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来世は良い人生でありますように  作者: 三ki
アルタミラ編
87/121

87,シャーロット家

オレ達はプロフェジア教会へ行くために、朝早くに駅に向かっていた。


「まさかあんなに遠かったとは…」


アデン少将のセリフで耳が痛い…

アンとウェアは横でクスッと笑っている。


駅に着き,列車に乗った。

朝が早いので列車内に人は少ない。

そしてみんな早速眠りにつこうとする。

オレもそれを見て眠りについた。


どれくらい寝ていたのか分からないが、気づいたらもうすぐ着くらしい。

窓の外を見ると、景色が大分変わっていた。

時計を見ると、もう昼はとっくに過ぎていてお腹が空いていた。

そしてそのまま駅に降りた。

オレ達の向かう先は、駅からもそれなりに歩かなければいけないところにあるので、まず昼食を済ませてしまうことにした。

辺りで飲食店を探し、そこに入る。

折角の昼食だというのに、みんなは任務のことばかり気にして、ゆっくり食べることが出来なかった。

昼食を終えると、すぐに目的地に向けて出発する。


「そう言えば、その教祖の子孫のシャーロット家はどこに住んでいるんだ? 教会の近くだと言っていたが、教会ではないのか?」


歩くながらアデン少将に質問された。


「正確な住所までは分かりませんが、教会の近くらしいです。 まあ昼ならおそらく教会にいると思うので大丈夫でしょう。」




しばらくして教会に着いた。

しばらく周りを見渡した後、中に入ろうとすると横からそれを止められた。


「すみません、少しこちらに来ていただいてもよろしいですか?」


声をかけてきたのは中年の男性と、おそらくその妻であると見られる女性。それとおそらくその子供であるオレと同じくらいの子供が1人。

その子供は、母親と見られる女性の後ろに少し隠れている。

オレはその子と目が合ったが、すぐに逸らされた。


「あなた方は?」


こちらからは代表してラース先生が応える。


「プロフェジア教の教祖の子孫です。」


告げられた驚愕のセリフに、オレ達は声こそ出さないが、お互い目を見合わせる。ただラース先生だけはあまり驚いた様子がなかった。


「どちらへ行けば?」


「私達の家まで、」


すぐ近くですのでご安心ください、と付け足してから、男性は軽く礼をする。


「分かりました。」


「ありがとうございます。では着いて来てください。」


そう言われたので、オレ達はその男性に着いて行った。

そしてやがて家についた。

家は本当に遠くなく、歩いて2分もかからないようなところにあった。

そして客室に案内される。

中に入ると、丁寧に椅子が5人分並べられていて、座るように促される。

相手の3人も…いや、子供は立ったままだ。

男性と女性の方は分からないが、少なくとも子供の方はオレ達を警戒しているようだ。

そして男性が女性に茶を入れるように促す。

男性は腰を下ろすと、優しく話し始めた。


「まずは、こちらの無茶な願いを聞いていただいてありがとうございます。」


そう言って軽く礼をする男性。


「自己紹介から入ります。

まず私は、キラー・シャーロット。

そしてさっきの妻はメアリー、娘はフーカと申します。」


そしてこっちも1人1人自己紹介をして行った。

そして、ラース先生が少し話した後、用件をキラーさんに尋ねる。


「実は、フーカの”スキル”は”超感覚”と言いまして、普通の人より感性がかなり高いのです。そのフーカが言うには、あなた方は相当な戦闘力を有しているらしく、このように怖がっていまして、それで今こうしてお呼びさせてもらっているという訳です。」


褒められた気がして少し嬉しい。まあ感覚が麻痺っていたが、オレ達も世間一般から見れば強い方の部類だからな、


「差し支えがなければどのような理由でこちらへ来たかお教えしてもらってもよろしいでしょうか?」


ラース先生は少し間を置き答える。


「ただの旅ですよ。プロフェジア教は有名なので、その教会があるなら寄ってみようと思っただけです。少し興味もありましたしね。

戦闘力というのはよく分かりませんが、旅をしている間に強くなったのかもしれません。」


「そんなレベルじゃない!! あなた達が軍に入れば———」


「こらフーカ! お客様に対して失礼だぞ!」


フーカが横から口を出す。

それをキラーさんに止められるが、それでも止まる気配はない。余程オレ達が強いのか♪ なんか嬉しい♪


「パパは私の感覚が分からないからそう言えるんだよ!

だってこの人なんかパパよりも強いよ!?」


そう言ってラース先生を指差す。

オレはキラーさんよりは強くないのか…ちょっとショックだ…

キラーさんはフーカの言葉に少し驚きつつ、それでもフーカを何とか止めようとする。

その時、フーカの母のメアリーさんがオレ達とキラーさんの6人分のお茶をお盆に乗せて運んで来てくれた。

しかし、フーカが暴れていたので、それがメアリーさんに当たり、6人分のお茶が空中に散布する。

少し悲鳴が聞こえた。

一応出来るだけ実力は隠しておこうと思ったが、已む終えず”サイコキネシス”でお茶とコップとお盆を浮かして机に、まるで運ばれたかのように置く。

シャーロット家の3人はオレに驚いているようだ。

しかし、オレぐらいの歳になると、あれくらいは出来てもおかしくはないと思うのだが、そんなにおかしいことなのだろうか?

すると、キラーさんが漏れたような声で言った。


「”サ…サイコキネシス”……?」

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