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幸せ猫  作者: 神輿 結
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一話 二匹の幸せ猫

 暖かな光の当たる草原で、二匹の白猫追いかけっこ。


 片方が片方を追いかけ、たまに逆になり、二人で並び、思い切り走り、蝶を追いかけ、思いついたようにまた追いかけっこ。小さな体で飛び回る。

 追いついて揉み合い、片方が上になればもう片方が上になり、またもう片方が上になる。

 わあわあきゃあきゃあ。全てが楽しくて、二匹の猫は笑い合う。


 二匹の背中には小さな羽。


 楽しそうに遊ぶ二匹は、今日も仲良し幸せ猫。


 ふと片方の猫が、近くにある泉に目を向けた。

 もう片方と一緒に向かって覗き込むと、そこには泣いている小さな女の子。

 鏡のように透き通った水面の向こう、森の中で女の子は、お腹が空いたと泣いている。


 二匹の猫は顔を見合わせる。


 泣いてるよ。可哀想。助けてあげよう。そうしよう。


 二匹は左右の足を出す。

 片方は左足。片方は右足。二人揃って泉に前足をつけると、温かな光が漏れ出した。


 それは幸せのお裾分け。

 不運は幸運に、悲しみは喜びに。不幸せは幸せになる魔法の光。


 泉を通して、泣いている女の子に光が降り注ぐ。すると女の子の前に、木の実がぽとりと落っこちた。

 大きなそれは一個では収まらず、二個、三個、四個と降り注ぐ。


 あっというまに山盛りになった木の実に、女の子は幸せ笑顔。不幸せは吹き飛んだ。


 二匹の猫は顔を見合わせる。

 

 幸せ幸せ。今日もこの世に幸せが増えた。


 二匹の猫は笑い合い、また二人で追いかけっこ。楽しそうに、幸せそうに、草原を走り、駆け回り、気が変わったら上に下にともつれあう。


 そこは暖かな空の上。


 楽しそうに遊ぶ二匹は、今日も幸せな幸せ猫。

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