第97話 洞窟での一夜
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今回の野営の見張りの順番は、ケイタ君→ショウマ君→俺となった
体力が1番ある順にショウマ君→ケイタ君→俺だからそう決まった訳だ
真ん中は寝る時間がかなり少なくなるから、ショウマ君、ガンバレ!
気が付いたら一瞬で寝てしまっていた・・・気が付くとショウマ君に起こされていた
「おはよう、起こしてくれてありがとう」
「ああ、おはよう、どんぐり落ちてるのは全部集めておいたぜ、ケイタのやつが、外に魚を干しているからよろしくだとさ、あとは頼んだぜ、お休み」
「うん、了解、お休み、朝ごはん出来たら呼ぶからね」
久々の洞窟の見張り・・・異世界に来て初日の夜を思い出すな~
白竹の実の選別をし、マジックバッグに入れていき、血抜きされて凍らされた魚の内臓を取り、それもマジックバッグに入れていく
洞窟の入り口にある白竹を見てみる・・・なるほど、乾いてる
なんかに使えるんじゃないのかな? 結構立派な竹なんだよなぁ・・・驚くことに根っこが木の根なんだけど
しかもバスが当たり折れた白竹が再生してるんだよなぁ・・・やっぱりこの場所が変なんだろうな
この場所でなら、もしかしたら俺が目指す魔法が出来るんじゃないかな?
俺が目指しているもの・・・それは剣を自由自在に動かす魔法! と言っても銃は作らないようにしている
(カナタが目指しているものは、自分は動かずに、有線で剣を浮かせあらゆる角度から、攻撃をするという物)
どんなに強くなっても針で怪我をする・・・すなわち、どんなにLvが上がっても簡単に死ぬって事だろう
そんな中で銃などと言う諸刃の剣は作らないほうが良いだろう
使用者のみしか使えず、分解なども絶対に出来ないような物が出来たら作っても良いかもしれない
さて、考えが逸れちゃったな・・・まず、木の魔法とは何なのか・・・
木を魔力で動かせる・・・生きている木は、余り動かせない、しかし、折れた枝や倒れた巨木は動かすことが出来る
木とは何か・・・炭素が半分ほど入っている物・・・木が動かせるのなら、炭素体であるカーボンナノチューブも動かせるのではないか・・・誰でもそこにたどり着くだろう
さて、御託はこのくらいにしてやれるだけやってみよう
いつもの失敗例だと5~6m位までしか伸ばせないし、1つしか動かせない・・・
何らかの作用があるのか、俺の魔力が弱いのか、なにが足らないのか全く分からない・・・Lvが上がってもなにも変わらなかった
自分の事を変える努力をしているが、自身を変える事が今の所出来ないのなら、周りの環境を変える・・・しかも、こんなに特殊な場所で実験が出来るのは良い機会を得たって事だな
カーボンナノチューブをマジックバッグから取り出し、巻いて置いておき、魔力を込めて先端を動かす・・・レッドス〇ークかもん・・・なんか大道芸をやってる気分だなぁ
やはり手元だと思ってるより簡単に動かすことが出来る・・・しかし、離れるごとに動かすのは難しくなっていく
しかし、ただ伸ばすだけなら、2mほど長くも伸ばせるのか・・・やはり場所によって・・・いや、魔素の濃さによって効果が異なるってことか
これは何故だ? 木の魔法・・・いや、魔法とは何なんだ? 元素を作り出し扱うモノ? いや、それなら多種多様な物が作りだせるはずだ・・・
しかも、環境によって何かが変わるとなると元素を使うということは、殆どないと思われる・・・元素よりも小さいものを操る? 元素の元となるもの?・・・まぁ、解らないな
しかし、体内の魔力を使って魔法を使うはずだ・・・何故外の魔素の影響を受ける? 体内に入る魔素の量が変わるからか?
いったん整理するために自問自答をしよう
あらゆる事を踏まえて魔法とは?
環境で変化する超常現象を起こす力・・・なんだそりゃ! 答えになっていないだろう!
現状分からない・・・情報が足りな過ぎる
それならば、ギフトとはなんだ?
