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「やっぱりその文字に心当たりがあるんだな」
「………………ええ、でもなんでこれがバレて……というかあんたもこのこと」
「いや、俺はなにも知らなかった。落書きの内容で大体の予想はつくけど」
「あっ、そう。で、あんたはどうするの。言いふらす?それともこれを材料に私を脅す?」
「なわけ。言ったろ、堀川が心配だって。このことは誰にも言わない。むしろそいつを見つけ出す手助けをさせて欲しい」
「理由は?あんたが明美を手助けする理由」
正直に言ってこいつを信頼していいものなのかどうか迷っている
確かに浜口は私に今の明美の現状を教えてくれた
けどそれは本当に親切から来てるのだろうか
私でも人を疑いすぎだと思っている
けど、こんなことがあっている以上、すんなりと人を信用しきれなくなっているのも事実だ
「…………もう昔のことだけど俺もいじめられてたことがあったんだ。こんな周りくどいやり方じゃなくて暴力だったけど」
「つまりあんたは明美に同情してるってことね。自分と同じような立場にあるから」
「まぁそんな感じだ。目の前でいじめられてるやつを放っておけない、いじめられる辛さが分かるからこそ助けたいと思ってる」
この話をどこまで信じていいのか分からない
けど彼の目は曇っていないような気がした
「勝手にすれば」
「それじゃあお言葉に甘えて」
「……ちょっと、いきなりなにすんのよ!!」
こいつをどうしたらいいのかここでは決断できそうになかったので、とりあえず保留にした途端に浜口は行動を起こした
私の手から明美の上履きを奪い取ったのである
いきなりのことでなにも抵抗できずにすんなりと取られてしまったが、すぐに取り返そうと手を伸ばす
あれをクラスのみんなに見せられたら明美のことだからこの学校を去ってしまうだろう
そんなこと絶対にさせない!!
「これ、なんて書いてると思う」
「……は?」
なぜか浜口は奪い取った上履きを私の前につき出してきた
どうやらこの上履きを使って噂をばらまこうとは思っていなかったらしい
けど浜口の行動の意味は未だに謎だ
なんで分かりきっていることを聞くんだろう




