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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
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第86話 それぞれの相談

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます

 食事後にフランソワーズ様へ、少し質問してみる


「フランソワーズ様、土地を買おうと思ってるんですが、どこで買えばいいんですか?」


「あぇ? いや、そのな・・・なんだ」

 フランソワーズ様は、ワタワタと慌てる


「お待ちください、カナタ殿、今、街は区画整理中でございますので、少々時間がかかるかと思います」

 グロスさんが、代わりに答える


「うむ、そうだ・・・そうなのだ、もう少々待ってくれ」

 うん? 何故グロスさんが言葉を遮ったんだ? いつもはそんなことは無いはずなのに・・・


「そうですか、了解しました」


「すまんな」


「いえ、大丈夫です・・・もう1つ質問があるんですけど良いですか?」


「何だ?」


「貧民街の子供達はどうなるんですか?」


「全員が奴隷となる予定だ、どうしたんだ?」


「ジャガイモが収穫されて、人手が欲しいと思ったのでどうなるか聞いてみただけです」


「なら、農奴たちと一緒に奴隷登録をするか?」


「そうしたいんですが、土地を買って家を建てて、それから引き取ろうかと思ったのですが・・・」


「なるほどな、それで土地を買おうとしていたのか」


「そうなんです、ゆくゆくは学校のようなものを作りたいですね」


「がっこう? なんだそれは? 何かを作るところなのか?」


「学校は、文字の読み書きや計算、戦闘訓練を行う施設ですね」


「魔術学院のようなものか・・・しかし、なぜそのようなことをするのだ?」


「そうですね・・・一応、陛下に直接提案したかった計画なんですけど、聞きますか?」


「良いのか? もちろん誰にも話さないと誓おう」


「まず、冒険者達が魔物を狩って、その素材を売って稼いでいますよね?」


「うむ、その通りだ、常識だろう?」


「冒険者は稼いだお金で、飲み食い、買い物などをして街にお金を落とします・・・それで国が潤い、国が冒険者に依頼をし、冒険者は金を稼ぎます・・・この国の1番大きいお金の流れです」


「うむ、その通りだ・・・しかし、お金の流れを作るのに学校はいらないんじゃないのか?」


「いいですか・・・学校で強い冒険者を育成すれば、安定して魔物が狩れますよね?

 その素材で国の全てが潤うようにさせる、そうすれば、安全で住みやすい街にもなります

 その時に、冒険者に礼儀作法を学ばせておけば、ごろつきの様になる事も減ると思いますし、有事の際にこの国を助けようとしてくれるはずです・・・まぁ、そこは本人次第なのでなんとも言えませんが」


「しかし、学校を作って入る者がいるか解らんぞ? そのような金も無いと思うしな」


「教育は無料でやります、ただし、卒業後3年はこの国で冒険者をすることとしますが」


「無料では元が取れないのではないのか? 大損になってしまうだろう」


「逆ですよ、冒険者が増えれば、食料が必要になりますよね? タダシさんやヨシさんの料理が食べられる店があったとしたら、どうなと思いますか?」


「そこでしか食べることは無いな・・・なるほどな、先を見据えての投資と言うことか」


「その通りです・・・なので、土地を確保しようと思ったのですが・・・」


「叔父上に掛け合ってみてもいいか? 土地の件は早急に何とかしたいのであろう?」


「そうですね、お願いします」


 こうしてフランソワーズ様との話が終わった

 もっともらしい理由を付けたが、本当はそこまで考えていない・・・ただ、このまま何もしなければ子供達が、農奴の子やセランが死ぬだけになってしまう・・・それを見たくないだけだ、ようは自己満足だ


 次のウェーブまで平均で約10年もある、それまでに流れを作り上げればいい・・・出来なければ、学校ではなくて、孤児院で文字の読み書き、計算を教えるだけでも少しはましになるのだろう

 本当に頓挫したときは、魔物を殲滅して素材をたんまり残せば、丸投げしても大丈夫だろうし


 うだうだ考えてもしょうがない! 何もやることが無いより、目標があった方が動きやすいし皆もまとまるだろう


 考えをひと段落させて、一息入れているとユカさんに話しかけられた

「カナタさん、相談したいことがあるんですが・・・」


「はい、何でしょう? とりあえず座って」


「えっとですね、ポーションを改良したいんですけど、何かいいアイディアはありませんか? 一応、蜂蜜とか入れてみたんですが・・・あの味に甘みが足されただけになってしまって・・・」


