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私と彼の恋模様  作者: 辰野
70/224

70.

 「それは放課後は生徒会の人が見回りをするからですよ。見回りしたあとはすぐに鍵を閉めちゃうらしいし不審な人がいたら気づきますって」

 「…………じゃあ明日でもいいから生徒会の人にどんな感じで見回りをするのか聞いたほうがいいかもしれないわね。

もちろん、このことはその人には内緒にしてなんでそんなことが知りたいのかを勘付かれないように」


 そう言われてみればそうである

 一緒に電車に乗っていた時にあかりさんかから言われたが生徒会の人ならなにか知っている可能性が高い

 もしなにも知らなくても何時ぐらいに正門の鍵を閉めるのだとか有益な情報は教えてくれそうだ



 問題は誰にそのことを聞くかなのだが私の中ではもう決めてある

 おとなしい性格でいつも人を助けてくれるような優しい人。そしてもし私が事情を話したとしても海音ちゃんたちみたいに一緒になって悩んでくれそうな人

 私は席に座ると迷いもなく前の席に座っている前原さんに話しかけた


 「前原さん、ちょっといいかな」

 「ん?」


 机の上を見てみると1時間目にある小テスト用の教材で埋め尽くされていた

 まだ朝の会にもなっていない時間なのに真面目にもほどがある

 その性格もあってか生徒会では環境委員も任せられている優等生だ


 「あのさ、生徒会の人って放課後に見回りしてるらしいじゃん。できればどうやってやってるのかとか教えて欲しいな…………なんて」

 「?見回り?あんなの別に面白くもなんともないよ。誰もいない校舎の中をひたすら歩き回るだけだから」

 「ってことは前原さん見回りについていろいろと知ってるってことだよね」

 「知ってるもなにもいつも見回りしてるの私だもん。見回りしてる最中にゴミとか落ちてたら拾えるからって先輩に押し付けられてるの」


 てっきり見回りは生徒会の人が全員でやっていると思っていたのだがそうではなかったらしい

 どうやら前原さんが一人で学校内全てを見回りしているみたいだ


 「なんなら今日の見回り、明美ちゃんも一緒にやる?私としては話し相手ができてすごい嬉しいんだけど」

 「うん、私も一緒にやる」


 そんなもの願ったり叶ったりである

 話を聞くだけでも充分なのだが実際にやらせてもらったほうが得られる情報も多いし、実際にやってみないと気づけないようなこともあるはずだ


 「えっと、じゃあ垣根沢さんも一緒ってことになるのかな。今日の見回りはなんだか楽しくなりそう」

 「…………うん。海音ちゃんも一緒に廻らせてもらったほうが嬉しいかな」


 なんで海音ちゃんも一緒に廻らせて欲しいことが分かったんだろう

 まぁ、いつも私と海音ちゃんが一緒にいるからだろうけどね

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