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謝罪
不意をついて出てくる
子どもの純粋な興味に
うまく答えられなくて
なんだかなぁって思ってる
鳥は何のために飛ぶの？
星は何個あるの？
お花は何でキレイなの？
オバケが夜に出てくるのはなぜ？
えーっと
うーんと
今忙しいから後にして
ごめんね
実のところ
ちっとも思いつかないんだ
疑問に満ちたセカイが
もう私には
「そういうもの」になってしまって
距離の取り方ばかり
気にしている
鳥はどうして飛ぶのだろう
星は一体いくつあるのだろう
花はなぜ美しいのだろう
オバケはなぜ夜を好むのだろう
背は私の方が
うんと高いのに
小さな君の方が
空には近くて
いつの間にか
優先順位を下げられた問いが
君の小さな口から立ち上がり
噤むばかりの
私を見下ろしている
遠ざかってすみません
つまらない大人になってしまって、
ちくんと痛む胸の奥
謝罪に随分慣れてしまった
頭を垂れる
小さな君に
忘れたセカイに
そして
心の隅で怒れる
いつか子どもだった私
