第94話 鞘
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家を作る話し合いも終わっていたので、皆をダイニングに集めて、鎧作成のときの自分の血液の事を話す
皆一様に驚いていたが、最終的には「カナタさんは、変ですよね」と言う一言で終わった・・・何故だ?
その後足の大きさを測り、靴を作る準備も終わり、Lvをあげていないことを指摘されLvを上げに行く
【Lv26.Lv25】これで全員Lv25をこえたな・・・なぜかミズキさんががっくりしている
後で聞いたら魔法を作れなかったらしい・・・残念だ
屋敷へと戻り、作成部屋に早速向かい作成開始
靴を作成したときに、ちゃんと紐も付けるつもりだが大きめに作り【大きさ自動調整】で、きっちり足にあわせた方がいいだろう
武器や洋服にも使えるかどうか解らないが、自分の血とワイバーンの血を混ぜた自分専用? の物の製作を進めよう
皆の血液をポーションを入れる容器に入れて、名前を彫っておく
さ~て、今まで切り出した防具を組み浸けておきますか~・・・
最高速で組みあげを終わらせると、桶に入れた血塊脈に浸けていく
吸収されるその間に鞘も作ろうと考え、ケイタ君とタクミ君に言うと、剣それぞれの図面を書いてもらえた
試作品作成用として、現物としてはナイフを1つ借りてきた
これできっちりと武器の鞘が作れるはず・・・だけど、自分の血を混ぜたら武器がどんな変化をするのか検討も付かないな
武器だから形が変わる事はないような気がするから大丈夫だと思うけど・・・まぁ練習だし深く考えても仕方がない
とりあえず、どのような鞘にするか考えておきますか・・・
と、思ったものの、どういうのがいい鞘なんだろう? ただ軽く持ち運びしやすい事に重点をおく? それだと剣の刃が外から丸みえの先っぽと剣半ばだけの固定具でもいい事になってしまう
折角なんだから付加魔法を使った物にしたいよな・・・そうすると、やはり武器を覆う必要があるかな?
付加魔法は今はまだないけど、【切れ味復活】とか【清掃浄化】とか【自動砥ぎ】とか色々付けても面白そうだよなぁ
作っていない物を考えても仕方ないし、今は保留にしよう
素材はワイバーンの革だけど加工方法をどうするかだな・・・自分の血液を入れてしまったら柔らかくなってしまう・・・それで、鞘として機能するのか? 不十分なんじゃないか?
う~ん・・・そうか! 普通の血塊脈に浸けたものと自分の血を混ぜて作った物をあわせて使えばいい物が出来るんじゃないかな?
早速試作をしてみよう・・・最初は予定通り借りてきた、作成が簡単だと思われるナイフの鞘から作ってみよう
初めて作る物は失敗するのが当たり前だし
最初に作ったのはきっちり作りすぎて、入らなくて失敗・・・包丁入れにでも使おうかな
2回目は、少し大きくなりすぎて少し振るとカタカタと鳴っている・・・う~ん
タダシさんの包丁にこのくらいの大きさの物があったはず、後で入るかどうか確認してみよう
3回目は、いい感じだな・・・しかし、下に向けても落ちたりしないようにしたいな
コンチョを付けて持ち手の部分も覆うようにするか・・・そうすれば、清掃とかの付加魔法が武器全部に影響するはず・・・作ったことない物なんだし、出来たらラッキー程度でいいかな? 良いよね?
