表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
104/406

第80話 ワイバーン討伐(3PT)

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます


10/19 改稿あり 加筆あり

◇◆ リョウタロウside (リョウタロウ視点)


「さっさと行こうぜ?」

 ショウマ君が、ワイバーンを指差して楽しそうに言う。


 僕が武器をケイタ君たちに渡し終わるのを待ってくれたようだ。


「ショウマ君は、倒す策はあるんですか? 時間稼ぎをするのが1番良いと思うのですが」


「そんなもん、ブン殴りゃすむだろ! 見た感じ空飛ぶトカゲだぜ?」


「ワイバーンは、魔法があまり効かないと聞いています。 それに、空を飛ばれたら殴れませんよ?」

 ミズキさんが、ショウマ君を止めようとしてくれているみたいだ。


「ん? 空を飛ぶ前に殴って終わらせればいいんじゃねぇか?」

 ショウマ君の、あまりにも深く考えていない発言に、皆は押し黙る・・・


「あ・・・あの~、ショウマさんが戦っているときに、他の皆がワイバーンを飛ばないようにサポートするのはどうですか? 戦う気満々のようですし」

 コノミさんが小さく手を上げていう。


「おう! そうしてくれると助かるぜ!」

 ショウマ君はやる気をみなぎらせていう。


「それはいいですが、どんな魔法で空を飛ぶのを阻害するんですか?」

 ミズキさんは、コノミさんに聞く。


「たぶん、あの巨体ですから、セントバードと同じく風を操っているんだと思います。それを乱せば、飛ぶのを阻害できるかと」

 コノミさんは、少し考えていう。


「なるほど、そうですね。 飛びそうになったら阻害する方向でいきましょう」

 ミズキさんは、頷く。


「よし! 作戦は決まりだな! 突っ込むぜ!」

 ショウマ君は、身体強化をして一直線にワイバーンの所まで走りだしてしまう。


「待って! 待って下さい! まだ全部決まってません!」

 僕はショウマ君に向けて叫ぶが、止まってくれない。


「仕方ない、皆さん追いましょう!」

 私が言うと2人は頷き、ショウマを追いかける。

 ワイバーンは、地面に降り近くのオークを襲っていた。


「オークはコノミさんお願いしてもいいですか? ミズキさんはショウマ君のサポートを私と一緒にお願いします」


「解りました。 サポートします」


「解りました。 出来るだけ、すぐ戻ってきます」

 コノミさんは周りにいるオークに向かってくれた。


 あぁ・・・どうして私は、朝錬に参加をしなかったのでしょう・・・魔法の訓練をしなかったのでしょう・・・観光するようにフラフラと歩いていただけなのは何故なのでしょう・・・

 思い出すと後悔しか出てこない・・・本当に情けない・・・


 ワイバーンは咆哮し、ショウマ君を睨んでいる? いや、様子を伺っている?

 駆けて行ったショウマ君が、勢いをまったく殺さずに胴廻しを頭に放つ・・・クリーンヒット!!

 ワイバーンの頭が地面にぶつかりバウンドする・・・すごい! 1人でも倒せるんじゃないか?