体の動き、思考まで深く入り込む要素、細胞の1つ1つにまで行き渡っているマジンを使うお助け機能
あれ? そもそもマジンって細胞内にあるものなのか? ミトコンドリアのように? つまりは遺伝する? 解らん・・・
そういえば、筋肉や皮膚ですらマジンによって、機能そのものが強化されたと言うか・・・その存在自体が変わっているような? そんな感じだな
マジンが全身に行き渡っている、それが1番分かりやすいギフトもある
ケイタ君のギフト【身体回復+】だ・・・怪我をほぼ瞬時に治す+たんぱく質各種栄養素などをある程度蓄える機能もあると思われる
ケイタ君が朝練時に怪我をした時にギフトを使ったら、一瞬で怪我が治り、お腹が少し減ったと言ってたっけ
マジン注射後ケイタ君は人の3倍ほど食べている・・・それで体型も変わらないし、太らないんだから羨ましい・・・じゃなくて、栄養分の回復って事でストックがあるって事なのだろう
まぁリスクはないとは言えない、食費がかさむ程度だがお金持ちじゃなきゃきついよな・・・しかし、よほどの大怪我じゃない限り死なないのは、正直ありがたい
おっとまた考えが逸れた・・・その事を考えると、細胞にまで行き渡ってると言う事で間違いないだろう
細胞の細部まで行き渡ってるのなら・・・【脳】はどうなんだ? もしかして、ギフトで強化できるんじゃないのか? 思考加速や並列思考なども出来るんじゃないのか?
目標としている魔法は今の所置いておいて、出来そうな物から順にやっていこう
まずは、思考加速から・・・
まったく手ごたえもなく、朝ごはんの準備に取り掛かる
朝ごはんは軽くするか悩んだが、昼ごはんをサンドイッチにする事を考え、ハンバーガーにすることにした
今までのハンバーグは、豚肉100%だったが、ブラックビーフを狩ってから合い挽き肉になった
味は前のも今のもおいしいから特に言う事は無い
鉄板を出して、強火で焼いていく・・・四角いわけではないが横まできっちり強火で焼き、最後は赤ワインを出して蒸し焼きにする
今思ったんだけど、これだけでもお店出来んじゃないの? 食材を焼いて、岩塩が高いから味の薄い食べ物が売っているんだし
しかも、野菜とか余り綺麗に洗ってないし、肉にいたっては色が変わってるのが当たり前・・・
買い食いなんてしようと思わないよなぁ
匂いにつられて、ケイタ君が起きてきた
「おはようございます、今朝はハンバーグですか?」
「おはよう、ハンバーガーだよ、デミグラスソースをかけて野菜を挟んで出来上がりだから、先に食べちゃう?」
「はい、お願いします」
1番最初に出来上がったハンバーガーをケイタ君に渡す
「ソースをたっぷりかけたから、零してもいいようにそこら辺で食べてね」
「はい、解りました」
その後、起きて来たショウマ君のハンバーガーも作り
昼ごはん用にロールパンに挟んだようなサンドイッチを作り籠の中に入れていく
自分用のハンバーガーを食べながら、ふと考える
こちらの世界で料理を自分で作り始めて思うことがある
タダシさんの料理の味とどうしてこうも味が違うのか・・・同じ材料同じ作り方なのに、こうも味が違う
やはりギフトのせいなのかな? 完成した物の味などをあげるのかもしれない
となると、タダシさんの料理は最初から100点で・・・120点とかになるのかな?
追いつく事なんて出来ないんだろうなぁ・・・せめて近づくくらいにはなりたいなぁ
1人で何でも出来るようになる・・・いや、なりたかった・・・今でもなりたいのかな?
いや、なれたらいいなぁ~とは思うけど、今は他の人がいるから助けてもらえるって解ってるしね
でも、ある程度の事は出来るようになりたいな・・・一応リーダーって肩書きだし、色んなところでサポートできればいいなぁ
さてと、バスをしまい、白竹を1本引っこ抜いて、腐葉土や団栗をもう1度拾いなおし・・・って敵襲?