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スピカ  作者: 遠藤 敦子
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107/132

107

 結局、私はタクシーを手配して2人と一緒にタクシーの到着を待つことにする。タクシーを待っている間、2人は私のルームメイト・ケイトについて不満を漏らしていた。

「中国人だっけ? あのルームメイト超怖かった! あんな人とよく一緒に暮らせてるよね」

「終バスないから泊まりたいだけなのに、玄関先で追い返すとかマジないわ」

お酒が入っていて、2人ともテンションが高くなっている。この時点で彼女たちとの今後の付き合い方について考えたけれど、その後決定打となる出来事が起こるのであった。


***


 ルームシェアしている家を無料ホテル代わりにされそうになり、断るとこちらが悪者扱いされたので日本人コミュニティーのメンバーとは距離を置いて付き合っている。誰かに泊めてもらう前提で飲み会に参加し、事前に相談もせずいきなり「泊めて」はないだろうと思う。今後も私を当てにされ、断られると「終バスを逃したかわいそうな悲劇のヒロイン」になりたがる彼女たちとはもう関わりたくなかったのだ。

 しかしここで縁を切ってしまうと、異国でできた友達を失うことになる。そう思うとバッサリ縁を切る勇気もなかったのだ。


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