表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私と彼の恋模様  作者: 辰野
75/224

75.

 前原さんと私たちは30分以上も誰もいない校舎内を歩き廻っていた

 その間、前原さんはクラスのゴミ箱にゴミが残っていないか。廊下はキレイにされているか。それはもうすみからすみまで見て廻っている


 もしゴミが落ちていたり、ゴミが捨てられていないクラスがあればずっと持ち歩いてきた袋に入れて全て回収

 ゴミがいっぱいになって持ちきれなくなったらゴミ捨て場まで持っていき、また新しい袋を持ってきて再開


 思っていた以上に生徒会は私たちがよりよく暮らせて行けるように裏で仕事をしてくれていたのだ

 確かに朝、学校に来たらゴミ箱にゴミが入っていたことなんて私が知る限り一度もなかった

 もしかしたら私が注意深く見ていなかっただけで、ゴミが入っていたときもあったのかもしれないが、そもそもゴミ箱を注意深く見ようと思ったことなんてない

 私たちの常識は生徒会が作り上げてくれているものだと始めて気がついた


 「……なんか、ごめんね。私たちのせいで」

 「ん?なにが?」


 4袋目がもう入らなくなって前原さんが5袋目の新しい袋をだしたときである

 あまりのゴミの量に裏で動いていてくれていた生徒会の方々に申し訳なくなった


 確か日直の仕事の中にゴミ捨てという項目があったとは思う

 けどちゃんとごみ捨てをしていたのは1年の最初ぐらいの時までだったのではないのだろうか

 なぜなら自分たちでゴミを捨てなくても翌日には綺麗さっぱりゴミがなくなっているからだ

 私たちはそれが当たり前だと思って生活してきたのだ


 「私たちは1年生の見本にならないといないのに……こんなんじゃ見本になんてなれないよね…………。」


 1年生の教室を廻っていた時はゴミ袋がある意味なんてほとんどなかったのだ

 精々、廊下で牛乳を飲む時に使うストローの袋を拾ったぐらいだ


 なのに2年生の教室に来たとたん、前原さんが持ち歩いていたゴミ袋が大活躍してしまう

 教室のゴミ箱にゴミが溜まっているのは当たり前

 そして廊下には給食を運んでいるときにこぼしてしまったのだろう味噌汁に使っていたワカメが落ちていたりもした

 そのワカメを嫌がる素振りも見せずに、前原さんはポケットからティッシュを取り出して当たり前のようにゴミ袋へと入れる


 たった1年、たった1年しか違わないのにこの差である

 しかも私たちより年下なのにやっていることは立派である

 ほんとは立派もなにも当たり前のようにやれないといけないことのに、私たちにはできないのだ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