ギルドカード
「まあ、考えてみたらとんでもない学園生活だったよね」
女神「例えば?」
手尾「今言ってたじゃん!」
器を与える神「まあ、取り敢えずもう冒険に出てるみたいな雰囲気だったけど、まだ俺たちはギルドに加入してないから早く申請しようぜ」
そう!実はまだ学園を卒業して2日もたってないくらいで、まだ神々はギルドに加入していないのだ!
「じゃあ、ギルドホールに行こう!」
と私が言っても、そうだね……という元気のない返事しか来ないのであった。なんでだろう?
と思いつつも、気まずい雰囲気のままギルドホールに到着したのであった。
手尾「じゃあ、二人分のギルドカードを発行しようか」
「何それ?」
手尾「???」
「だから、ギルドカードってなに?」
手尾「君の荷物を僕が管理している、といっても、まさかギルドカードまで預けてくるなんて思わなかったよ。まさかそれはギルドカードの存在を知らなかったからなのか?」
女神「そんなのあんの?」
「この前登録したときはそんなの無かったよ?」
手尾「ええ!学園入学前にギルドに加入してたの⁉」
「なんか手尾、今日ハイテンションだね」
手尾「君たちのせいだよ!というわけで、ギルドカードを本当に知らないようだから解説しよう!」
器を与える神「おお、急に冷静」
という器を与える神の久々のセリフに誰も触れることはなく、ギルドカードの話になってしまう。
手尾「ギルドカードというのは、自分が本当にギルドに加入しているか、ギルドランク、本名、とかの確認に使われるんだよ。」
手尾「でも、ギルドカードは、ついこのあいだできたばかりだから、知らなくて当然、ってところだね。」
という、嫌味なのか素なのか分からない言葉を浴びせられるのであった。
女神「じゃあ、ギルドカードの存在ができる前にギルドに加入した人はどうなるの?」
手尾「それについては、やり直しだね。ただ、基礎能力診断テストって奴が改善されて、スキルも含めた診断をできるようになったから、まあ、元々のランクと大差なくギルドカードが発行できるんじゃない?」
女神は、ほうほう、といったように頷く。
「はいはい!質問!」
手尾「なに?」
「ギルドカードが発行されるまでにどのくらいの時間がかかるの?」
手尾「そういうスキルを持っている人が居るから、時間は掛からないよ」
「へ~」
器を与える神「じゃあ、ギルドホールに入ろう!」
といって、俺たちはギルドホールに入る。
手尾「すみません、ギルドカード二人分お願いします」
受付嬢「基礎能力診断テストはお受けになりますか?」
器を与える神「じゃあ、お願いします」
女神「私もお願いします」
こいつらがそういうと、受付嬢はニコニコして、
受付嬢「では、こちらに来てください」
といって前回俺たちがランク付けされた時の場所に案内されたみたいだ。
「あのさ」
手尾「なに?」
「私のギルドカード、貸してくれない?」
なぜ私がこのようなことを言ったのかというと、ギルドカードがどんなものなのか見てみたかったからである。
手尾「やだ」
「え、なんで!」
予想外の返事に戸惑ってしまう。
手尾「だってこの前君に、君の分の卒業アルバム渡したら、失くしてたじゃん!」
「なんでそんなことが私に渡さない理由になるの?」
手尾「「あんな分厚いのを、10分足らずで失くしたからだよ!」
「そっか」
手尾「今回は案外素直なんだね」
「だって女神の分見せてもらえばいいじゃん」
手尾「見せてもらうだけだからね!」
「は~い」
と私が適当な返事をすると、女神たちが出てくる。
「ってはやっ!」
女神「何言ってんの?少なく見積もっても、1時間は経ってるよ」
器を与える神「俺は完璧に時間を計れるんだけど、1時間23分29秒だったよ」
手尾「もしかしてだけど、あの中時間操作の魔法がかかってるのかもね」
「確かに!」
と、しょうもないことについて真面目に話し合っていると、元気な声が聞こえる。
受付嬢「ギルドカード発行完了しました~!」
女神「は~い」
といって、女神と器を与える神は受付嬢の元に向かう。そしてなにやら話をしているみたいだ。そしてこっちに受付嬢を連れて来ていく。
受付嬢「では、四人で最低ランクAのパーティを立ち上げるという事でよろしいでしょうか?」
と聞かれる。最低ランクがAというのは、確実に女神のせいだろう。
「お願いします」
受付嬢「パーティのリーダーは誰にしましょう?」
「わたしで」
受付嬢「かしこまりました。よい旅を~!」
といって去っていく。
「じゃあ、取り敢えず女神のランクアップからだな」
女神「ごめ~ん」
器を与える神「一番手っ取り早いのは、Sランクを探すことだな、と思ったが、Sランクというのはなかなかいないのか」
手尾「そこを踏まえると一番手っ取り早いのはAランクの最上位のクエストを達成することだね」
「よし!俺の、『女神の為の』魔王討伐はここからだ!」
女神「嫌味⁉嫌味だよね⁉ね~!」
手尾「まあまあ、魔王討伐をしなくちゃいけなくなった原因は君なんだから」
器を与える神「じゃあ、とりあえず、これからの寝床を探そうか」
「そうだね~……」
というなんとも締まらない始まりの合図で、俺のまたしても長い物語が始まるのであった。
次回予告!
魔王討伐編!開始!




