破壊種とは
次話投稿は(起きれたら)7時37分になります。
更新されなかったら察してください。
上記の時間で更新されなかった場合、9時7分に投稿する予定です。
「と、破壊種の生態についてはこんな感じです」
俺は神から世界を壊す化け物についての説明を受けていた。
毎度毎度、俺のいる世界を滅ぼしていく化け物は───『破壊種』と呼ばれるらしい。
世界を破壊する種だから破壊種。なんとも安直な名前だ。
破壊種の生態は発生する世界によって様々で、姿形・世界での過ごし方や移動方法に至るまで、共通している点は見受けられないらしい。
ただ一つ、共通しているのは───どの破壊種も『破壊属性』と呼ばれる力を持っているということ。
あらゆるものを無条件で破壊する力。しかも、その力によって破壊されたものは、どんな手段を用いても再生不可になるらしい。
正に最強の破壊能力。
これだけでも凶悪なのに、破壊種はこれともう一つ、『破壊属性以外の力では傷つけられない』という特性まで有しているとか。
最凶の攻撃力と最強の防御力を有した存在───それが破壊種。
過去に何度か説明された通り、破壊種の発生方法は神ですら分かっていないらしい。
流石の神も、どの事象がどんな結果をもたらすのか、それを全て把握するのは困難らしく、破壊種の発生要因の解明は難航しているのだとか。
分かっているのは、どの世界にも破壊種発生の可能性があり、そして、破壊種が出現した瞬間、その世界の滅びが確定すること。
「……とりあえず、どれだけ破壊種とやらがふざけた存在であるかは理解した。でも、てめぇ、肝心なことを説明してないじゃねぇか」
「肝心なこと……?」
「倒し方だよ。あのくそったれな化け物共はどうやったら倒せんだよッ」
「………」
俺が今一番知りたかったこと。破壊種の倒し方。
正直、破壊種の発生理由とか生態とかはどーでもいい。そんなことを知った所で、ヤツらを倒す鍵が見つかるとも思えないしな。
俺が知りたいのはただ一つ───あのくそったれな種族を、どぉやッたら絶滅させられるか、それだけだ。
しかし、その一番知りたいことを、いつまで経っても神は喋ろうとしない。腹が立って仕方がない。
痺れを切らし、俺は直接、倒し方について尋ねた。
「……分かりません」
しかし、神からは、俺の望む解答は得られなかった。
「はぁ???」
「神々は腐っても神、世界の管理者です。倒し方が分かっているなら、事が大きくなる前に対処しています」
「……つまりなんだ? お前らは、管理者であるにも関わらず、ミスした後の修正法を知らねぇって言うのかよ」
「……はい」
「………」
呆れて言葉も出なかった。
いつだったか、神は言った。破壊種の出現は世界のバグ、エラーだと。つまり、管理者である神々が何かしらのミスをして破壊種が発生するのは間違いない。
でも、こいつらは、バグった後の修正法を知らない。
管理者は文字通り、物事が正常に働くように監視し、バグが起こらないよう調整する存在だ。そして、万が一バグが起きたら、その対処もまた管理者の仕事である。
なのに、こいつらはその仕事ができていない。否、できない。
なんだそれ……それのどこが、管理者なんだよッ。
「じゃああれか? お前らは、あんな異常な破壊種を、これからも放置するつもりなのかよ。対処の仕方が分かりません、て言って、いつまでも失敗から逃げ続けるつもりか!? お前らそれでも管理者かよ!!」
俺が立ち上がり、激昂するも、目の前の神は俯いたまま、うんともすんとも言わない。
クソ腹が立つ。
「チッ……」
どうする……? 倒し方が分からなければ、またあの破壊種に向かった所で返り討ちにされるのがオチだぞ?
俺はもう一度、目の前の神を見やる。
……神々はあてにならない。管理される側の人間にここまで言われて、黙りこくるような神に、何も期待はできない。
どうする? どぉしたら破壊種を倒せる? どぉやったら、破壊種を絶滅させられる!?
「……クソッ」
ここで考えた所で答えなんか出る訳ねぇ。
ここに答えはねぇんだッ。なら、探しに行くしかねぇだろ。
どこに探しに行く? どこを探したら見つかる?
……そんなの、世界しかない。
神は言った───例え神でも、世界の全てを理解してはいないって。
つまり、神々の知らないことは、世界にしかない。
───なら、やることは一つだ。
「おい」
「は、はいッ!」
俺に声をかけられるだけで、肩を跳ね上がらせる神。
「俺を、もう別の世界に送ることは可能なのか」
「あ、はい……それは可能ですけど」
「……それは、また赤ん坊の姿でか?」
「いえ、望みを言ってくだされば、可能な限りお答えしますが……」
「なら、種族はその世界で一番繁栄している種族でいい。しかし、能力値を限界値させた体をよこせ。勿論、成人のな」
「そ、それは無理です! 転生させるにもルールがあって、それはそのルールに違反しています!」
ルール? バグを起こして放ったらかしにしている神がよく言ったもんだ。
「なら、可能な限りでいい。この能力値が転生において一番の理想である、という体を用意しろ。三度もお前らの失敗の巻き添えになったんだ、これぐらいの要求はしたっていいよな?」
「そ、それは……はい、分かりました」
渋々といった形で了承する神。
なんで、そのような反応を取るのか分からない。
こっちは、神々が起こした不祥事をなんとかしてやるって言ってんだぞ。神々じゃ処理できないから。なのに、何故その協力すら渋るッ。
……駄目だ、ここにいると憤るだけだ。
「なら、さっさと俺を転生させろ。さっさと、俺を世界に送れッ」
「……はい」
そうして、目の前の神が何も無い空間で両腕を動かし始める。
早くしろ……早く、早く!!
俺は逸る気持ちをなんとか抑えながら、転生を待つ。
少しすると、いつものように視界が真っ白に染まり出した。
ここからだ……今度は、こっちが破壊する番だッ。
内藤陸人という存在が、破壊種の破壊の象徴になってやるよッ!!
「───」
転生する───瞬間、目の前にいた少女が、何やら、うすら笑いを浮かべているように見えた。
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