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パレード・デイズ  作者: ふみわ
小学五年生 一学期
24/26

川島夕の大作戦(朝会)

もう書き始めて一年以上経ったというのに、作中では一週間という衝撃の事実です。はい。

 今日は五月最後の月曜日。

 晴山小は二週間に一度全校朝会が行われる。

 そろそろ気温も上がってきたから、校庭ではキツいんだよね。

 しかも毎回校長先生のノリに脱力させられるし。

 そうこう思いつつ、校庭に向かおうと知代ちゃんを探す。


「あ、いたいた。知代ちゃ──ん?」


 階段の踊り場にいる知代ちゃんを見つけて、声を掛けようとして言葉が途切れた。

 階段の影で見えなかったけど、もう一人──加藤君がいた。


 どうしてあの二人が?

 意外すぎる組み合わせに驚いた。

 そういえば、昨日一緒に帰ったんだよね。少しは仲良くなったのかな?

 悪いと思いつつ、二人の様子を窺ってみる。


「おはようございます。加藤君。月曜の朝から府抜けたお顔ですね」

「おはよう、高科さん。君は(無駄に辛辣で)元気だね」


 どうやら、仲良くはなってならしい。

 加藤君の声は一部小声で聞き取れなかったけど、知代ちゃんの反応を見るに、あまり良いことは言わなかったようだ。

 不穏な空気が二人の間に漂う。

 まずいと思い、私は階段を駆け下りて二人の間に割って入った。


「夕ちゃん!」

「あ、夕っち、おはよー」

「おっはよ! 知代ちゃん、朝会始まっちゃうよ? 早く校庭行こっ。加藤君も早くねー」


 私は驚く知代ちゃんの背中を押して駆け出した。

 ちらりと加藤君を見てみると、何故か可笑しそうにくすくす笑っていた。




「いやぁ、五月ももう終わりですねぇ。段々気温も上がってきましたが、梅雨入りしたら冷えることもあるので、温度調整には気をつけて──」


 校長先生の話を欠伸を噛み殺しながら訊く。


「ところで、皆さん見ましたか? 先週の『しののび』! いやぁ、びっくりしましたねぇ。まさか助けたと思ったお姫様が影武者で男の子だったなんて──」


 あちらこちらで「ぎゃー! まだ録画見てないのに!」「ネタバレやめて!」という絶叫が飛ぶ。鬼か。

 それでも校長先生はにこにこ笑顔でネタバレを続ける。


「ラストで出てきた狐面の彼は何者なんでしょうか? 気になりますね。敵か味方か・・・・・・味方だと嬉しいですね。新しい絆が見れそうです。という事で、今からチーム対抗宝探しゲームを始めます」



『はい???』



 全校生徒と全教員の口からから間の抜けた声が漏れた。

これで、ずっと考えていた話が書けます。

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