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雨上がり
雨に濡れた落ち葉が
アスファルトにへばりつくのを
見ている
散乱する折れた小枝や
散った花びらは
皆
一様に軽やかさを失って
濃くした色ばかりが
重たげに浮いている
折り畳んだ傘の先端から
こぼれる水滴は
まだ冷たいのに
あっけなく晴れあがった空だけが
涼しい顔をしていて
やるせなさについた息が
もう蒼くなる
雨上がりの
瑞々しい輝きの中で
踏みしめた靴は
水の音を掻き鳴らし
ひどく濁ったその音は
ささくれた思いを
否定などしないから
木漏れ日を捕らえる雫が
惨状すら照らし出し
美しさに変換してしまう前に
いつか
剥がれてしまう傷あとを
僕は丁寧に踏みならした




