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来世は良い人生でありますように  作者: 三ki
世界動乱編
66/121

66,作戦

「協力しようルビア。あいつを倒す策がある。」


ルビアが何を言われたのか分からないという顔をする。

イリアは満足そうな顔をする。


「それで、私はどうすればいい?」


「イリアはあの”ワープ”使いを相手しといて。

私達があいつを倒す。」


「りょーかい。」


イリアが”ライフル”を作り出しながら、カートへ歩いていく。


「おい、協力って本気で言ってんのか?」


ルビアがシトラに詰め寄る。しかし、意外と不服感は無さそうな感じがする。


「うん、本気だよ。1人ではあいつに勝てないことぐらいあんたなら気づいてるでしょ?」


ルビアが罰の悪そうな顔をして答える。やっぱりルビアもこのままでは勝てないことぐらい気づいているようだ。


「ま、まあな…でも2人で戦ったところでそんなに変わらないだろ? 俺達相性最悪だし。」


「だから作戦があるって言ったでしょ?」


「あれマジだったのか? それよりあんまり話している暇はないぞ。」


見ると、エガーが力を手を鳴らしながら近づいて来ている。


「話し合いは終わったかね?」


「待ってくれてたのか? 誰に対しても油断はしないんじゃなかったのか?」


ルビアが少し笑いながら言う。

それに対してエガーも笑って返す。


「これは油断ではないさ。実際、さっきは待っていたのではなく警戒していたのさ。さっきのゲートから現れた少女がもしかしたら私を倒し得る攻撃があるかもしれないからね。

だからさっさとケリをつけてカートに加勢に行きたいね。」


「それは私達も同じだね。今は外の状況がマズイようだから早く他の人達に加勢しに行かないといけないからね。」


ルビアがシトラの言ったマズイ状況に少し気になったが、今は戦いに集中する。


「それで、作戦ってどんなんなんだ?」


ルビアが小声でシトラに話しかける。


「細かく話してる時間はないから、やってほしいことだけ単刀直入に言うよ。ルビアは”スキル”を使わないで。」


「は? お前それ俺に戦うなって言ってるもんじゃね?」


ルビアがやっぱりそんな感じかよ、という顔をシトラに向ける。

エガーが、またかこいつらか、という風に両手の掌を上に向けて首を少し傾げる。


「違う。ちゃんとした作戦があるって言ったでしょ?

とにかく絶対に使わないでよ。マジで。」


ルビアはシトラの顔に本気の顔を見た。


「…まあ了解だ。初めてお前を信じてやるよ。」


「ありがとう。」


ルビアとシトラが戦闘体制に入る。

それに合わせてエガーがルビアに向けて突進する。

ルビアはその攻撃のガードに手一杯だが、その時シトラは、エガーの背中に触っていた。

エガーがルビアを吹っ飛ばして、シトラを振り払う。


「何のマネだね? 攻撃してこないのか?」


「攻撃したらダメージを負うの?」


エガーがシトラに向けてパンチを放つ。

片手のパンチにシトラは両手で防ぐが、それでもなんとか防ぐことに成功した。

そしてその腕を掴んでそのまま離さない。

エガーは自分の腕ごと地面に叩きつけ、シトラを抑え込む。


「だから何なんだそれは。触れることで何になる?」


エガーがもう片方の腕を振り上げる。

それに対してシトラはただニコッと笑うだけだ。

エガーはそれを見てシトラの顔にパンチを放つが、それにルビアが間に合い、エガーの振り上げた片腕を掴む。


「遅いよバカ。」


「まずは礼だろ。」


ルビアがエガーに蹴りを入れ、シトラから引き剥がす。


「やっぱりノーダメージかよ。ちっムカつく野郎だ。」


エガーが何事もなかったかのように立ち上がる。


「大丈夫、ノーダメージは計算通り。このままでいいよ。」


「今あいつとやり合ってみてお前の作戦がようやく分かった。確かにそれしか無さそうだな。」


「意外と頭良いじゃん。」


シトラが少し笑って言う。


「お前はいつも一言余計なんだよ。」


それに対してルビアも少し笑って返す。


「さぁ来るぞ。」


エガーが今度もルビアに詰め寄って首元を狙う。

ルビアはその手を掴んで、片手だが自由を奪う。


「今だ!! シトラ!!!」


シトラはエガーの頭を掴む。


「だから何なんだよ! さっきから!!」


エガーがシトラを無視して、ルビアに攻撃する。ルビアは一瞬気を失ってしまうが、シトラがエガーを振り払い、ルビアを助ける。


「ほら、起きて。 もうすぐ決着よ!」


ルビアが頭から血を沢山流しながらの立ち上がる。


「決着? 私はまだノーダメージだが?」


エガーがゆっくりと歩いてくる。

しかし、真っ直ぐ歩けないのか、少しふらついている。

エガーはそれに対して、あまり気に留めてなかった。

しかし、ルビアとシトラは笑みを浮かべていた。


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