぁ


 そんな事を考えていると2人が合流した

 なんでオークの首から上が無いんだ? 食べるところじゃないから良いんだけどさ・・・首無し死体っていきなり持ってこられると驚くんですけど

 血抜きしながら走ると言って、木の棒に足を括り付け、それを持って3人で走る

 考えて見たら3人オークを棒に括りつけて走ってる姿って通報されても仕方ないんじゃないかな?

 その後血抜きを終えマジックバッグにしまうと、少数のゴブリンの群れを発見し倒して走って行く

 なんとなくこちらが魔物って言えなくもないんじゃね? と考えていると、城壁のようなものが見えてきた


「あれが塩の迷宮がある街かな? 思ってたより小さいかもね」


「そうですね、草原の真ん中ですし、広くし過ぎると防衛が難しくなるのではないですか?」

 ケイタ君が、無線で言う


「そうだね~・・・あれ? 泊まる所ってどこなんだろう? どこに集合かも聞いてないよね?」


「泊まる所が決まったら門番の方に言付けを頼めば良いんじゃないですか?」


「それもそうだね、じゃあ、泊まる所決まったら冒険者ギルドに行こうか・・・探索者登録しなきゃだし」


「おう」 「はい」


 門番が肉眼で見えると、魔法とギフトを解除し門へと走る


「止まれ! 兜を取り、身分証を出せ!」


 王都にいる門番の人よりも練度が高い気がするな・・・いや、王都の兵はフレンドリーなんだろうな。

 フランソワーズ様と行動してるの知ってるから、安心してるってところかな?

 身分証を出すと何ごとも無く通してくれた。


「あ、すみません。 カルジャスさんが来たら、ソメイヨシノのカナタが到着している、と言っておいていただいてもいいですか?」


「あぁ、カルジャスさんの知り合いか・・・この門に入ったら言っておいてやるよ」


 快く了承してもらったので、宿探しに出発!

 3人で門の近くにある宿屋に入る・・・満室か。

 宿屋のおばちゃんなら、この街について詳しいだろう。


「すみません、空いてそうな宿屋とかってありますか? 料金は気にしないので」


「なんだい、兄ちゃんらは金持ちだったんかい! しっかし、タイミング悪いときに来たねぇ

 たぶんどこも空いてないよ! 冒険者が増えてきたし騎士様方も多く王都から来てしまってるからねぇ」



 防衛の任務と調査依頼の冒険者か・・・しかも、あぶれた冒険者はテントを張って野宿してるって・・・

 俺達の野宿か・・・はぁ、ここまで来てこれか


「仕方ない、街を散策しながら宿屋があったら空いているか聞いてみよう」


 珍しい魔道具とか、調味料があれば買っておきたいなぁ


「カナタさん、冒険者ギルドで探索者登録をするのが先じゃないですか?」

 ケイタ君が眼鏡をクイッとしながら言う


「そう言えばそうだね、じゃあ先に行こうか」


 冒険者ギルドに着き、中に入ると異常なまでにごった返していた


「こりゃあ、絡まれるんじゃねぇか? 強いやつだといいな」

 ショウマくんがニヤリとして言う


「いや、要らないからねそう言うの、喧嘩を売らないようにね」


 探索者登録は、冒険者ギルドで出来るのか・・・迷宮に潜る人が多いだろうしクエストとか受けたりも出来るし理に適ってるな

 絡まれる事も無く、登録が済んだ


 しかし、迷宮ごとに探索者登録するのか・・・この迷宮では1回の探索で大銅貨1枚かかるみたい

 探索者登録の説明は、冒険者登録とあまり変わらなかった

 探索者登録と言っても、冒険者カードに攻略した階数を自動的に登録してくれるだけの物だそうだ。

 前に聞いた力の評価石はここにはないようだ・・・この近くだとダンジョン都市にしかないとの事。

 自分達がどのくらいの強さなのか見ておきたかったな。


 探索者登録のときに色々な人が居たがチラッと見るだけで何もしてこなかったな・・・

 ここまで人が多いと絡まれる気がするんだけどな・・・絡まれたいわけじゃないけど、拍子抜けだなぁ。


 3人で外に出て商店めぐりをしようとして考えていると、人ごみを発見する

 何だ? 何か事件でもあったのかな?


