53.
気がついたら俺は知らないところにいた
たぶん病院にいるとは思うのだが首が動いてくれないので確認のしようがない
「へへ、カッコわり」
「カッコ悪いというかただのバカね」
「か、垣根沢!?」
独り言のつもりだったのにそれに返答が帰ってきたら誰でもビックリすると思う
これといった友達がいない俺にとっては一人が当たり前なのでまさか病室に人が居るとは思ってもいなかった
「肋骨が1本、腕が2本、ヒビが何箇所か。全治するまで最低2ヶ月だってさ」
「だってさ、じゃねぇよ!なんで垣根沢がここにいんだよ!!」
「なに、いたらいけないわけ。わざわざお見舞いしに来てあげてるっていうのに」
首が動かせないので確認はできないがさっきからペラペラと音がするので本でも読んでいるのだろう
窓から光が差し込んでいるのでまだ昼だとは思うが学校をサボってきたのだろうか
「なんでこうも私の周りにはバカが集まってくるのかしらね。私は説教するためにいるわけじゃないのに」
「悪かったなバカで。それよりも学校は」
「さっきも言ったけど人がせっかくお見舞いに来てあげてるのにここにいちゃいけないような言い方をしないの。
あんたが救急車で運ばれたあと午後の授業がなくなって一斉解散になったのよ。
学校側も流石に目を瞑らなかったみたいで保護者への説明会を明日やるって言ってたけど」
これで長年いじめられてきたあの不良グループに決着をつけられたってわけだ
堀川のおかげであいつらに歯向かう勇気が出てきたんだ
後でお礼を…………
「!!そういえば堀川のことはバレてなかったよな!」
俺はあいつらに堀川を脅してこいって言われていた身だ
この騒動でもしかしたら堀川のことがバレてしまったかもしれない
「……はぁ、やっぱり明美のことが絡んでたのね。どうりでおかしいと思った。
もちろん説明してくれるわよね」
「あ、あの、えっと……それは、その…………」
「どうせ、三島とかに明美を脅してこいって言われたんでしょうけど」
「……はぁ、垣根沢にはかないそうがないな。確かに俺は堀川を脅してこいって言われてた。けど俺はその前から堀川がいじめられてるのは知ってた。偶然だけどな」
別に隠すつもりもなかったし、いずれ話しておきたいと思っていたのでこの機会に話すことにした
あまり堀川には聞いて欲しくなかったのであの場では話さなかったが今なら話しても大丈夫そうだ




