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来世は良い人生でありますように  作者: 三ki
アルタミラ編
88/121

88,シャーロット家(2)

「”サ…サイコキネシス”……?」


え?

今この人達はオレの実力ではなく、オレの”スキル”に驚いたのか?

どういうことだ? 別に”サイコキネシス”は変な”スキル”ではないはずだが…

みんなも頭にハテナマークを浮かべていた。

少し間が空いて、キラーさんが話し始めた。


「……今、”サイコキネシス”を使ったのはあなたですか?」


「はい、そうですが?」


「あ、えーと、その…ありがとうございました。我々を守ってくれて、」


「いえいえ、当然のことをしたまでです。」


オレは疑問に感じながらも、とりあえずは普通の受け答えをする。

しばらくお互いに沈黙が訪れた。

それを破ったのはラース先生だ。


「では我々は、娘さんにもあまり歓迎されていないようなので、そろそろ帰らせてもらいます。」


えっ?早すぎないか? とオレは思ったが、正直この気まずい雰囲気の中にいたくなかったので、何も思わないことにした。


それからラース先生とキラーさんが、お互いを気遣いながら会話して、オレ達は結局帰ることになった。


帰りの道でオレはラース先生に話しかける。


「少し早すぎませんでした?

もう少し粘れば何か情報を拾えたかもしれないのに、」


シャーロット家では何も言わなかったが、ここでは好きなだけ言える。


「いや、おそらく何も拾えなかっただろう。

そもそもあの娘さんがいるから、あのまま続けばこちらの情報がバレかねない。だから早めに帰ろうとずっと思っていたんだ。最後の方はよく分からない雰囲気だったから今なら帰れるか、と思ってああ言った。」


オレは一応納得させられた。

だが、そのよく分からない雰囲気が謎だ。

キラーさんが言ってたように、驚きやすいと言われれば何も反論出来ないし、フーカが大人しくなったのも、顔にお茶がかかりそうだったからというので一応筋は通ってる。

ただ何か違和感がある。

やはり、あの宗教には何かありそうだ。

だが、まあ何も拾えなかった以上、おそらくオレ達は強行突破になるだろうな。

実際に軍に潜入して情報を得る。

もしくは軍の偉い人を拉致する。

前の会議で上がっていたのはこの2つの意見だった。

おそらくこのどちらかになるだろう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その頃、シャーロット家ではリエルについての話しがされていた。


「この時期で”サイコキネシス”…まさかあの子が希望の星なの?」


メアリーがキラーに尋ねる。そのキラーは終始険しい顔をして何かを考え込んでいる様子だ。


「……まだ分からない…な……

とりあえず、俺は親父に相談してくる…」


「お義父さんに? 確かにそれは良いかもね。」


「ああ…何せ、これからの俺達の行動に…アルタミラ、いや、世界の未来が掛かっているからな…」




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