表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/7

破壊種とは

次話投稿は(起きれたら)7時37分になります。

更新されなかったら察してください。

上記の時間で更新されなかった場合、9時7分に投稿する予定です。

「と、破壊種(ヤツら)の生態についてはこんな感じです」


 俺は(しょうじょ)から世界を壊す化け物についての説明を受けていた。


 毎度毎度、俺のいる世界を滅ぼしていく化け物は───『破壊種(はかいしゅ)』と呼ばれるらしい。

 世界を破壊する種だから破壊種。なんとも安直な名前だ。


 破壊種の生態は発生する世界によって様々で、姿形・世界での過ごし方や移動方法に至るまで、共通している点は見受けられないらしい。


 ただ一つ、共通しているのは───どの破壊種も『破壊属性』と呼ばれる力を持っているということ。


 あらゆるものを()()()で破壊する力。しかも、その力によって破壊されたものは、どんな手段を用いても再生不可になるらしい。

 正に最強の破壊能力。


 これだけでも凶悪なのに、破壊種はこれともう一つ、『破壊属性以外の力では傷つけられない』という特性まで有しているとか。


 最凶の攻撃力と最強の防御力を有した存在───それが破壊種。


 過去に何度か説明された通り、破壊種の発生方法は神ですら分かっていないらしい。

 流石の神も、どの事象がどんな結果をもたらすのか、それを全て把握するのは困難らしく、破壊種の発生要因の解明は難航しているのだとか。


 分かっているのは、どの世界にも破壊種発生の可能性があり、そして、破壊種が出現した瞬間、その世界の滅びが確定すること。




「……とりあえず、どれだけ破壊種とやらがふざけた存在であるかは理解した。でも、てめぇ、肝心なことを説明してないじゃねぇか」


「肝心なこと……?」


()()()だよ。あのくそったれな化け物共はどうやったら倒せんだよッ」


「………」


 俺が今一番知りたかったこと。破壊種の倒し方。

 正直、破壊種(ヤツら)の発生理由とか生態とかはどーでもいい。そんなことを知った所で、ヤツらを倒す鍵が見つかるとも思えないしな。

 俺が知りたいのはただ一つ───あのくそったれな種族を、どぉやッたら絶滅させられるか、それだけだ。


 しかし、その一番知りたいことを、いつまで経っても(こいつ)は喋ろうとしない。腹が立って仕方がない。


 痺れを切らし、俺は直接、倒し方(それ)について尋ねた。


「……分かりません」


 しかし、(しょうじょ)からは、俺の望む解答は得られなかった。


「はぁ???」


神々(わたしたち)は腐っても神、世界の管理者です。倒し方が分かっているなら、事が大きくなる前に対処しています」


「……つまりなんだ? お前らは、管理者であるにも関わらず、ミスした後の修正法を知らねぇって言うのかよ」


「……はい」


「………」


 呆れて言葉も出なかった。


 いつだったか、(こいつ)は言った。破壊種の出現は世界のバグ、エラーだと。つまり、管理者である神々(こいつら)が何かしらのミスをして破壊種が発生するのは間違いない。

 でも、こいつらは、バグった後の修正法を知らない。

 管理者は文字通り、物事が正常に働くように監視し、バグが起こらないよう調整する存在だ。そして、万が一バグが起きたら、その対処もまた管理者の仕事である。

 なのに、こいつらはその仕事ができていない。否、できない。


 なんだそれ……それのどこが、管理者なんだよッ。


「じゃああれか? お前らは、あんな異常な破壊種(バグ)を、これからも放置するつもりなのかよ。対処の仕方が分かりません、て言って、いつまでも失敗から逃げ続けるつもりか!? お前らそれでも管理者かよ!!」


 俺が立ち上がり、激昂するも、目の前の神は俯いたまま、うんともすんとも言わない。

 クソ腹が立つ。


「チッ……」


 どうする……? 倒し方が分からなければ、またあの破壊種(ばけもの)に向かった所で返り討ちにされるのがオチだぞ?


 俺はもう一度、目の前の(しょうじょ)を見やる。


 ……神々(こいつら)はあてにならない。管理される側の人間(おれ)にここまで言われて、黙りこくるような(やつ)に、何も期待はできない。


 どうする? どぉしたら破壊種(あいつら)を倒せる? どぉやったら、破壊種(あいつら)を絶滅させられる!?


「……クソッ」


 ここで考えた所で答えなんか出る訳ねぇ。

 ここに答えはねぇんだッ。なら、探しに行くしかねぇだろ。


 どこに探しに行く? どこを探したら見つかる?


 ……そんなの、世界しかない。


 (こいつ)は言った───例え神でも、世界の全てを理解してはいないって。

 つまり、神々(こいつら)の知らないことは、()()()()()()()


 ───なら、やることは一つだ。


「おい」


「は、はいッ!」


 俺に声をかけられるだけで、肩を跳ね上がらせる神。


「俺を、もう別の世界に送ることは可能なのか」


「あ、はい……それは可能ですけど」


「……それは、また赤ん坊の姿でか?」


「いえ、望みを言ってくだされば、可能な限りお答えしますが……」


「なら、種族はその世界で一番繁栄している種族でいい。しかし、能力値(パラメーター)限界値(カンスト)させた体をよこせ。勿論、成人のな」


「そ、それは無理です! 転生させるにもルールがあって、それはそのルールに違反しています!」


 ルール? バグを起こして放ったらかしにしている(やつ)がよく言ったもんだ。


「なら、可能な限りでいい。この能力値(パラメーター)が転生において一番の理想である、という体を用意しろ。三度もお前らの失敗の巻き添えになったんだ、これぐらいの要求はしたっていいよな?」


「そ、それは……はい、分かりました」


 渋々といった形で了承する神。


 なんで、そのような反応を取るのか分からない。

 こっちは、神々(てめえら)が起こした不祥事(バグ)をなんとかしてやるって言ってんだぞ。神々(おまえら)じゃ処理できないから。なのに、何故その協力すら渋るッ。


 ……駄目だ、ここにいると憤るだけだ。


「なら、さっさと俺を転生させろ。さっさと、俺を世界に送れッ」


「……はい」


 そうして、目の前の(しょうじょ)が何も無い空間で両腕を動かし始める。


 早くしろ……早く、早く!!


 俺は逸る気持ちをなんとか抑えながら、転生を待つ。


 少しすると、いつものように視界が真っ白に染まり出した。


 ここからだ……今度は、こっちが破壊する番だッ。




 内藤陸人(おれ)という存在が、破壊種(おまえら)の破壊の象徴になってやるよッ!!




「───」


 転生する───瞬間、目の前にいた少女が、何やら、うすら笑いを浮かべているように見えた。

面白いと感じたら、感想・ブクマ・いいね・レビュー等いただけると幸いです。作成者の意欲向上に繋がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