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言い訳ノート  作者: a i o
1/23

Riverside

流れゆく川のそばで

待っている


あなたが呟いた言葉が

海に行く前に

見届けたくて

山女魚の鱗

輝きを数え上げ

待っている


おいで

黄金の朝を乗り越えた

おはよう


おいで

漆黒の闇を捕らえるような

おやすみ


誰に呟いたものでもないのなら

私が

ちゃんと

見送るから


形も疎らな岩に

砕け散る水は

また一本の道筋となり


声を上げて

泣きたかった日々を

埋めるように

大河は

大海へと続き


おいで

声を枯らして叫んだ

あてのないごめんなさいも


おいで

今はもう手遅れの

ありがとうも


激流の中で

せせらぎの中で


薄羽の透きとおる

トンボが

川面をゆく


愚かしさの中で

あなたの

愛した日々が

流れていく


混じり合い

交じり合い

産み出された日々が

海に出され

誰のものとも

つかなくなる前に


流れゆく川のそばで

待っている


剥がれ落ちた言葉も

届かなかった想いも


決別よりも

優しい場所で


また巡り会うように
















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