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私と彼の恋模様  作者: 辰野
66/224

66.

 「明美、あんまりくっつかないでよ。歩きにくいから」

 「そんなこと言わないでよ、海音ちゃん!!頼ってもいいって言ったじゃん!!」

 「だからってこんなにくっつかれると鬱陶しいよ」


 もう下駄箱がハッキリと見えるぐらいまで近づいている

 けどあと数歩というところでどうしても先に進めないのだ

 建物の中に入った途端に勝手にドアが閉まって閉じ込められてしまうのではないか

 いきなりゾンビが襲ってきたりするのではないか

 そんなことあるはずがないのに考え始めたらどうしても止まらなくなってしまうのだ


 「ほら、私が行ってあげるからあかりさんたちとここで待っときな」

 「でもそんなことしたら海音ちゃんが閉じ込められちゃうじゃん!!」

 「だから何度も言っているけどここは学校で、ただ暗くなっているだけだってば。いい加減慣れなさいって」


 慣れるなんて私には無理だよ!!

 自分でもいい加減慣れなきゃって思ったことは何度もあるよ

 けど、どうやっても慣れるどころか恐怖が植えつけられていくばっかりなんだもん!!


 「別にいいじゃない。お化けが怖くて震えている子って可愛く思うけど」

 「確かに私もそう思いますけどもう中学生なのに、いるはずもないものに怯えているっておかしくないですか」


 いや、だって分からないじゃん!!

 みんなは見たことないからお化けを信じないって言うけどさぁ、それなら地球が丸いことを信じてないってことだよね!!

 だってテレビでしか見たことないんだから!!

 自分の目で見たわけじゃないじゃん!!

 地球が丸いのを信じてお化けを信じないってどういうこと!?


 「別に苦手なものがあってもおかしくはないだろ。こいつだって未だにピーマン嫌いだし」

 「なっ!?そんなことどうでもいいでしょ!!それとこれは話が別!!」

 「お化けが苦手なのとピーマンが嫌いなのもどっちも一緒だろ。そんなに気にしないでいいと思うけどな」

 「そうですよ!お化け怖いですもん」

 「あんたは開き直らないっの!」

 「うぅ、痛い……」


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