ケイタ君とタクミ君に武器を返しに行き、鞘を見せると感嘆の声が上がる
「なるほど、この様にしたんですね・・・付加魔法は、密閉空間には影響すると言う話ですし理に適ってると思いますよ」
ケイタ君が、鞘を見て言う
密閉空間に影響を及ぼすってマジックバッグと同じじゃん! 蓋を付けるか閉まるようにしないとマジックバッグに成らなかったんだよなぁ・・・
ミズキさんが俺に伝え忘れてたのかな・・・かなり重要なことだと思うんだけど・・・まぁいいや
「カナタさん、こっちも見てくださいよ~! これ!! 普通の血塊脈で作った物なんですが、刀身が薄い赤い色になったんですよ! かっこよくないですか?」
タクミ君が言い、ナイフを渡してくる
「そして、これがカナタさんのナイフです・・・傍目から見ると、黒いんですよねぇ~ どう思います?」
タクミ君が、浸けてあるナイフを指差して言う
確かに黒いナイフが浸かっている・・・なんかこっちのほうが、良い様な気がするけど趣味は人それぞれだよな
でも、全員の武器も黒くなってるから、人の血液を入れると黒くなるって事なのかな? 見分けが付かないから、前に言ってた色分けをしたほうがいいのかもしれないなぁ
どこぞのレンジャーみたいになっちゃいそうだけど・・・
「防具と一緒で黒くなるって事なんじゃない? フランソワーズ様の防具でも黒くなったら、そう言うものなんだと納得するしかないよね・・・じゃあ、鞘も設計図どおりつくってっちゃうね」
革細工の専用の部屋へ戻ると、ブーツを作ろうと思ったが、そこの素材をどうするか悩む・・・
売ってるブーツはそのまま革を使っている・・・う~んスパイクシューズのようにするか? ゴムがないってのが1番面倒なんだよなぁ
仕方ない、ワイバーンの革を鱗を立てて血塊脈に浸けてスパイクのようにするか・・・しかし、木の床を歩くと傷が付くよなぁ
この屋敷は、土禁にするとしても、他の家はどうするか・・・あ! 靴の上から履く長靴の様に靴底のカバーを作れば良いか
そうと決まれば、急いで作っていくか!
形はロングブーツ? 見た目はショートの方が好きなんだよなぁ・・・どうしよう
あぁ、先にどんな形のブーツが良いのかとか聞いておけば良かった・・・とりあえず、男の方だけ作っていくか
いや待て、脛当てが付くんだろ? あぁぁ、もう! 聞きに行くのが早いか!
結局、ロングブーツとショートブーツとワンピースにあわせたヒールの付いた靴? 靴底? だった・・・増えてるんですが・・・
ロングブーツとショートブーツは男女共に同じ形でいいらしく、紐だけ色違いにして見分けをつけるようにするとの事なので簡単に作れそうだ
そして、ブーツの底の部分は取り外しが出来るスパイクを、鍛冶で作ってくれる事になったので、靴底は平らな物を作る事になった・・・折角考えたのに・・・
紐も結局飾りで付けるだけなので後回しでいい・・・そこまで時間をかけずに、ワイバーンの革のロングブーツを左右1足ずつ作る
試しに履いてみるが、中はプニプニしていて思っている以上に気持ちがいい
思いのほか足の裏が薄い感じがするけどいい感じかな? 中敷きも作っておくのがいいかな?
その前に1度ばらして俺専血塊脈に浸けないとだし、普通の血塊脈に浸けた硬い革を安全靴のように入れないとだな
革を血塊脈に漬けるのが1番時間がかかるなぁ・・・
革を形に切るのは、俺専血塊脈に浸けちゃうと切るのにかなりの手間がかかるから、ワイバーンの革をそのまま加工して、1度バラして浸けていく・・・
身体強化を使い全員分のロングブーツを作り終え、1度バラして血塊脈に浸けていく
木工で女性達分のヒールを作りコルクで綺麗にコーティングして後は渡すだけとなる
次に鞘を作ろうとしたところで晩御飯に呼ばれる・・・
夢中になりすぎて昼食を抜いてしまったのか・・・どおりでおなかが減ったと思った
夕食の時に、ヒールの底をアヤコさんに渡し、後で女性皆でアイディアを出しながら糸でヒールの上を作るそうだ・・・サンダルのようになる予定との事だった
今日の夕食は、ラネアクリームコロッケだった・・・まぁ見えなきゃ美味しくいただけますよね
食事を終えて、靴や鎧を乾かしながら剣の鞘を作っていく・・・バス回収に向かう3人の武器の鞘を優先して作っているとミズキさんが手伝いに来てくれた
乾いたものを組み立てているときに、付加魔法をミズキさんがかけに来てくれた
付加魔法については、ミズキさんに任せていいだろう
よし、明日の出発前までに、出来る限りの物を急いで作っちゃおう!