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来世は良い人生でありますように  作者: 三ki
アルタミラ編
98/121

98,帰郷

キラーに連れていかれた先には、1人の男がいた。


「彼はレイという者だ。

移動系の”スキル”を持っている。

大丈夫、信頼出来る人間だ。」


キラーが紹介してくれる。

ここまで付いてきたのだから、今更キラーを疑うわけがないアンはすんなりレイを受け入れる。


「すでに紹介されたが、レイという者だ。よろしく。

これから君達をクラントに送るよ。」


「よろしく。」


レイから差し出された手にアンは握り返す。


「それじゃあ、この円の中に入ってくれ。」


そう言ってレイは地面を指差す。

そこには特殊な模様の円が描かれていた。


「俺の”スキル”はある地点とある地点を繋げることが出来る。これと同じ模様がクラントにもあるんだ。」


アンは納得して円の中に入る。

続いて、キラーとレイも入る。


「さて、今から移動するが、もう何もやり残したことはないか?」


「やり残したっていうか、少し心配事なんだけど…」


「ん? なんだ?」


「私達、クラントからアルタミラを調査するために来たんですけど、その調査は2組に分かれてすることになったんです。私達は西から、もう1組は東から潜入しました。

それで、その…もう1組の方が心配というか、そこに友達が2人もいて…」


「悪いが、そのもう1組の方については何の情報も持っていないな。もしかしたら無事かもしれないということもある、がそんな希望的観測を信じていられない。ひとまず今は先を急ごう。」


「…はい、分かってます。」


アンは少し残念そうな表情になったが、すぐに覚悟を決め直した。


「じゃあ、移動するぞ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここは…クラントのどの辺ですか?」


「クラント軍の本部の近くだ。人目につかない場所を選んだから知らなくても無理はない。」


アン達は一瞬でクラントまで移動した。


「ここから10分ほど歩けば軍本部に着く。

その時は顔つなぎを頼むぞ。」


「はい。」


そしてアン達はクラント軍本部まで辿り着いた。

しかし、アンはあまり軍本部には入ったことがなかった。

どうしようか少し考えていると、門の向こうから懐かしい声がしてきた。


「おーーーい!! アンーー!!」


そう言いながら走ってきたのは、シトラ、ルビア、イリアの3人だった。



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