 ショウマ君は起き上がりざまに、顔にローキックをくらわす・・・頭が少し浮く。

 ワイバーンは蹴られた反動で起き上がり、怒りの咆哮を上げる。


「そうか! あんまりダメージは無いか! いいな! 面白いぜ!」

 ショウマ君は、笑いながら叫んでいる。


 ワイバーンが火球を放つと、ショウマ君は真っ直ぐ足元に突っ込み何事も無かった様に回避する。

 ワイバーンの足に向かって、蹴りや突きなどを叩き込む・・・さながらワイバーンの足は空手で使う巻藁のようになってしまっている。

 苦悶の咆哮を上げるワイバーン・・・地団太を踏むようにして、ショウマを踏み潰そうとしている。

 ショウマ君は、体の下から尻尾のほうに抜け尻尾の付け根へ踵落しを決める・・・ワイバーンが尻餅を搗く。

 本当にすごい・・・素手(セスタス付けています)での戦いで圧倒している・・・


 ミズキさんは、ショウマ君をサポートするように、顔目掛けて爆発の魔法を繰り返す。

 大きな音と火炎でショウマ君への目くらましにしているようだ。

 それにしても、いきなり顔の周りで爆発する魔法なんて・・・本当に魔女のようだ・・・


「リョウタロウさん! ぽーとしてないで、サポートを!」

 ミズキさんにそう言われ、はっとする・・・2人の戦いに魅入ってしまった。


「すみません! 見惚れてました」

 そんな会話をしていると、ワイバーンが翼を羽ばたかせ、後ろにステップをする

 ショウマ君は、風圧で一瞬立ち止まったが風が収まると、またワイバーンに向けて走っていく。


「オーク終わりました! 何をすればいいですか? 指示して下さい!」

 コノミさんが、走って戻ってきた。


「では、ショウマ君が戦っている隙に翼を切り落としましょう!」


「はい、了解です。 お二人は風で飛び立たないようにしてください。羽は私が落とします」

 ミズキさんが、にっこり笑っていう。


 ワイバーンは火球を連続してはき、ショウマが近づいてこないようにしているが、お構いなしにそのまま突っ込んでいく。

 僕とコノミさんは、ウィンドボールを連射し、翼に当て飛び立たないように風を乱す。

 ミズキさんを見ると、両手で火球を出して集中しているようだ。

 火球からゆっくりと熱気が届いてきて、ミズキさんの周りゆがんで見える程となり、火球は赤からどんどん白くなっていく。


「ようやく出来ました。お二人とも、離れててください。 魔法を放つと熱いと思いますので」

 ミズキさんが白い玉を片手の上に浮かせながら言う。


「あの、ワイバーンの近くにいるショウマ君は危なくないんですか?」


「・・・大丈夫だと思います・・・たぶん」


 すっごい間があったし、なんか危険な気がするんですが・・・


「私が、ショウマさんに被害が及ばないように氷でサポートします。危なそうなので」

 コノミさんが、魔法を使いながら言う。


「では、お願いします。 私は飛ばれないように風を撃ち続けますね」


 ワイバーンの近くにショウマがたどり着き、ワイバーンの地団駄が始まりヒョイヒョイと避けている。

 ワイバーンの苛立ちが募り、大きく足を上げたときに、ショウマは軸足にとび蹴りを放ち、前に倒した。


「ショウマ君! 離れて! 危険です!」

 私は、魔法も使いながら出来るだけ大声で叫ぶ。 


 ショウマは、急いでワイバーンから離れていく、風の魔法で大きな声になるようにした為、声が届いたようだ。


「では、行きます。 擬似レーザー」

 ミズキさんが、光を持った片手を前に出して言う。


 光線にも似た熱線がワイバーンの翼の根元の部分に当たると数秒で羽が落ちる。


「このまま、首も落とします」

 ミズキさんがそう宣言する。


 ワイバーンは身じろぎ、擬似レーザー避けようとするが、風の魔法をくらい続けている為、体の大きなワイバーンは身動きが上手く取れていない。

 ワイバーンの首にレーザーが当たるが、数秒でレーザーが終わってしまう


「すみません。 いけると思ったのですが、首までは落とせませんでした」


「すごい! 本当に凄いですね! もう1度放てないのですか?」


「火の魔法は練度が低いので、擬似レーザーを作り出すのに数分はかかります」


「そうですか・・・」


 ワイバーンを見ると、立ち上がろうとするが片翼が切り落とされているため上手くいかず、大きく咆哮を繰り返し痛みと怒りをあらわにする。

 ショウマ君は、無慈悲にワイバーンの頭を蹴り上げ、落ちてきた頭に両手を組んで下に殴り付ける、すると地面にヒビが入り頭が少し埋まる。

 首の傷口近くに移動し前蹴りを放つと、埋まっていた頭が奥にずれ、首の傷口が裂けて大きくなる。

 ワイバーンが全く動かなくなっているが、首の傷口を大きくするように攻撃をやめない。


「ショウマ君! もう死んでます! 大丈夫です!」

 私はショウマ君に声を届ける。


 ショウマ君は声が聞こえたのか、攻撃をようやくやめてくれた。


 その後、ワイバーンに近づき、大きさを確認するとやはり大きい・・・全長はどのくらいなのだろうか・・・6m? 7m? それよりも大きいかもしれない。


「リョウタロウさん、見てないで仕舞った方が良いんじゃないのか?」

 びしょ濡れのショウマ君が、不意に話しかけてくる。


「すみません、見とれてました」

 私は、ワイバーンを指差して言う。


「すっげぇでけぇよな! 最初突っ込んだ時にびびっちまったぜ」

 ショウマ君が笑いながら言う。


「でも、すごいですよ。こんなのと戦えるなんて」


「いや、まだまだだな・・・倒すのに決定打が無かったのもあるし・・・修行のやり直しだ」


 あんなに戦えても、こんなに大きい魔物をしとめても、まだまだとは・・・私も、最低限自分の身を守れるようにならなければ。

 マジックボックスに、ワイバーンを仕舞うとショウマ君が汗と泥を落とすため、ミズキさんが作った更衣室のような物に入ってシャワーを浴びている。

 落ちている鱗等も回収していると、遠くからカナタさんやケイタ君が走ってやってきていた。

 やっと一段落ですね・・・そう思った時、警戒のギフトにアラームが鳴り響く。

 警戒のギフトを確認すると、既に大多数の敵に囲まれている。


「リョウタロウさん! ケイタ君によると囲まれてるみたいなんですが、逃げ道分かりますか?」

 カナタさんから急に聞いてくる。


「確認してみます! もう、すでに360°全部ラネアスパイダー・クロウラーで埋め尽くされています。 これでは、逃げられませんね。 すみません、戦闘に夢中で警戒のギフトをちゃんと確認していませんでした」


「仕方がないですよ・・・しかし、草原のど真ん中、遮蔽物無しで第2ラウンドですか。 本当にやってられないね」

 カナタさんは腕を組んで呟くように言う。


「仕方がないですよ。 魔糸回収のいい機会だと思って、頑張りましょう」

 ケイタ君が、頷きながら言う


「残存魔力が減っています。 現状ではサンダースパークをあまり撃てません」

 ミズキさんが、手を上げてから言う。


「そっか・・・じゃあ、土で全方位に壁を作りましょう。 見つかっちゃったら糸出し難くし、休憩もしたいですし」

 カナタさんは少し考えると言う。


 土の壁(1番上はねずみ返しのようになっている)で出来た、正方形の砦とも呼べないが強固な部屋が完成する。

 中に籠城して、糸を出すのを壁の上側から確認する。


「まだまだ糸を吐き出さないようですね。 しかも、奥からもまだ大量に出て来ているようです」


 また戦闘ですか・・・仕方が無いですよね・・・

 いえ、強くなるって決めたんですから、その修行と思いましょう!

やはり読みにくいという方も、いらっしゃったと思いますので

そろそろ改稿、加筆をしたいと思います

投稿が不定期になることをご了承ください

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