表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
116/406

第92話 集合住宅

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます

 明後日の出発が決まったので準備をする・・・

 ワイバーンの削りだした武器は完成していないが一応持って行く事になり、ケイタ君とタクミ君が完成させると意気込んで鍛冶部屋へ入っていった

 その後は、炭やバーベキューコンロや下着洋服などを1人ずつバッグに一纏めにしてマジックバッグにいれていく・・・ケイタ君は明日の朝渡してくれるようだ

 俺は、革細工でワイバーンの皮のなめし作業を、ミズキさんに手伝ってもらいながら急ピッチで進める・・・


 なめし作業の合間に、ブラックビーフの革で太ももに付けられるポーチを作る・・・中には小物やポーションのホルダを作っておく・・・はぐれた時に、1日くらいの食料と調味料などを入れておくために作ったが・・・これをアイテムバッグにした方がいいかな? と思い中身の仕切りがない物も含め数個作った

 そんな事をしていると夜もどっぷり更けてしまった・・・寝よう


 次の日の朝、朝練をして来客があるまでの間にタダシさんとヨシさんと一緒に多くの料理を作って行く・・・冷凍できる物は冷凍をしてから箱に入れて、その箱も冷凍してしまう

 これなら、少し時間が経っても腐らないだろう

 出来上がった物はリョウタロウさんに預けておいた


 ケイタ君とタクミ君に呼ばれ、鍛冶部屋へ・・・其処にはワイバーンの骨の短剣が4本とロングソードが2本と槍が1本とセスタスが1セット、あと、馬鹿でかい片刃の剣があった


 これがタクミ君が作りたいって言ってたやつかな? 本当にでかいなぁ・・・

 やっぱり憧れはあるけど、扱いにくそうだよなぁ・・・


「本当はもっと細くして刀のようにしようと思ったのですが、この方が無骨でかっこよかったのでそのまま剣にしました

 刃渡りは2.5m位で持ち手が50cm位です、ただ、剣の幅が20cm程もあるので扱い辛いかもしれません・・・鍔もありませんし鞘もありませんが、カナタさんならマジックバッグもありますし、扱えるのではないかと思って・・・どうでしょうか?」

 タクミ君が、誇らしげに言う


「え? 俺のだったの? これはなんと言うか・・・使ってみて感想を言えばいいの?」


「はい、本当に使いにくければ、形を変えますので言って下さいね・・・まだお客さんが来ていないようなので、外で素振りをしてみてください」


 俺用の剣なのか・・・薙刀を頼んだはずなんだけど・・・なんでこうなった?

 俺は、パワー系と言えばパワー系なんだけどさ・・・こんな馬鹿でかい剣と言うか刀と言うかになるとは・・・

 前に切っ先諸刃作りの話をしたからこうなったのかな? 使いやすいかどうかは使ってみないと解らないか・・・


 とりあえず、鞘がないためマジックバッグに入れて・・・大きな武器は、やっぱり男心をくすぐるが、実際に武器として使えるんだろうか・・・


 外に出て、武器を振るが遠心力で思いのほか体勢が崩れる・・・手元のほうが重ければ、いい感じなような気がするんだけど


「カナタさん、どうですか? こちらから見ている限りだと、少し身体が流れてるように見えますが」

 タクミ君が聞いてくる


「うん、ちょっと流れちゃうかな? 重心が手前にあれば扱いやすそうなんだけど、そんな事出来る?」


「流石ですカナタさん!! 重心・・・つまり剣の重さを移動できるようにすればいいわけですね、重量移動の魔法が出来ないか聞いてきます」

 ケイタ君が眼鏡をクイッとしながら言い、屋敷の中へと走って行ってしまった


「あ! お客さんが来たようなので、僕も鍛冶の部屋へ行って来ます、武器の調整は明日までには終わらせますから!」

 タクミ君は、武器を回収すると屋敷に入っていった


 やっぱでかい武器って生活する上では邪魔以外の何者でもないなぁ・・・

 来客は、ミミリさんと知らない女性だった・・・その女性は、機敏な動きでキョロキョロ周りを見ている・・・この動きは! プレーリードックだ! 色んな獣人がいるのは分かるがプレーリードックの獣人って


