表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
105/406

第81話 バーベキュー

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます


本当にゆっくり書いていたので、全然更新出来ずに申し訳ありません

少しでも面白いと思っていただければ幸いです

「魔力も体力も結構使ったってのに・・・少しでも休みましょう」

 椅子を作り出して、皆座り始める


「あ! そうだ! こんな時こそポーション飲んでみませんか? 折角作ったんですし! でも、効果は解りませんけど」

 手をぽんと叩いてから、顔をキラキラさせてユカさんが言う


「それはいいですね! 飲んでみましょっか」

 皆にポーションを渡し、飲んでみる・・・青臭くて苦くておいしくない・・・


「不味! 何これ~・・・ 罰ゲームのやつ~?」

 アカネさんは、言ってから舌を出す


「こりゃあ不味いね、味を改良できないかな?・・・作ってるときは、こんなに不味いとは思わなかったね、ユカさん」


「本当ですね、お茶のような味だと思ったんですけど、本当にただの青臭い汁なんですね」


「しかし、体の奥がポカポカしませんか? 若干ですが、疲れも取れてきたような気がするんですが、気のせいでしょうか?」

 ポーションの入っていた容器を覗きながら、ケイタ君が言う


「はい、確かに少し疲労を回復したという感覚はありますね・・・本当に不味いですが」

 腕を回したり運動しながら、リョウタロウさんは言う


 みんな一様に顔をしかめ、ポーションの不味さについて話す

 壁を挟んだ向こう側は、見渡す限りモンスターで溢れかえっているのに、のんきに話していると


「お待たせしました、魔力が結構回復しました、戦闘の安全マージンとしては十分だと思います、もちろん、サンダースパークも十回ほど放てますどうしますか?」

 ミズキさんが、立ち上がってお辞儀してから言う


「よしよし、いい感じだね! じゃあ、いつも通り麻痺させて糸を全部回収しちゃいましょうか!」


「しかし、この数全部に魔法をかけることは不可能だと思いますが、何か策でもあるんですか?」


「いやいや、全部にかける必要は無いんだよ、近くから順にかけて蜘蛛を倒して、蜘蛛や芋虫の陰に隠れてどんどん離れた所の敵に向かえばいいんだよ・・・まぁ、芋虫や蜘蛛のそばまで行くから嫌かもだけどね」


「え~? あれに隠れるの~? キモいし、マジありえないんですけど~・・・」


「アカネさん、仕方が無いんですよ、それしか方法が無いと思いますので」

 ケイタ君が、眼鏡をクイッと上げながら言う


「え? あ! いえ、頑張りますよ! はい! 大丈夫です!」


 明らかに対応が違うけど、まぁ、イケメンだからなぁ


「さっきのメンバーに分かれて手分けして倒そう、よし! みんな立って立って!」


「すみませんカナタさん、私は、フリーで糸や魔物の回収を専門にやりたいと思うんですが・・・いいでしょうか?」


「え? 本当に良いんですか? こちらは倒すだけになるので、かなり助かりますけど・・・いいですよ、決意が固いみたいですしね・・・【絶対無理はしない】これだけは絶対に守ってくださいね・・・皆も駄目な時は、魔物を倒しちゃってくださいね」

 みんな頷きながら「はい」「うん」「おう」などと了承の言葉が帰ってくる


 土の壁に登り雨を降らせて、サンダースパークを届く範囲で放つ

 近くの魔物の動きが止まっている隙に、土の壁に穴を開け出発

 作戦はびっくりするほど順調に進み、砦近くの蜘蛛は全て回収され、中距離の紛れ込んだ魔物や蜘蛛もほとんどいない状態になる・・・そんな時、砦の近くの芋虫から糸が出始めた


「近くの芋虫から糸が出始めたので、私は砦の上に行きます・・・すみませんが、糸や魔物を持ってきてください、お願いします」


「はい、了解しました、お願いします」

 砦の四方に細い階段を作り出し、糸を渡していく・・・数匹に敵対行動されて倒してしまったが、数が多すぎて気にしている余裕が無い・・・どんどん糸が吐き出される


 遠巻きにスパイダーや、他の魔物を発見すると、ストーンアローで頭をつぶして、クロウラーから糸を取り、リョウタロウさんに、糸を渡しにいく・・・そんな単純作業を繰り返す

 スパイダーがあらかた片付いて、糸の回収がメインになると戦闘中なのにのんびりとした雰囲気になる


「空が糸で覆われてますね、タダシさん」


「そうだな・・・もう夕方になるぞ? どうするんだ?」


「野営をするしかないですね・・・砦を寝られるように改良しましょうか」


「せっかく外だからなぁ・・・バーベキューでも・・・おっと、ストーンアロー」


「バーベキューいいですね! でも、牛肉取って来て無いですよね?」


「せっかくワイバーンがあるんだ、それを食べてみないか? うまいと言う噂だぞ」


「そりゃあ良いですね!、リョウタロウさんグループのを解体しましょうか~」


「そうだな、もう少し落ち着いたら、解体するか・・・こんなに多くちゃ無理だ」


 草原に入ってくる魔物がかなり減ってくる・・・この隙に、クロウラー、オーク、ゴブリンなどの回収を一気にしていく


「皆! バーベキューするから、タダシさんと俺がワイバーンを解体します! 後は任せた!」

 風に乗せ大声で叫ぶ・・・特に了承を得ていないが大丈夫だろう

 砦の隣に大きめな砦を作り、解体に必要な物を出していくが気になったことがある

 ワイバーンの血ってもしかしたら何らかの素材になるんじゃないか? 普通はドラゴンとかなんだろうけど、素材って出来るだけ取っときたいんだよね・・・えっと、何か入れ物・・・そうだ!


