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スピカ  作者: 遠藤 敦子
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 外回りからの帰社後、巣内さんは佐々部チーフから電話対応のしかたについて教えてもらっていた。それから実際に電話に出てもらうことになったが、大人しそうな雰囲気からは想像もつかないほどしっかりした受け答えをしていたのだ。私も最初は「この人大丈夫かな……?」と心配だったけれど、もうその心配も無用だった。

 巣内さんは私から見て斜め前の席にいるので、よく相談も受けている。わからないことがあったらなんでも聞いてと言っていたから。私は外回りで事務所にいないこともあったので、巣内さんと深く話す機会はあまりなかったものの、業務について聞かれたら答えるようにしていた。


***


 ついに最終出勤日を迎えた。ボウリング大会で同じチームだったメンバーと同じ部署の人には菓子折りをそれぞれ配る。引き継ぎもあり、当日はバタバタしていた。最後に岡村部長と佐々部チーフに挨拶をし、佐々部チーフがエレベーターまで見送ってくれた。

「今までお世話になりました。しんどいこともいっぱいあったと思うけど、たくさん電話に出てくれてありがとう。これからも頑張って」

 佐々部チーフと会話を交わしたのはこれが最後になる。もう誰とも会うことはないと思うと、寂しくなった。冷たい風がより一層寂しさを増幅させる。

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