魔王討伐編〜古い地図〜
「ああ、昨日調子乗って酒飲みすぎなければよかった……」
器を与える神「そうだな、俺もやっちまったよ」
手尾「二人とも、緊張感なさすぎでしょ」
女神「まあまあ、しょうがないわよ!だってこの酒が強い事で知られているこの私でさえ3回は吐いたんだから」
「お前、全く反省しないな。あと、お前より俺の方が酒強いから」
器を与える神「いやいや、そんな俺に勝てる奴なんて……」
手尾「醜い争うをするな!一番お酒強いのは僕だからな!」
女神「いやwww、酒のことwww、『お酒』って言ってるやつがwww、強いわけないでしょwww、どうせお前www、すぐに潰れるでしょwww」
「まあまあ、みんな落ち着いて。というか、早く荷造りしろよ」
と言う。そう!俺らは今、絶賛ピンチなのだ!というのも、なんか町の住民とか、ギルドのお偉いさんとか、魔法学校の教師とか、ギルドメンバーとか、いろいろな人が勇者一行を見送りしたい、とか言っている!
でも!別にクエストを受けただけで勇者ではない!そう反論したけど謙遜しなさんなとか言われた!
だから見送りの予定建てをしてたみたいだ。そして、その予定されている出発時間は約4分後!非常にまずい!だから俺のスキル使っちゃうか……だる!
女神「ああ、終わんない!」
手尾「だからあれほど今日の朝、やっとけって言ったじゃん。」
「手伝おうか……?」
女神「いいの⁉お願い!」
「はあ、持ってくもの渡してくれ」
女神「これ!」
「はあ⁉こんな大量の荷物がこれに入ってると思ってたの⁉」
女神「うん」
と、女神は当たり前かのように言ってくるが、色とりどりのガラクタの山がこんな小さな袋に入るわけがないのだ。
まあ、空間を切り取るスキルを応用して、切り取った空間の中にガラクタを入れるということをすれば問題は無いのだ。
あと、スキルによって切り取った空間は少し性質が変わる。そして、切り取った空間はすぐに増えていく。絶対に減らない、ここが3次元である限りは。
女神「これ凄いね!」
「はあ、早く外出るぞ、ってあれ?器を与える神は?」
手尾「どこだろう?」
女神「先に外に出たのかもしれない」
「あいつ、目立ちたいからって先走りやがって」
器を与える神「ここに居るよ」
という言葉は、俺の背後から聞こえる。その声に手尾が声を上げる。そして、まあ、俺もそこそこ驚いた。
「お前、居るならそうと言ってくれよ!」
女神「本当になんだけど、あともうちょっとで予定時刻だよ」
手尾「早く外でよう」
といって、ギルドホールの宿泊施設から出て、ギルドホールの出口に着く。そして、俺は両手を使い、大きい二つの扉を同時に開ける。すると、歓声が上がっている。魔王討伐ってそんなに凄いのか?
とか思いつつそして俺たちが道路?というか道を歩き始めると、大きなパーン!という大きな音と討伐がんばれ~!」「魔王倒せ~!」などの言葉が飛び交う。
そして大きな垂れ幕が下りてくる。すごいな~。一晩で用意したのかな。あ、音の正体これか。
歓声の中、俺たちは堂々と道の真ん中を歩き、突き当りを右に曲がると、急に草むらになっている。この町の敷地外だからだ。
そして、敷地外の一歩手前で
「行ってきます!」
と言い出ていく。その際もずっと歓声は聞こえていたが、相も変わらず内容は聞き取れなかった。
そしてしばらくして俺は手尾に質問を投げかける。
「これ、今どこに向かってるか分かる?」
手尾「器を与える神が知ってるよ」
器を与える神「え、俺知らないよ」
女神「え?」
「早速終わった」
手尾「いや、もしかしたらどっかに地図があるかもしれない」
器を与える神「俺は方位が分かるから方位磁針はいらないね」
女神「残念……方位磁針なら持ってたのに」
「だったら地図持っとけよ」
女神「300年前のだったらあるよ」
手尾「逆になんでそんな古いのあるんだよ」
「まあ、地形ってそんなに変わらないし、あるだけいいんじゃない?」
器を与える神「これで魔王討伐しようぜ」
「仕方がないか、はあ、女神のガラクタ好きが初めて役に立ったね」
まあ、俺はなんとも言えないような、締まらない魔王討伐の旅が始まるのであった。




