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蝉
羽化した蝉の
乳白色
乾いてしまえば
泣き出すんだろう
夏を締め付ける
まっさらな声で
尖った陽射しに
がさがさの樹皮
しがみついて
しがみついて
鳴き出すんだろう
夏を上書きする
まっとうなやり方で
茹だってるアスファルト
濁った声では
素直に
泣けなくて
鳴けなくて
空っぽの脱け殻
何度脱いでも
また
私になってしまうのに
違う夏はやってきて
声になって
声になって
呼び戻すのではなく
追いかける
声になって
なく蝉のようには
なれなくて
はじめましての前の
さようなら
どうしてだろう
声にはならなくて
まだ
濡れた羽根を
乾かし続けている




