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スピカ  作者: 遠藤 敦子
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 ダニエルはカナダ警察に逮捕され、しばらくして母国へ強制送還されたそう。私はそれ以来、あの日のフラッシュバックに苦しんでいる。ビザをワーキングホリデービザから学生ビザに切り替え、カレッジに通いながら在宅ワークをしているものの、メンタルクリニックの薬が手放せなくなった。

 ジェニーとジャスミンがカウンセリングに付き添ってくれ、散歩に連れ出してくれる。それでも私は男性が怖くなってしまった。ノアは前から友達だったので平気だけれど、ダニエルに似ている人を見かけると逃げ出したくなる。こんな状態で恋愛や結婚などできるわけがない。ノアは私の精神状態を鑑みて、好意を直接伝えることはしてこなかった。

「俺はダニエルとは違う」

「俺は君を傷つけるようなことは絶対にしない」

と伝えようとしているのは言動でわかっていたのだ。もちろんノア本人の努力も。


***


 主治医と友人たちの協力もあり、私はようやく日常生活に戻ることができるようになった。まだ完全に男性を信用できるわけではないけれど、ノアは時間をかけて自分を怖がる必要はないと言葉や行動で示してくれる。

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