「タダシさん、使っていない樽にワイバーンの血を入れていいですか?」


「使って無いやつなら別にかまわねぇぞ」


「了解、じゃあ血抜きからやっちゃいましょうか」


 土でタワーのような物を作り、カーボンナノチューブのロープで逆さ吊りにする

 その間に、土の台に木の板を設置などしておく


「時間がかかっちまうから、先に皮を剥ぐか」


「吊るしたままですか?」


「ああ、やりにくいと思うが、暗くなる前に終わらせたいしな」


「了解しました、指示をください」


「俺も初めてだからな・・・まぁ、鳥と一緒だろ」

 そんなこんなで、皮を剥ぎ取り終わったときには、もう夕方だった


「皮はマジックボックスに入れますか?」


「うお! びっくりした、終わったんですか?」

 いきなり背後から声をかけられて驚く


「すみません、一旦お仕舞いみたいですね、魔物の流入も少なくなっています・・・皮と転がってる鱗をマジックバックに入れときますね」

 そういうと、リョウタロウさんは、鱗などを拾い始める


「リョウタロウ、肉の切り分けも終わったら仕舞ってくれ」


「そこの樽も仕舞ってもらっていいですか? ワイバーンの血が入ってます」


「はい、任せてください」


 鉄串などの準備は無いものの、焼いて食べられればいいので、焼肉に近い形となる

 バーベキューコンロは土で形成し、金網を上に敷く形にする


「コンロの中に敷く炭はな、右が多くて真ん中を少なく左には炭を置かないんだ・・・簡単に言うと、坂みたいな敷き方だな」


「え? 平らに敷いたほうがいいんじゃないですか?」


「肉を焼くだけならそれでいいが、野菜も焼くだろう? 野菜はな、バーベキューだと水分を飛ばさずに火を通すってのを念頭においておくといいんだ・・・こんな風にしくと、右が強火、真ん中が中火、左が弱火になるんだ」


「へぇ~、なるほど、火加減も出来るんですね」


「昔ホームパーティに呼ばれたときに教えてもらった受け売りだがな・・・リョウタロウ、アルミホイルも出してくれるか?」


「はい、了解です」


「玉ねぎは、皮ごと洗ってアルミホイルで包む、そのときにオリーブオイルと塩を少し、それで左端において置く、火が通ればジューシーな玉ねぎが出来るぞ、カナタはバーベキューコンロをもう1つ作っておいてくれ」


「了解しました」


「すみませんカナタさん、今日は、ここに泊まるんですよね?」

 鱗を拾いながら、ケイタ君が質問して来た


「そうだね、移動しても良いんだけど・・・・今から森に入るのもねぇ・・・しかも、まだ森から魔物が出てきてるでしょ?」


「そうですね、魔物は森からポツポツ出てきてますね」


「私は、セントバードやワイバーンの警戒をします、近くに来たら知らせますので任せてください」

 小さい鱗を、マジックバッグにしまいながらリョウタロウさんは言う


「鱗も粗方仕舞いましたので、僕は皆と壁外周に溝を掘り、水を入れてきます」

 そう言うとケイタ君は、皆のところに走り出す


「うん、お願いします」

 俺は、ケイタ君の背中に声を掛けた


 最初に壁を作った方に屋根を作り、部屋を作り、離れた場所にトイレを作り、ぐるりと一周堀を作り・・・砦が、拠点と言うより家に近くなっていく


「食べるぞ! みんなこっちに集まれ・・・まずは胸肉だ、柔らかくて美味いぞ」

 肉を焼き、早速ワイバーンの肉に岩塩を少し付け食べる


「美味い・・・何これ! マジで美味い!」

 すごくジューシーで甘みが口いっぱいに広がる、飲み込むとあっさりしている様な、油の余韻があるような、言い表せないようなおいしさだった


「こっちの肉厚のほうが、もも肉だ、こっちのほうがジューシーだぞ」

 かぶり付くと、口に入れた瞬間に溶け始め、後から後からお肉の旨味があふれ出る、はぁぁ美味い・・・みんなも一口食べ、とろけたような表情をしている


 みんなでワイワイ食事を楽しんでいるときに、相談をされる


「カナタさん、私も強くなりたいです、何をすればいいでしょうか?」

 手を上げてコノミさんは、言ってくる


「あ! あたしも~あたしも~」

 少しはなれたところでアカネさんも手を上げる


「私もです、せめて自分の身ぐらい守れるようになりたいです」

 リョウタロウさんも、手を上げて言う


 他みんなそれぞれに思うところがあり、強くなりたいと考えているようだ

 1番驚いたのはミズキさんだ、まさか接近戦を習いたいと言うとは・・・


「まずは全員、ショウマ君に基礎だけでも習いましょうか、無手での戦闘が出来れば、敵から逃げる事は出来ると思いますし」

 そんな決意表明の様なことをしていると


「え? 待って下さい・・・これは、人? 冒険者でしょうか? 数2がやってきます」

 うわぁ・・・面倒なことが起きなきゃいいけど・・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