83,図書館
オレ達は情報収集の一環として、まずは図書館に来ていた。
スイープシティー最大の図書館であり、アルタミラ全部で見ても最大の図書館なのだそうだ。
何を知るにもまずは歴史から、オレ達は歴史のコーナーに向かった。
実はアルタミラの歴史には謎が多い。
元々は小国であったのだが、奇跡のようなことが次々と起き、やがて大国となり今に至る。
もしかしたらその奇跡のようなことの中にヒントがあるかもしれない。
流石はアルタミラ1の図書館、本が大量すぎて選べない。
オレはとりあえず一番細そうな本を手に取った。
読書は別に嫌いというわけではないのだが、分厚い本はあまり受け付けない。
【アルタミラの誕生】と書かれた本
誕生の上にはかわいく読み仮名が振られてある。
いかにも子供向けの本だ。
流石に読む気が失せるが、読むのに1分ぐらいしかかからないだろうと思い、とりあえず最初の数ページを開いてみる。
するとやはり、クラント出身のオレでも知ってる内容ばかりだった。読み始めて20秒で本を閉じた。
次に手に取ったのは学校の教科書のようなものだ。
流石にさっきよりはマシで、今回の任務に向けてかなり予習してきたオレでも分からないことがかなりあった。
しかし、オレ達が求めているような情報とは何か違う気がする。
やはり分厚い本を取るしかないのか…
するとその時、アンとウェアがオレの元に来た。
「どうだ? 何か良さそうな本見つかったか?」
それぞれ別のコーナーで良さそうな本を探していたアンとウェア。オレのところに来たということは、良い本が見つからなかったのだろう。
「まだ探し中…いや…見つけてるんだけど読む気が起きない。」
「なにそれ?もうちょっと真面目にしなさいよ。」
これは任務なのだ。あたりに人はいないが念のため口には出さずにアンがそう言ってくる。
それに対して、オレはあるところを指差した。
オレが言っている良さそうな本、一番分厚い本だ。
必然的にアンとウェアがその本を見るのだが、2人の顔は明らかに嫌そうな顔をしていた。その顔の変化が何とも言えず面白かった。
「…き、気持ちは分かるけど、それでもこれ読むしかないんじゃない…?」
アンが遠慮気味に言ってきた。
ウェアは何も言わない。
おそらく、何か言えば「じゃあお前が読めよ」とオレに言われるのだろうと警戒しているのだろう。
「正直この本を借りて大人2人に任せようかと思ってる。」
ウェアの目の色が変わった。
「イイじゃん!それ!」
それに対し、アンはあまり乗り気じゃなさそうだ。
「でも何かそれ言いに行ったら怒られそうじゃない?
特にアデンさんとか、絶対何か言ってくるって、
それで結局私たちが読む羽目になるパターンじゃん。」
「まあな…」
オレもその展開は予想していた。
「仕方ない…読むか…」
オレのその言葉に、2人は明らかに気を落としていた。
「じゃあ誰が読む?」
オレ達3人が目を合わせる。
「そりゃあ見つけた人じゃないか?」
「だよねーこれを見つけるに至った経緯とかそう言うのも重要だと思うし、」
アンとウェアがそう言ってオレを見てくる。
オレは慌てて止めに入った。
「まあまあ、こう言うのはじゃんけんだろ?」
そして結局オレが負けた…




