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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
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第84話 卵

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます

「フランソワーズ様、この卵ってなんだか知ってますか?」


「ほほぅ、珍しい物を拾ったな、それは【魔物の卵】だな、ダンジョンで発見されることが多いものだ」


「何ですか、それ?」


「詳しくは知らんが、魔物やテイマーが喉から手が出るほど欲しがる物だということだぞ?」


「魔物が欲しがる? 何の魔物が出てくるか解るんですか?」


「すまん、詳しく聞きたいなら奴隷商の所へ行ってみてくれ、騎獣や守護獣など様々な魔物をダンジョン都市で取り扱っていたはずだ」


「解りました、行ってみます」


 1度屋敷に戻る事になり、その道すがら住民の人が厳戒態勢が解除されたと話していた

 やはり空から襲って来る魔物は脅威なのだろう・・・まぁ、草原の魔物が一挙に攻めてきても大変そうだが

 そんな事を考えながらLvを上げに行き(Lv23.Lv22)、屋敷に戻る


「お帰りなさいませ、皆様良くぞご無事で」

 セードルフ達は、3人で出迎えてくれる


「ただいま、変わりは無かった?」


「ジャガイモを収穫したいと農奴の方々が言っておりました」


「そろそろだと思っていたが、早すぎるだろう・・・行って来る」

 タダシさんとヨシさんが2人で出かけて言った


 みんなで「行ってらっしゃい」と言い見送ると、アカネさん以外の皆はそれぞれ思うところがあったのか、それぞれ出かけて行った


「カナタ様、すみま・・・」

 セラン君が、思いつめた表情で話しかけてくる


「やめないか!」

 セードルフが、大声でいさめる・・・セランはビクッとして頭をたれる


「いや、いいよ、何かあった?」

 チラチラとセードルフのことを見たが、意を決したのか喋り始めた


「皆と話し合って、一緒に冒険者になりたいんです!」

 拳を握り締めて、大声で叫ぶ


「ごめん、皆って誰? 農民の子供達の事?」


「す、すみません、説明不足でした・・・その通りです」


「そっか~・・・でも、本当に危ない仕事だよ?」


「覚悟は出来ています! お願いします」

 決意した表情のまま、セランは深く頭を下げる


 そうか・・・でもなぁ・・・冒険者になっても死んでしまうだけじゃないのか? でも、意思は尊重したいなぁ・・・


「じゃあさ、朝錬に参加してみる? ショウマ君が戦う心得とか教えてくれるよ」


「はい、お願いします」


「セラン君が、冒険者になりたいって言っていた子達に、声をかけて朝練にくるように言って、両親たちには、俺の許可を取っているって言っておいてね・・・あと、朝錬では首輪邪魔だね、取りに行こうか・・・折角だから全員取ろうか、邪魔だろうし」


「カナタ様、私は罪人ですので取れません」

 セードルフが頭を下げる


「うん、分かってるよ、ミランダとセランだけね、そういえば奴隷紋って後で消せるの?」


「いえ、解りません」


「じゃあ、皆で行こうか! お金下ろしてからだけどね」


 お金を下ろしに行き、金貨を3枚引き出してから奴隷商の元へ向かう

 門番に話すと、案内に男が出てきた・・・奴隷商に似ていたので、たぶん息子だろう

 男は、応接室へと案内してくれた


「いらっしゃいませ、父より事付けを預かっております、若造を叩き直しに行きます、だそうです」

 男は、深く頭を下げてから、話し始めた


「本格的に動き始めたと言うことですか?」


「恐らくはそうなのでしょう・・・はぁ・・・あ! すみません、私は末の息子のエムドラと言います、ご用件はなんでしょうか?」


「まずは、魔物の卵について教えていただけますか?」


「ほほぅ、珍しい物をお持ちですね、見せていただいても良いですか?」

 アカネさんは、エムドラに魔物の卵を渡すと、いろいろな角度から卵を観察し始めた


「お返しします、確かに魔物の卵ですね」


「初めて見ますので、詳しく教えていただけますか?」


「魔物の卵は、特定の魔物の卵ではありません、魔力を込めた魔物の変異種が生まれるという卵ですね」


「でも、テイマーが欲しがると言われたんですが」


「そうです、たとえば人が魔力を込めた場合、魔力を加えた主人に決して危害を加えない魔物が生まれるのです」


「なるほど、それで・・・魔物の種類はランダムですか?」


「一概にはそう言えませんね、人から買ったりなどをした卵を3回連続で孵化させたら、3回とも同じ魔物が出たとも聞きます・・・3個も魔物の卵を持っていること自体がまれなので噂の域を出ませんが・・・魔力量が関係すると考えられていますが・・・なんとも言えません」


