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私と彼の恋模様  作者: 辰野
95/224

95.

 「あーーあー、直人ったら大人げない。ここは優しく負けてあげればいいものを」


 白崎さんが迷わずにとったのは左のカード、つまりハートの9である

 私は目を瞑っていたので見たわけではないがあれはどちらを取るかすでに決めてから取っていたに違いない


 「なんで…………なんでなんですか。白崎さんなら絶対に右を選ぶと思ったのに……」

 「そこまで落ち込むことないって。罰ゲームのことはなかったことにしてあげるから」

 「確かに罰ゲームはやりたくなかったしこれまで好きな人なんかいなかったのでどうしようかとは思っていました。けど今は罰ゲームがなくなった嬉しさよりも私がなんで負けたのかの方が気になります」


 横からうわーー、何言ってるんだこいつって目で海音ちゃんが見ているのは私の第六感が教えてくれてる

 けどババ抜きのような心理戦は私の得意分野だしここまでいろいろな作戦を立てて負けたことがなによりも悔しい


 「明美ちゃんもさっきから色々と仕掛けてて頑張ってたんだろうけどさ。直人もハッキリいって心理戦とかだいの得意分野なんだわ

 特に最近は心理学を本気で学ぼうとして本屋で大量の参考書を買ってきたりしていて、その無駄な知識を私に教えるもんだから私もちょっとは詳しくなって明美ちゃんの作戦とかいろいろ分かったんだけど、私で分かるんだから直人が気づかないわけがないの」

 「ってことは……」

 「元から直人が負けるようなことはほとんどなかったってこと。私としてはなんでここまで負けたのか分からないぐらい」

 「仕方ないだろ。まだ俺だってそこまで勉強してるわけじゃないから集団心理なんて分からないんだから。俺が分かるのは1対1での対戦だけだっての」


 どうやら私は知らないあいだにジョーカーを取るように誘導されていたらしい

 前にTVで見たときはやらせなんかじゃないのかとは思っていたけどそんなことなかった

 本当にメンタリズムはあったし、心理学を勉強している人がババ抜きをやると勝てないってことはよく分かった


 けどちょっとせこすぎません!?

 少しぐらい手加減してくれたら良かったのに……

 それともここまでして初恋の話は話したくなかったってことなのかな?

 なんでか分からないけどあかりさんも焦ってたしこれは何かある!!


 「さ、もうそろそろ乗り換えだから荷物まとめとけよ。次のは1時間くらいあるからまた何かゲームでもするか?」

 「それなら七並べか大富豪したいです。前から一度でいいからやってみたいと思っていたので」

 「ルールも分かってない奴がそんなのできるわけないでしょ。あんたは一人で神経衰弱でもやっときなさい」

 「なんだとこら!」


 …………私も心理学について勉強してみようかな

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