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私と彼の恋模様  作者: 辰野
82/224

82,

 「今日の放課後、前原と一緒にこの教室にいて」


 もういろいろなものがなくなりすぎてうんざりし始めた頃である

 どうせ今日もなにかなくなってるんだろうなって思いながら机の中に手を入れたら一枚の紙切れが入っていた

 最近は相手も疲れてきたのか下駄箱の紙切れパラダイスはなくなっていたので今度は机の中かと思ったけどどうやら違ったみたいだ


 手紙の中には名前は書かれていないが海音ちゃんが書いたのはひと目で見て分かった

 「の」を右肩下がりに書いてしまっていたり「と」が必要以上に小さかったりするのは海音ちゃんの昔からの癖だ


 「なに、どうかしたの?」

 「ううん、何でもないよ。それよりも昨日のテレビ面白かったんだけど見た?」


 久しぶりの海音ちゃんからのコンタクトで少しテンションが上がったが前原さんには気づかれないようにすぐに話を逸らす

 海音ちゃんに言われたからではないが、私も前原さんのことを手放しに信用することができなくなってきていた

 前原さんは確かにすごいし尊敬もするけど段々とできすぎているような気がして怪しく思えてきてしまっているのだ


 前原さんは海音ちゃんのように自分の意見や行動を曲げたりせずに、何もかもを全て我慢しているような気がしてきたのだ

 あういうタイプの人はそのイライラをどこにも放出できないまま自分の中でずっと隠し持ってしまっている

 そしてそのイライラは溜まっていく一方で限界まで達してしまいそうになった時、自分の精神を守るためにそのイライラを放出してしまう


 だから海音ちゃんは前原さんに気をつけろと言っていたのかと最近気づけた


 「ねぇ、今日って珍しく生徒会ないんだよね。放課後に教室でゆっくりおしゃべりしない?」

 「堀川さんからそんなことを言ってくるなんてもしかして初めてじゃない?いいよ、たっぷり話そ」


 とりあえず海音ちゃんの言うとおりに前原さんを教室に残しておくことは成功である

 視界の端に海音ちゃんが見えたので前原さんに気づかれないようにそちらを見ると、目が「よくやった」って褒めてくれてる気がした

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