「何だ? この人ごみは・・・ちょっと何を見てるのか確認してくるぜ」

 ショウマ君はそう言うと人ごみの中に入っていった


「ケイタ君、追うよ。 逸れちゃったら土地勘が無いこの街だとまずいし」


「仕方が無いですね、行きましょうか」

 ケイタ君が疲れた様に言う


 人ごみを進んでいくと、何かの作業をしている現場だった

 兵士が回りをぐるっと取り囲んでいるが、事件とかそう言うのではないのか・・・何の作業をしてるんだろう?

 ショウマ君は最前列に陣取り、こちらを見つけ手を振っている・・・あそこまで行くの? 嫌だなぁ

 頑張ってショウマ君の後ろにつくと、作業が良く見える

 あぁ、なるほどポンプの設置をしてるのか・・・しかもお偉いさんが視察してるのかな?


「カナタさん来たな! ポンプの設置をしているぞ! ほら見てみろ!」

 ショウマ君が作業を指差し大声で叫ぶ


 そんなに大声で叫ばなくても聞こえてるよ・・・注目されちゃってるじゃんですけども


「おい! お前は何故その名前を知っている!」

 兵士は、ショウマ君に槍を向けて大声で叫ぶ


 民衆の皆さんは一気に俺達から距離をとる

 騒ぎを聞きつけた他の兵士達も集まり、俺達3人を取り囲み始める

 厄介だな・・・どうするか・・・陛下から貰った王城には入れる木札があるから、最悪はそれを出せばいいが、そうなると塩の迷宮への道が閉ざされる可能性もある

 とりあえず従うのが得策か?


「あ゛? てめぇやんのか? おい!」

 ショウマ君が最初に槍をつきつけた人に言う


「ショウマ君! 俺が話す! 良いね?」


「ちっ・・・しゃあねぇな」


「ショウマ君ありがとう。

 兵士の皆さん、私たちは王都から来ました。 王都ではポンプはかなり普及していてほとんどの方が知っています。 なので知っていても不思議ではないと思います」


「何? お前らは冒険者であろう? 大進行中にこの街に移動したのか? ワイバーンも出たと聞いているぞ? ますます怪しいではないか」


 あれ? この兵士なんか頭良くね? 計算とか苦手じゃないの? 移動日数とか計算したって事なのか?

 そんな事を考えていると、奥のほうから偉い人っぽいのが近づいてくる

 またまた厄介な・・・逃げるか? 約束を破る事になるな・・・でも・・・

 あれ? 牛の獣人? ポンプの設置? まさか・・・オルトウス様か?

 あれから見てなかったけど、迷宮に来ていたのか? いや、他人の空似って事もあるか


「騒がしいぞ! 何事だ!」

 牛の獣人のおじいさんが言う


「はっ! 怪しいやつらがいたので捕らえました!」

 兵士の1人が答える


「ほう、何処のどいつ・・・カ・・・カナタ殿!」

 牛の獣人のおじいさんが驚きの声を出す


 え? 殿って何? 俺なんかしたっけ? 偉いっぽい人に敬われる俺・・・なんか変

 兵士達は驚いた表情をしたが、直ぐに周りの警護に戻る・・・言われる前に行動したのか・・・すごいな


「えっと、お久しぶりです、オルトウス様」


「お久しぶりでございます、ポンプの設置の視察ですかな? さぁさぁ、こちらへおいで下さい

 紹介したい方も居ますので」


「え? ええ、分かりました」


 何だろう・・・いきなり貴賓対応されるなんて、変な事にならなければいいんだけど

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