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私と彼の恋模様  作者: 辰野
2/224

2.

 「君、いい胸してるよね~~」


 って、そこ……胸…………

 痛い!痛いから!!

 なにしてんだ、この変っ態!!


 「お、君も乗る気だねぇ。自分から足を押し付けてくるなんて、グヘヘ」


 違うっての、なんで股間を蹴ったのに効いてないの

 そこって蹴られたりしたらすごく痛いんでしょ

 今度はもっと強く……


 「やめろって……言ってる…………でしょ」

 「おぉおぉ、いいねぇその我慢してる顔。そろそろイキそうなんじゃないのーー」


 んなわけないだろうが!

 誰が我慢してるだってこのクソ野郎!!

 さっきから頭の中にはあんたに対する怒りしか浮かんできてねぇよ!!


 「ちょ……そこは…………」


 すでに服の中への侵入を許して下着の中にも手を入れられている

 下はまだ触られてないけどそれも時間の問題

 次の駅まであと5分ぐらいはあるし……

 私はそれまでこんなやつにずっと体を触られ続けるの?


 それにさっきからチラチラと目線を感じている

 何人かはこの状況に気づいているのだ


 服を脱がされたわけじゃないから直接胸を見られたわけじゃないけど痴漢されてるところを見られたら恥ずかしい

 もし目があったとしてもまるでなにもなかったように目を反らすだけ

 そして私が違う方を向いたらまたジロジロとこっちを見てくる始末


 あいつら、この状況をみて助けようとは思わないのかよ


 「だ、だから…………そこ…………ダメ……」

 

 なんだか、体に力が入らない…………

 頭の中が真っ白になってきてもう抵抗する気もおきない


 くっそ、このままじゃ……ほんとに私、こいつにイカされる!!


 「おい、やめねぇかおっさん」


 そんなとき、私を助けてくれる一人の高校生がいた 

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