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来世は良い人生でありますように  作者: 三ki
世界動乱編
74/121

74,裏切り

「よく堪えたね君達。あとは任せて!」


ガイア中将が6人全員を大地を流動させて自らの方へ寄せる。


「君達は安全なところへ避難していて。

2人ほど付き添ってあげて。」


ガイア中将がリエル達に優しく声をかけ、ガイア中将と一緒に来ていた数人の人に指示を出す。


その頃、ロードの方では、ある問題が起きていた。

(おい、ソガ、シシル応答しろ。)

ソガとは、アルタミラの”透明化”の”スキル”を持つ者のことだ。

シシルとは、アルタミラの”瞬間移動”の”スキル”を持つ者のことだ。

2人とも、今回の奇襲作戦でロードの撤退に力を貸してくれることになっていた。

ガイアが現れたことで、自分が絶対勝てると保障出来なくなり、言われていた任務を一応はこなしたので逃げようと思ったのだ。

しかし、持っていたトランシーバーに連絡しても一向に返事がない。他にも、いくつか合図があったのだが、それを全部試しても何の反応もないのだ。

(何かトラブルがあったのか…

もしくは……事前の会議で触れられていたように…アルタミラの裏切りか…)

ロードが思案していると、ロードの周りの大地が盛り上がり、それがロードに押し寄せる。

それをロードは咄嗟にジャンプし回避する。

(とりあえずどちらにせよ、俺がヤバいということだな。

とにかく逃げるか。)

というわけでロードはヴァルランダの方角へ一直線に走った。

目の前に土の壁がおそらくガイアによって作られたが、俺はそれを全力パンチで打ち破り、さらに走り続け———ようとしたが、突如前方から強い衝撃が加えられた。

普段のロードならすぐに対応できるが、その直後にロードが考えた最悪のシュミレーションを想像してしまい、固まってしまって受け身を取れなかった。

ロードはさっきまで一直線で走っていた方から90度右に向かって全力で走った。

すると今度も、前方から強い衝撃を与えられる。

(……まさか!!! これはソガとシルルの仕業か!!!

アルタミラが………ヴァルランダを裏切ったか!!?

だが、一体何のために?

いや、そんなことを考えるのは後だ。おそらくこれは、ヴァルランダの大きな戦力である俺をクラントとぶつけて共倒れさせる作戦。

ならば奴らが最も望まないだろう手を打ってやる。)

ロードが決心した時、ガイアから声がかかる。


「さっきから何をしているの? 逃げたと思ったら転んで、それをまたもう一回。何のつもり?」


転んだと思われたのは心外だが、向こうから話しかけてくれたのは好都合だった。ロードは交渉に移る。


「ちょうどいい、聞いてくれ。

まず私はもうお前たちと戦う気はない。」


ロードはそう言って両手を上げる。


「…? 今更なんのつもり? あなたのせいで何人死んだと思ってるの?」


両手に加えて、続いてロードは膝をつく。


「違うんだ。騙されたんだ。

実は今回の戦争にはアルタミラが絡んでいる。

今回の我が国の兵、かなり多い、そして強いと感じなかったか?

それはアルタミラの助けがあったからだ。

だから今回の戦争にあれだけの人員を注ぎ込めた。

そしてこの奇襲作戦もそうだ。アルタミラの助けを借りている。

そして俺はラスト、マイク、ルーグランの子供達を殺すように言われたのだが、お前の登場でそれを全部こなすことが厳しくなった。だから逃げようと思って俺はアルタミラの奴らに合図をしたんだ。だが一向にその返事がない。

それにお前はさっき俺が転んだと言ったが、それはアルタミラによる俺の逃亡防止だろう。

アルタミラは俺と…いや、ヴァルランダとクラントで潰し合いをさせて、いいとこどりする腹だ。

だが、ここでお前が俺の話を信じてくれたら、俺が…ヴァルランダがクラントの味方につくと宣言しよう。

頼む! 信じてくれ!! 俺は騙されただけだ!!!」


ガイアは少し考えた後、ロードに話しかける。


「……まず、あなたが真実を言っていようと言まいと、その可能性がある限り、私1人の判断では———ッグ!?」


その時、ガイアが急に後ろから刺された。

ガイアは血を吐き、少し身を屈めると同時に周囲に大きい土の針を生やす。

その内の1本の先端が、血で染まっていたが、どうやらもう逃げたようだ。さらにそこに追撃を加えても何の反応もなかった。

ロードには、ガイアを攻撃した者達の正体がすぐに分かったが、何も知らないガイアは、誰に攻撃されたのか分からない。それゆえに疑いはロードに向く。


「…これは…あなたの部下の仕業なのかしら?」


ガイアが刺されたナイフを抜き取り、それをロードに向ける。


「ち、違う!! 俺は本当に戦いを臨んでいない!

今のは俺がさっき言ったようにアルタミラの奴らだ。

俺とお前を衝突させたいんだ。」


「それが本当だろうと、このまま攻撃され続けたら私が死にかねないので、あなたを殺してから真偽を確かめます。」


「………もう、何を言っても無駄そうだな………

ならば俺は…どんな手段を用いても国に帰らしてもらうぞ。

例えばお前を殺してでも。」

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