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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
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第90話 革のアクセサリー

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます

 学校について色々考えたが、一気にやるのは到底無理な話なので、1つずつ確実にやっていこうと思いながら、武器の削り出しを終わらせた


 次の日の朝、やはり大勢の人が屋敷の前に集まる・・・どうにかしないとな・・・

 前日と違い、農奴の親も全員来ていた

 セードルフとミランダに農奴の人達への指示と料理を任せ、全員で朝練をする


 実力に合わせて、形や組み手を行い、最後にフランソワーズ様から、片手剣の指導が入った・・・最初から上手く出来るわけないが、皆まじめに行っていく

 1番驚いたのはショウマ君も片手剣を学んでいたことだ、ショウマ君は「使い方が分かれば対処が出来るだろ?」と言っていた

 やはり、格闘に拘りがあるのかもしれないな


 その後、農奴の人達や冒険者のナリッシュ君たちの朝ごはんだが、給食のようにパン、オークのソテー、ミネストローネが入っているお皿を、お盆に載せて自分の席にもって行くスタイルとなった


 俺たちの料理と、農奴の人達の料理は今日から違うものになったのだが、同じものばかり食べてしまうと、それが当たり前になり独り立ちした後で本当に苦労するようになると聞いたからだが、日本人の感覚だと差別みたいに感じてしまうなぁ・・・


 俺たちは屋敷の中での同じような食事をして、食事を食べ終わり、ゆっくりしているとフランソワーズ様に声をかけられる


「カナタよ、コンクリートの職人は、明日の朝には来ると思うが、よいか?」


「はい、もちろん大丈夫です・・・話は変わってしまいますが、大進行ってまだ収束しないのですか?」


「大進行は、もうすぐ収束するだろうな、魔物の数も激減していると聞く、ワイバーンが襲来したときがピークだったようだ」


「なるほど、城へ招かれるのはもうすぐと言うことですか」


「そうだな・・・洋服はどうなったのだ? それなりのものを用意すると言っていたが・・・」


「かなり驚くものが出来ましたよ・・・まぁ、やりすぎてしまっているようにも見えますが、技術レベルが高いことは一目見て解ると思いますよ」


「そんなにか? 少し見てみたいのだが、出来るか?」


「大丈夫だと思いますよ・・・そう言えば、7着あった気がするのでフランソワーズ様の分もあるのではないですか?」


「何!? アヤコに直接聞いてくる!」

 フランソワーズ様はそう言うと、部屋を飛び出して行ってしまった


 木製のマネキンを作ったときに、他の人のサイズは大体把握しているしフランソワーズ様の物で間違いは無いだろう・・・しかし、あんなに急がなくてもいいと思うんだが

 そんな事を考えていると、コノミさんが、近づいてきた


「カナタさん、昨日言っていた革細工のアクセサリーのアイディアです、ブレスレット、アンクレット、髪飾りですね、ネックレスは革ひもですので書きませんでした」

 コノミさんは、羊皮紙を出しながら説明してくれた


 羊皮紙を見ると、革のサイズや切ってからどう組むのかまで詳しく書いてあり、誰でも作れるようになっている


「ありがとうコノミさん、すごい助かったよ、革で花を作ったりするのはいいかもね」


「あまり凝った物にしてしまうと、後で大変だと思ったのでシンプルな物を中心にしました」


「グッジョブだね、これなら俺が居なくても作れるだろうし、なにより人気が出そうだね」


 その後、リョウタロウさんにワイバーンの目を2つと魔石1つを出してもらって、アカネさん、コノミさんに渡した

 ミズキさんは、魔法を完成させようとユカさんと特訓中らしい


 鍛冶の二人が篭っている作業場へ行くとノックをして入る


「コンチョって出来てる?」


「もちろん出来てますよ、上下の止め具も作っておきましたよ、約100セットほどですが」

 タクミ君が、そう言ってにっと笑う


「おお~、すごいね、デザインも色々あるんだ~」


 コンチョのデザインを見ると、鳥、蜥蜴、蛙、狼、兎、栗鼠などの様々な動物、バラやユリ等の花、星やクロスなどのデザイン、髑髏、武器の数々、などがあった


「桜のデザインだけは、作りませんでした、僕たちも使うと思ったので」

 タクミ君は、コンチョを見ている俺に言う


「そっか~、いいね! いいね! 全部持ってっていい?」


「はい、もちろんです」


 コンチョをすべて、アイテムバッグに収納し皆で部屋から出て、Lvを上げに行く(Lv25.Lv24)

