102.
新幹線を降りて徒歩数分、高いビルがいろいろなところに立ち並んでいて、見るからに都会風な所を進んでいくとそこに私たちが泊まる旅館『白鳥亭』がある
こんなにも人っていたんだ、って思える程の人ごみを歩いてきたので多少疲れてはいたけど、今日の本番はここからである
旅館に荷物を預けてそのまま必要なものだけを持ってそのまま水族館へと向かうのだ!!
荷物を置くときに一度部屋に入ったけど思っていた以上に綺麗なところだった
窓からは池の中を自由に泳ぎ回っている鯉が見えるし、8畳分くらいの大部屋が二つもある
ここまで来といて今更感はあるが、本当にこの旅行に招待されて良かったのだろうかと不安になるぐらいの豪華さだった
けどここまで来てるんだし水族館が楽しみであることは変わりがない
私たちが住んでいるところは海沿いのところじゃないから水族館なんてそんなシャレたものはなくて、水族館という存在は知っているもののテレビの画面でしか見たことのない幻の世界である
駅弁を食べたのも初めてだったし、水族館に入ることも人生で初となるので今日は初めてづくしの一日となりそうだ
「…………どのバスに乗ればいいんだ」
かといって全くトラブルが起きなければ面白くないし、旅行という感じがしない
私たちは水族館に行く。けど距離も遠いし、歩くと時間も体力も使ってしまうのでバスに乗って移動しようということになったのだが、はてさてどのバスに乗ればいいのだろうか
バスなんてそこに住んでいる人ですらいつも乗っているバスの時間ぐらいしか覚えていないような乗り物なのに私たちが乗りこなせるわけがなかった
せめて旅館でどのバスに乗ればいいかぐらい聞いておけばよかった……
「どうします、今からでもいいから水族館まで歩きますか」
「そういうわけにもいかないだろ。あそこまで5kmぐらいあるのに歩いている暇なんてないぞ」
「そんなの大丈夫ですよ。学校の持久走でも3kmぐらい走らされるんですから。歩きなら私と明美でもなんとかなります」
「そうは言っても、5kmも歩かされたあとに水族館の中をグルッと廻っるんだよ。二人がよくても私の方がクタクタだよーー」
「あかりは昔から体力ないもんな。できることならバスに乗って楽しておきたいんだけど……」




