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私と彼の恋模様  作者: 辰野
28/224

28.

 どこからどう見ても普通の女の子

 中学生としては少し高めの身長、おっとりしたような顔、黒くてまっすぐなストレート

 前に会った時と変わったところはなにひとつない

 でも、一緒に歩いていて一つ気づいたところがある


 やっぱりまだこの子は前のことを引きずっている

 本人は大丈夫だと言っていたがやっぱり男が怖いのだ


 道を歩くときもなるべく道路側を歩いて男とすれ違わないようにする

 会計はその子の友達(垣根沢といったか)がまとめてやっている

 あの子も心配してなるべく男に近づけないように気をつけているみたいだ


 「あの、白崎さん。この髪飾りどっちがいいと思いますか」

 「んーー、ピンクの花がついてる方がいいんじゃないかな。明るめの色で似合うと思うけど」

 「うーーん、確かにそうですね。こっちの方が可愛いかも。ありがとうございました」


 なのになんで俺には普通に接しってるんだ

 俺はそんなにキレイな存在じゃないんだ


 確かに俺は君を助けた、ただそれは結果がそうであるだけ

 別に君を助けようとして写真を撮った訳ではない

 つい興味本位で撮ってしまったんだ


 満員電車で一瞬の隙間に見えたその光景

 ただただ珍しくて写真に収めただけ


 流石にエスカレートしてきたので止めたが、もしあのままなら自分から助けようとはしなかった


 どうせ誰かが助けてあげる、俺じゃないといけない理由なんてない

 俺じゃない誰かがヒーローになればいい


 事情聴取でも堀川を助けようとした訳ではない

 被害者の意見を尊重したほうがいいような気がして堀川にどうしたいのか聞いただけで、写真を見せたのもあいつにムカッときたからだ


 盗撮していた俺が何を言っているんだという感じだが女の子に手を出していてヘラヘラ笑っているあいつに腹がたった

 そして自分がした罪も償おうと思った


 この子に何を言われるか分からない

 軽蔑の目で見られようが、思いっきし叩かれようが何をされても構わない

 自分がしたことはそれほどまでにひどいことだと理解できる


 けど君はなにも言わなかった

 罵倒も、軽蔑もない、君は純粋な目で俺にありがとうと言ってくれた


 俺はそんなことを言われていいような男じゃない

 正義を掲げられるヒーローなんかじゃないんだよ


 「…………ら崎さん。白崎さん」

 「えっ」

 「あの、買い物終わりましたよ」


 俺はこの罪を償わくちゃならない

 君をなるべく笑顔にさせて、君が感じる恐ろしさを少しでもなくすことが俺がしなければいけないことだと思っている


 「じゃあ、次行こっか」

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