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スピカ  作者: 遠藤 敦子
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 もういてもたってもいられなくなり、私は眠っているドナルドを叩き起こす。「携帯見たけど藍子って誰? あれだけ私を束縛してたのに自分は浮気してたの?」

 ドナルドは堪忍したのか、真っ青な顔で白状した。藍子はドナルドの職場ーー英会話スクールーーの受付としてアルバイトしている、20歳の女子大生とのこと。藍子からアプローチを受け、彼女がいると言っても「2番目でもいいから付き合ってほしい」と食い下がられたそう。私とは真逆の雰囲気ーー前髪なしのストレートロングヘアで大人っぽいクールな感じーーを持つ彼女に惹かれ、私に悪いと思いながらも付き合い続けていたようだ。

 「ドナルドが浮気する人だとは思わなかった。もうそんな人とは一緒にいられない。別れよう。荷物全部持って帰って。もう2度と私の前に現れないでほしい」

私はドナルドに別れ話をした。お前を失ったら俺はもう生きていけない、とか言っていたけれど、もうそんな言葉は響かない。束縛されていた頃は別れ話をするのが怖かったのに、浮気が発覚した今となっては躊躇なく別れ話ができるようになってしまった。

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