 その後皆は思い思いの場所に移動する

 俺はミミリさんのところへ行き、工房の奥でせわしなく動いてるミミリさんを見つける


「ミミリさん、調子はどうですか?」


「うひゃぁぅ! ビ、ビックリした~・・・カナタさん、おはようございます」

 ミミリさんは、ぴょんと跳ねて驚きの声を上げた


「驚かせてすみません、技術を教えてから昨日の今日ですが、どうですか?」


「強度は、かなり上がっているのは分かるんですが、耐久性はどれだけあるか分かりませんね」


「では、実験に家を数軒作ってみるのはどうですか? 耐久性や快適性も分かり、なおかつ木工の進歩にも貢献出来ますし、あぁもちろん御代は払いますよ」


「そ、そんな、悪いですよ」


「石やコンクリートの家だけではなく木材の家も選択できれば、住む人にとって有意義ですよ、その代わり木材を融通してもらうのと、トレントの木材が手に入ったときに、加工方法を教えていただきたい・・・いい取引だと思いませんか?」


「本当にいいのですか? こんな技術なんて普通は秘匿し、自分の利益に繋がることしかやらないことも出来るのに・・・」


「いいんですよ、明日の朝コンクリート職人の人が来るようなので、その時に来てくださいね」


「はい、分かりました、期待に沿える様に頑張ります」


 やる気になっているミミリさんを残し、ヒリスさんの元へ・・・

 やっぱり起きていなかったため、弟子の人に言付けを頼み、甲羅まるまんまの鼈甲を2個作り出して、削っていない小さな甲羅を多数回収する・・・

 弟子の人に鼈甲を2個渡し、もう1度言付けをお願いするとポカンとした表情のまま固まってしまった・・・ちゃんと伝えてくれるといいが・・・


 次に革細工へと向かい、外にいたニムロフに挨拶をして早速、アクセサリーの原案を見せて説明する


「なんっすか! めっちゃかっこいいじゃないっすか! もしかしたら鎧のアクセサリーとかにも使えるっすね

 財布? 皮袋じゃなくてこんなのなら外に出して見せびらかしたいっす! なるほど! バックと財布を皮の紐で固定したんっすね! 落とさなくていいっすね!

 しかも、財布の飾りのこの・・・コンチョ? ってやつを量産してもらえば簡単っすね!」


「この鼈甲を削りだした羽のアクセサリーとかもいいでしょ? 髪飾りとかもあるし」


「これがヒリスの言っていた鼈甲ですか? へぇ~綺麗なもんっすね・・・このアクセサリーの数々ってていくらで売ったらいいっすか? 余りに今までと違うので値段分からないんっすけど・・・」


「最初はかなり高くていいんじゃないかな? 後で値段を上げる事は難しくても下げるのは簡単だしね

 あとは、ブレスレットのように革の端切れを使うものは大体の値段は付けられると思うけど、それも少し高めに付けとくといいと思うよ」


「じゃあ、勝手に値段を付けちまってもいいってことですかい? いえ、いいってことっすか?」

 ニムロフは、急に言いなおした・・・気にしないでおこう


「うん、いいよ、ただし鍛冶師の人とかに、コンチョとか作るといくらになるかちゃんと調べてから作る事、いいね?」


「ういっす、了解っす・・・あ! 折角なんで、ブラックビーフの革鎧を、1つ作ってみてくれっす、卒業試験にするっす」


 おお、いきなり卒業試験か・・・ってか試験なんて他の人やって無い気がするんだけど・・・

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