「なるほど・・・じゃあ、孵化させちゃって良いんですか?」


「待ってください、奴隷紋を刻みますので少し待ってください」


「でも、主人に危害を加えないって・・・」


「そうです、危害を加えないのは主人のみです・・・周りは被害を被ります」


「奴隷紋って、卵に刻むんですか?」


「主人の血液を元に魔法契約の紋を、直接魂に刻みますので、姿かたちはあまり関係ありません」


「じゃあ、後で消すことは可能ですか?」


「理論的には可能ですが、消された記録がありませんので解りません」


「ねぇ~、そろそろ良~い? 飽きてきたんだけど~・・・」

 アカネさんに、いきなり声をかけられる・・・めんどくさそうにしてたからな・・・


「ああ、ごめん、エムドラさん、お願いできますか?」


「奴隷紋の準備してきますね」


「奴隷紋は、2つでお願いします」


「2つですか?」

「このセードルフの首輪を奴隷紋への変更をお願いします、主人は俺で、あと、魔物の卵はアカネさんが主人でお願いします、えっと最後に、この2人は首輪を取りたいのでお願いいたします」

 エムドラは、驚愕の表情を浮かべている


「え? 2人も奴隷から解放するのですか? 何でですか?」


「私は3人を奴隷としてではなく同じ人として約束を守っていただければ、それで良いと考えてます、この3人はたぶん裏切って何かをする事はないと信じていますので、本当は口約束でも良いかと思っているのですよ」


「カナタ様」

 え? どう考えても裏切るより仲間でいた方が利益大きいでしょ? セードルフは何で感動した顔してるの? あれ? なんか勘違いしてる?


「なるほど、聞いてたよりも、突拍子も無い方のようですね・・・すぐに準備してきます」

 エムドラが、手を組んで納得したように言う


 その後、卵とセードルフに奴隷紋を、他の2人は奴隷じゃなくなった

 強い冒険者が増えれば、俺らが狩りに行かなくても食べ物を買う事が可能になるだろうし、商売をしながらであれば経済をまわして大きな利益を生み出すことも可能だろう

 この世界ならいろいろな知識で商売が出来るので可能なことだが、地球だとそう上手くは行かないんだけどね


 屋敷に戻り、魔物の卵の孵化させるところを見せてもらうと・・・1匹の白い子猫が生まれる

 子猫って魔物なの? ヨチヨチして歩くのに失敗してコロンって転がる・・・魅了の魔法でも使われてるのか? すっごい可愛い


 とりあえず、作りたい物があるため、ミミリさんの工房へ

 ミミリさんに挨拶し、少し世間話をした後、本題へ


「ミミリさん、作りたい物があるんですが良いですか?」


「何ですか? またとんでもない物ですか?」

 とんでもない物って・・・どんな物ですか・・・


「この黒い芯を入れるカバーですね」

 そう、俺が作りたい物・・・それは鉛筆だ・・・グラフェンを作るときに調べたので黒鉛の作り方は分かるし木でコーティングすれば、鉛筆になるはずだ


「何ですかこれ? 黒い棒?」

 ミミリさんは、黒鉛を手にとって観察している

 俺は、黒鉛で、そこらへんにある木片に、少し字を書いてみた


「何です? 羽ペンじゃないのに書けた? インクも無く? なんなんですか? これ」


「黒鉛と言って、煤を固めた物ですね」


「へぇ~・・・これを量産できれば、羽ペンが要らなくなりますね!」


「擦るとすぐに消えてしまいますし、魔法で生成してる物なので大量には作れません、なので、羽ペンが必要なくなるってことはないと思いますよ・・・それでですね、これのカバーを作って欲しいのです」


「カバーですか?」

 鉛筆を出してみせる


「このようにカバーをかけると手が汚れません」


「え? 本当だ、手が汚れてる」


「なので、芯の部分を渡しますのでカバーを作ってください」


「解りました、やらせてください! 弟子もまた増えましたし、色々出来ますよ!」


「お願いします」


「革細工職人の紹介をヒリスちゃんに頼んであるので、会いに行って見てくださいね」


「はい、今から行ってみますね」


 コンクリート職人は、なんか忙しいみたいで、まだ会えないと言ってたし先に革細工かな~

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