90.
「全く、せっかく誘ってあげたんだから一番最初に駅についてて待ってるのが当たり前でしょ!ほんと、これだから浜口は」
「お前が早く来すぎなんだよ!俺が来たのでさえ集合時間の30分前で充分余裕なんですけど!?それともあれか、早く来たのはいいけど誰もいなくて暇してたのか」
それに、今回の旅行には私と海音ちゃんの他に浜口くんも参加することになっていた
あかりさんから元々予約していたのが5人分だったらしく、どうせならもう一人だけ誘ってもいいけどと言われたので海音ちゃんがお願いしたのだ
浜口くんは先週ぐらいに退院して、学校にも何日かしか通えずにすぐに夏休みに入ってしまったので思い出作りも兼ねて誘っらしい
海音ちゃんはそう言っているものの本当は一緒に旅行に行きたかっただけなのではないかと私は思っている
なんだかんだいって二人とも仲がいいし、浜口くんが入院してから私もお見舞いをしに行ったりすることはあったが、私がいなくても海音ちゃん一人で行くことのほうが多かったりもする
海音ちゃんによく浜口くんのお見舞い言ってるよねって言ったらただの男友達だから、としか答えてくれないが絶対にそれ以外の理由があると私はにらんでいる
「おはよ、二人とも。そんなに早く来なくても新幹線には間に合うって。元々、集合時間の20分後に発車するんだから私みたいに集合時間10分前とかでも余裕だって」
「そんなこと言ったって仕方ないじゃない、私が早く来たかったんだもん。そしたら誰も来てないし、やっと来たと思ったらこいつだし」
「へ、俺で悪かったな。ただでさえ朝早かったのに向こうについたとたん力尽きてるんじゃねぇの?」
「まあまあ、二人とも落ち着いてよ。たぶん白崎さんたちももうそろそろ来ると思うし、あと10分ぐらい待っていようよ。せっかくの旅行なんだから楽しまないと」
そしていつの間にかこの二人のくだらない言い争いを止めるのが私の役目になりつつある
二人の言い争いは聞いていて面白いし、ほったらかしにしていてもいいのだが二人ともが頑固だから永遠に終わらないのだ
いつもは私が二人の言い争いに飽きたら止めに入るのだが、ここで喧嘩してしまったら後がめんどくさそうなので早めに止めておいた
けど二人ともこの状況を楽しんでいるのは確かだ