 青臭くて苦くそして甘い・・・異常なほどの不味さだろうな・・・


「う~ん、薬草の成分が、草本体なのか、草から出た水分なのかにもよるので、1回、お茶のように乾燥してから出してみるのはどうですか? もしくは、薬草から水分だけを取り出して、煮詰めて量を減らすとか・・・」


「なるほど、お茶はいいかもしれませんね、やってみますね、ありがとうございました」


 そういうと、意気揚々と去って行った

 この後に、ケイタ君とタクミ君が話しかけてきた・・・なんか俺大人気?


「カナタさん、武器について相談があるのですがいいですか?」

 ケイタ君が眼鏡をクイッとしながら言う


「もちろんいいよ、何?」


「ワイバーンの骨を削りだして武器にしたいんですけど、カナタさんに頼んでいいですか?」


「うん、どんな武器にするか構想は出来上がってるの?」


「はい、リョウタロウさんに骨を出して貰って、並べたのでどんな武器にするか、大体決まっています」


「そっか、じゃあさ錬金で武器に素材を混ぜ込むことができるっていうのは知ってる?」


「何ですか!? そんなことができるんですか? どうやるんですか!?」

 今まで黙っていたタクミ君が驚きの声を上げる


「俺もよく知らないから、アカネさんに、一緒に聞きに言ってみよう」


 アカネさんは、皆と洋服のデザインを話し合っていた

「アカネさん、錬金のこと聞きたいんだけどいい?」


「え~、今忙しいんですけど~」


「俺とケイタ君とタクミ君に教えてほしくって」


「え? ダイニングで待ってて、すぐ行きます」

 俺の後ろにケイタ君がいるのが見えたのだろう、アカネさんは、あわてた様に言う


 ダイニングに行き、武器の構想を聞いていると、アカネさんと、ミズキさんがやってきた

「お待たせしました~」

 アカネさんは、髪を整えてから来たらしい・・・何も言わないでおこう

 ミズキさんは、お辞儀をする


「早速だけど、武器に魔物の素材を溶かし込めるって聞いたんだけど、どうやるか知ってる?」


「え? うん、知ってるけど~」

 アカネさんは、しきりに髪の毛をいじっている


「ごめん、どうやるのか教えて」


「うん、解った~、武器への魔物素材の溶かし込みは~、簡単に言うと3つのメリットがあって~

 クリエイションエンチャントの拡張と、武器の強さの増強、稀に隠された性能を持ってることがあるだったと思う~・・・剣を作り出す? 剣を人工的に作り出す技?」

 アカネさんは、首をかしげながら言う


「魔剣を作り出す技ですよ」

 ミズキさんが、助け舟を出す


「そうそう~、ミズキちゃんありがとう、でね、必須素材があるんだけど、血液なんだよね~、魔物の血液に、内臓を砕いた物とか骨とか鱗とかを粉にしたのを入れて魔力を流ながら、回して? 回転させて? 分けたもの? に、血塊脈けっかいみゃく? ってのができるんだけど・・・」

 アカネさんは、ちらっとミズキさんを見る


「素材を入れた血液を遠心分離機のような機械(手動)に入れると、2つに分離し、濃い赤になったものが血塊脈と言われています

 あと、魔物の血液に入れる内臓は、ほとんどの場合が心臓ですが骨や鱗のみでも出来ないことはありません

 隠された性能を発現させるためには入れたほうがいいとは思いますが・・・」

 アカネさんの、不足の知識をミズキさんが答えてくれる・・・ミズキさんだけでいいんじゃない? 言えないけど


「そうそう、それで~、血塊脈に魔力で作った剣を入れると~、剣に吸われるらしくて、吸われた直後に魔物の粉で擦っていくとその粉も吸われて、人工魔剣の出来上がりってわけ~」

 アカネさんは、ミズキさんを見ると、ミズキさんは頷いた・・・大丈夫ってことだろう


やっぱり、ミズキさんだけでも特に問題なかったんじゃないのか?

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