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しかも、よりにもよって私とドべ対決をすることになったのは白崎さん
私に関してはこれまで好きになった人なんていないし、かといって実は好きな人なんんてできたことないんですって言っても絶対に信じてくれない
こういう話はこんな序盤からするものじゃなくて旅館でゆったりし始めた頃にする話だと思うんですけどね!!
「す~~、は~~。よし、いくら白崎さんだからって手加減はしませんよ。私の初恋の話なんてとっても面白くないものですし」
「それを言ったら俺も同じだ、だから俺も手加減をするつもりはないぞ。このターンを防いで次でハートの9を取るだけだ」
「私こそ、ハートの9を引き当ててこの戦いに終止符を打ってあげますよ。勝つのは私ですから!!」
さて、私はどちらを引くべきか……
確率は2分の1、右を引いても左を引いてもそのうちのどちらかがジョーカーである
普通に考えたら右を選ぼうが左を選ぼうが同じことである
けど、それに相手の表情や癖を見抜くことによってその確率は上がったり下がったりするのだ
まずは左のカードに手を当てて白崎さんの表情の変化を伺う
特に表情には変化はなかったがカードに手を当てた時に握る手が力強くなった気がした
今度は私の手を左のカードから右のカードに移し、同じようなことをしてみる
ほんのわずかであるが白崎さんの口角が釣り上がり、左のカードと比較すると握っている力も強くは感じなかった
つまりジョーカーはこっち!!私が取るべきカードは……
「私は左を取ります!!」
「本当にいいのかい、もしかしたら左はジョーカーを持っているかもしれないよ」
人に言われたら自分が選んだ答えをついつい変えたくなってしまう
けどそれは相手の策略で、この言葉に耳を傾けてしまったら私が負ける確率が高くなってしまう
ここは左で突き通すべきだ
「こっち!!…………ちがうじゃん!!」
「残念でした。ハートの9はこっちでしたーー」




