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私と彼の恋模様  作者: 辰野
67/224

67.

 白崎さんのおかげで少しだけ校舎の中に入るのが怖くなくなった気もする

 といって怖いものには変わりないので入りたいとは微塵も思わないのだが、もしかしたら入ることができるかもしれない


 「じゃあ明美が怖気付く前にさっさと確認しましょう。まだイタズラされてないとは思いますけど」

 「大丈夫でしょ。だってこんな夜中から来るとは思えないもん。私なら日が出てから来るのに」

 「それでも遅かったからこの時間から張り込もうとしてるんじゃないですか。これなら絶対に逃げられないからって」


 確かにその通りだし、これなら相手を逃がすようなことは絶対にないだろう

 いくら足が速くても現役高校生から逃げられるほど足が速いなんてまずありえない


 けどさ……つまりだよ…………

 私はこの薄暗い学校の中で何時間も待機しとかないといけないってことだよね!?

 校庭には隠れられるような場所はないし、隠れるなら下駄箱から近いところの方がいいに決まっているよね!!

 そんな長い時間私は耐えなくちゃいけないの!!?


 海音ちゃんが下駄箱を開けるときに心の中ですでにやってありますように、やってありますようにと願っていたからなのかもしれない

 普通ならまだいたずらされていないことを願うのが当たり前なのだけど、それでも願ってしまった

 だからなのだろうか。きっとこれは私たちが望んだ結果じゃなくて、あってはいけないことなのに下駄箱の壁はすでに真っ黒

 大量の落書きの紙と裏返しにされた事故を主張するように入れてあった


 「…………話には聞いていたけどこんなにも酷いものだったのね……」

 「確かにこんなイジメ方をするのは女子だけだよな……」


 二人ともこの状況に唖然しているのか一気に口数が少なくなった

 大体の被害状況は伝えたはずなのだがこの状況を正確に話せという方が難しい

 でもいつもに比べたら今日は紙の量が少ないほうかな


 「はぁ、今日も遅すぎましたか……犯人はいったいいつこれをやっているのやら……」

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