我儘の正体
今日は穏やかな日和です。
日差しは秋の美しさで完全です。
楓や桜は最早色づき少女ではない。
私はと云えば相変わらずの中途半端な我儘の途中です。
そんな私を今日は許してくれました。
少し甘いほどのそよ風が私の無精ひげの頬を撫でました。
大型電気店で買ったばかりの新品のヘッドフォンでお気に入りをyoutubeで聞きながら、ある人の詩を読みました。
突然に懐かしい眩暈に少し似ているようなこの痺れが訪れます。
視界が霞み体を突き抜けるこの法悦にも似た痺れはなんでしょうか。
身体全体をいきなり襲う、意識を後ろへゆっくりと引っ張るような白い痺れです。
忘れかけていたこの感覚は、私を創作へ縛り付ける。
きっとこれが私の中にある我儘の正体でしょう。
どこから来るのかどこへ私を連れていくのか分かりはしませんが、仕方がないのでこのまま生きていきます。
願わくば息絶える瞬間もこの痺れの中で死んで行けますように。
我儘に生きて行かなければなりません。どうでも人並みになれない私は、こうするより外に生きる術を見つけられないのです。