「おはようございます」

 俺は、挨拶をして頭を下げる


「おはようございます、カナタさん、少し遅れてしまってすみません」

 ミミリさんは、頭を下げながら言う


「おはようございます、そして、すみません道に迷ってしまって・・・」

 プレーリードックの獣人の女性は言いながら頭を下げる


「いえいえ、お呼びしたのはこちらですし、一向に構いませんよ・・・あ! すみません、私はカナタと申します、よろしくお願いします」


「あ! 私のほうこそすみません、私はプーミィと言います、主にコンクリートや石材を扱っています、よろしくお願いします」


「こう見えても、プーミィちゃんは石材師の心を持ってるんですよ! すごいでしょう!」

 ミミリさんはそう言うと、胸を張ってドヤ顔をする


 石材師の心? もしかして、どんな物にもギフトがあるのか? ってことは、まったく知らない物もある可能性もあるって事か・・・やはり、ギフトは侮れないな


「はい、すごいですね~習いたいくらいですよ・・・あ! 時間ももったいないので本題に入りますけどいいですか?」


「「はい」」

 2人は声をそろえて返事をしてくれた


「集合住宅を作りたいんです・・・」


 2人に集合住宅の事を話し、土台にはコンクリートを使い、家の本体には木を使うこと、屋根は茅葺かやぶきではなく、石瓦を使い下にはかなり薄くした魔鉄を挟み防水材として使用する計画をしている事を言う

 防水材の魔鉄は、くず鉄がかなりあったので、それを魔鉄にして本当に薄い鉄板にすれば余り重くならないと踏んで話した


「石で出来た家が多いようなので、木造の家は珍しいかもしれませんが・・・」


 ここまで話すと2人はキョトンとした顔をしている・・・なんだ? 何かおかしい事でもあったのか?


「あの、カナタさん・・・一般的な住宅は木造ですよ? 石壁に見えるのは石を貼り付けた飾りですよ? あ! レンガの家もおんなじ方法で作られてます・・・」

 ミミリさんが、申し訳なさそうに言う


「え? そうなんですか? 俺はてっきり石造りの家なんだとばかり思っていました」


「あと、1階の床は全部板なんですか? 全部に板を張ると腐ってきちゃいませんか? いくら強い木の板を作っても腐っちゃったら終わりなんじゃ・・・」


「それは、床下に木材を張りその上に床材を置くんです、あと木を直接地面には付けません、その為のセメントです、もちろん湿気対策に通気口は開けますよ・・・簡単な説明が載っている紙を用意したので渡しますね」

 俺はそう言うと羊皮紙を渡す


 紙には、ヨシさんとアヤコさんの2人の意見が合わさった昔の日本家屋のような家が書いてある

 長屋のように隣との壁は共通になっており、土間、8畳、4畳半、納戸の4つに区切られ、押入れや床下収納まで書いてある・・・床下収納は出来るか分からないが

 部屋はすべて同じ作りで、少しはなれたところに共同だがトイレを作る予定でちゃんと下水管の事も書いてある

 家の勝手口には、塔を立てて水のタンクを設置する予定で、水は捻れば飲める水が出てくるようにしたい

 今住んでもらっている家よりも立派で、結構いい家なのではないだろうか


「ふむふむ、なるほど! これなら一気に多くの人が住める家になりますね

 この水道? と書いてある物は、タンクの水を出す場所なんですか・・・簡単に水が使えるし画期的ですね! ただ・・・水汲みが大変そうですが・・・」

 ミミリさんは、簡易的な図面を見ながら言う


「ちょっとミーちゃん! 画期的とかそんなレベルじゃないよ! 大発明だよ!

 水を捻るだけで使えて、しかも、こぼれてしまった水は外に流れるようになってるじゃない!

 何でそんなに冷静でいられるの!? 新技術よ! し・ん・ぎ・じゅ・つ!」

 プーミィさんは、ミミリさんの肩をつかみ揺すりながら言う


「落ち着いてプミちゃん! カナタさん達に付き合うのなら、常識なんて物は捨てなきゃだめなの!

 いちいち驚いてたら身が持たないよ! あ・・・ごめんなさいカナタさん、そういう意味じゃなくって・・・

 ごほん、このパイプですけど、凍りませんか? 大丈夫なんですか?」


「それは、かまどの熱で溶かすようになりますよ、かまどの煙突の部分の隣が水のパイプなんです、冷たい水を使いたい場合は井戸水を使ってもらうしかないんですが・・・」


 そう言う意味ってどういう意味なんだろうなぁ・・・そんな事を考えていた


 ともあれ、2人でその後もキャイキャイやっていたが落ち着きを取り戻し、8家族分の家の試作をする事となった

 色んな新技術? が功を奏し、プーミィさんが王城でやっていた地下倉庫建設を抜けて、こちらをやってみたいと言っていただいたので、フランソワーズ様伝いで、陛下にプーミィさんが来てくれる様にお願いしなきゃならないんだけど・・・


 というか、最近の俺の扱い酷い気がするんだけど・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