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来世は良い人生でありますように  作者: 三ki
世界動乱編
68/121

68,死

何もない空間にエガーはゆっくりと倒れる。

それを見てイリアが近づいてきた。

イリアはさっき話していた時よりさらに傷ついている。


「勝ったんだね。流石はシトラとルビア。明らかにこいつは中将クラスだったのに…」


「…まあボロボロに負けても全然おかしくなかったよ。ただ偶然勝てただけ。ところでそっちは?」


「もちろん勝ったよ。まだこの空間を維持するために殺してはいないけど。あと一応スキルブレイクとかもないように気絶させてもない。まああんなの稀らしいから起こんないとは思うけど、」


そう言ってイリアは倒れているカートの方を指指す。そのカートは血まみれで、死んでいると言われても納得できるぐらいだった。


「あれ本当に死んでないの?」


「もちろん。まあどっちももう勝ったし、そろそろ殺す?」


字面だけ見ればイリアがとても怖いことを言う。


「それよりそっちこそルビアは死んでないの?」


と言って氷に包まれたルビアを指差すイリア。


「うん。まあ冷凍保存の完全上位互換みたいな感じ。

じゃあ今からルビア溶かすから、それからあの”ワープ”使いを殺そう。」


「了解。」


そう言ってまずルビアの元に2人。

シトラはルビアを包んでいる氷に触れ、溶かす。

そして今も気絶しているルビアをシトラがおんぶしてカートの元へと向かう。

それを少しニヤニヤして見るイリア。


「何?」


「ああいや、随分仲良くなったなって。」


「別に仲良くなったわけじゃないよ。ただ流石に私の代わりに攻撃受けてくれたりしてて、少しは感謝してるからね。ただそのお礼をしてるだけ。こいつに借は作りたくないから。」


無感情に淡々と言うシトラを見て、少しつまらなそうにするイリア。


「まあいいや。じゃあそろそろ現実世界に戻ろうか。」


そう言って”ライフル”を作り出し、それをカートへ向ける。


「いいよ、じゃあ戻ろう。」


パンッと音がした後に、辺りが一瞬黒くなり、そして戦場のローズン平野へ戻ってきた。

しかし、シトラとルビアは同じ場所にではなく、ゲートに入ったところへ移動したらしく、イリアは自分がいた狙撃地点へ、シトラは大佐達がいる前線へ。それとエガーとカートの死体もゲートに入った地点へ移動した。


「? あれ? イリアは?」

「? あれ? シトラは?」


イリアには返事は無かったが、シトラにはあった。


「……ん? お前はシトラか…?」


話しかけてきたのは、かつてルビアとシトラと一緒に前線に出たが、カートによって分離させられたピース大佐であった。


「! ご無事でしたかピース大佐!」


「…ああ、まあな。そっちこそその背中にいるのはルビアか? 無事なのか?」


「ええ、おそらくもうここでは戦えませんが生きてはいます。それより他の大佐達は?」


シトラがそう言うと、死んだような顔をするピース大佐。そこから数秒沈黙が続く。

それでシトラも何となく察してしまった。


「……………後ろを見てみな……」


シトラが恐る恐る後ろを振り向く。

そこには、血だらけになった敵の2人と…エルヤー大佐、カイラ大佐の姿があった。

察せてはいたが、実際に見る衝撃はかなり大きく、数秒固まるシトラ。そのシトラに後ろから声がかかる。


「………みんな死んでいる…エルヤーさんは……自分ごと敵を巻き込んで…カイラ…は…俺を庇って…」


言いながら泣き出すピース大佐。

その時、シトラはイリアに言われたことを思い出す。

「人は結構簡単に死ぬよ。」

その時、遠いところから凄い爆音が聞こえた。

シトラはおぶっているルビアに無意識に力が入る。



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