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私と彼の恋模様  作者: 辰野
6/224

6.

 やっと事情聴取が終わったーー!!

 いつの間にかもう昼過ぎだし学校どうしよう……

 今から行ったところで午後の授業しか出れないし……

 どうせ遅刻しちゃってるなら今日休んじゃおっかな


 「あの、少しいいですか」

 「はい?」


 お兄さんにまだお礼してなかったからベンチに座って待っていたら駅員さんに声をかけられた

 もう事情聴取終わったと思ってたのにまだあるの?

 あの駅員さんも警察署までは行かなくてもいいと言われてたからもうすることはないと思うんだけど……


 「なんであの人を痴漢だと訴えたんですか」

 「はい?」


 なんでって、そりゃ痴漢されたからに決まってるでしょ

 私は痴漢されたのに痴漢されましたって言うほどバカじゃないんだけど


 「あの人はもう少しで50になる人なんです。今から職を探そうとしても探せないんです」

 「で、でも私が痴漢にあったことは……」


 「別に痴漢にあったことがウソだとは言いません。ですけど見なかったことにはできなかったのですか」

 「あの人にも養っていくための家族がいます。職を失ったらその家族の将来が変わってしまうのですよ」


 つまりこの駅員さんたちは私に痴漢にあっても我慢しろと言いたいらしい

 悪いのはあのおじさんなのに、私は悪いことしてないのに、なんで私が我慢しなくちゃいけないの

 私が責め立てられる理由なんて一つもないのに……


 やばい、なんだか私……涙が出てきた


 そのあともなんで痴漢にあったことを報告したのか、あいつがその後どうなるのか考えていたのかとひどく罵られた

 時間として10分も経っていないのに、痴漢にあったことよりも駅員さんに責められたことが私の心に深く突き刺さった

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