国王の血継続作戦~藍色の眼をした少年~
えっと、あの少年はまだこの町に居るよな。いや~、筋が良かったからな~。というか、元々居た世界だったらこんなことなくただ新しく作られた『物』として利用されてただろうからな。まあ、そんなことは良い。向こうの事は全て忘れることにした。
そんなことを考えてた俺は町全体を囲うように、というか町自体に探索魔法をかける。そしてその対象はあの少年。ただ少年は沢山いる。あの少年とほかの少年を見分けるためには……。そういえばあの少年、藍色の目をしてたな……。藍色の目の少年という条件で再検索しよう。
「お、居たぞ!」
そんなことを街中で大声で言った俺はそばに居たおばちゃんとおじちゃんに睨みつけられた。おいおい、勇者様にそりゃないぜ、と思ったけどそういえば俺は自分自身に容姿が変わる魔法をかけてたんだった。ま、忘れちゃうのもしょうがないよな!っていうか速く行かなきゃ!
そう思った俺は自分が居る空間と少年の家の近くの空間を切り取り、交換した。この能力、便利だな。
そうして来た少年の家は空間把握魔法、さっき使った魔法で感じた時よりも段違いの迫力があった。無駄に宝石が使われている黒色のざらざらとした正門。そしてその豪華な模様の隙間からは大きな中庭?とは言い切れず、名の無いそれは学校の中央にある生徒の憩いの場みたいな広さを誇っていた。そしてその中央には噴水がある。水は出ていない。絶対いらなかったよな。あれ。で、その奥に見える洋風の家が少年の住んでいる家だな。外壁はベージュメインで白が少し入っている感じだった。そして窓もついていたが中庭の気が邪魔で良く見えなかった。まあ俺の、スキルで底上げされた身体能力をもってすればこの程度の塀なら飛び越えられるんだけどな!まあこのくらいの家ならあの給料をもらえば一年くらいで帰る家だろうけど、あの少年の実家って結構金持ちなんだな。っていうか今更なんだが今の俺ってあの時と見た目違うから少年から不審に思われて通報されてしまうかもしれない。うーん、一旦魔法解こうかな……。などと考えていると少年の家の門が開く。
少年「どなたですか?」
とニヤニヤされながら聞かれる。こいつ分かってんのか、それとも俺を成敗できるからニヤニヤしてるのか。とにかくその事について聞いてみるか。
「お前は俺を知っているか?」
というなんとも怪しげな言葉を吐く。これでキョトンとしていたらそいつは大爆笑しながらしゃべりだす。
少年「ごめんなさい勇者さwwww、まwwwwwちょっとwwwwww」
こいつは何を笑ってるんだろう。というか俺が勇者だってわかったんだな。やっぱりそこそこの強者は強者の覇気を理解できるんんだな!
「どうしたんだ?」
と俺が聞くと少年は深呼吸をして笑いをこらえる素振りを見せる。
少年「あの、ご主人が門の前に不審者が居るから成敗して来いとおっしゃられたので成敗しにきました!」
「はあ?お前ここの子供じゃないのか?」
少年「まさか!この家に誰が住んでるのか知らないんです?」
「知らんが……」
少年「正直私も今のご主人に出会うまで知りませんでした!」
「なんやねん!」
とノリ突っ込みをしてしまう俺であった。すると少年は苦笑いをした後ににやにやする。こいつはニヤニヤがデフォルトなのかもしれない。
少年「で、俺は一応ここのご主人にボディーガードとして雇われたんですよ!」
「お前みたいなガキが?」
少年「いやいや、そんじょそこらの奴と一緒にされたくないっすよ。俺はこの町一番の剣士ですから!」
と胸を張っているのだが、実際は刀を振りかぶっただけで転ぶんだ。そんな奴が剣士ねぇ。ま、取り敢えずこの家よりも良い条件で雇う、と言う名目で強制的に手尾とか探しに行こう。
「あのさ、突然なんだけどそこより良い条件出されたって言って退職してくれないか?」
こんな子供を金で労働させるとかヤバいだろ。ここ。
少年「いいんすか?」キラキラ
「うん。じゃあ早速行ってらっしゃ~い。俺は適当にそこら辺歩いてるから終わったらこれ割って」
と言って自分の魔制を渡す。
少年「オッケーです!」
魔制は自分の分身のようなものでもしなにか状態の変化、つまり割ったりしたら本人に伝わってくるのだ。
「じゃあね~」
少年「行ってきます!」
と意気込んで走りこんでいく。俺はそれを見守りながら近くの店に金も持たずに入り込むのであった。




